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私とあの人、どっちを取るの?

まず、最初に断っておきたいのは

私は自分の人生の中でタイトルにあるこのセリフを言った事はない、という事実だ。

申し訳ないがそんな色気のある人生は歩んでいない。

どちらかと言うと、色気より食い気、食い気より眠気である。

(生まれた時から長年ロングスリーパーで通っている。冬場だったら本気で冬眠できるかもしれない。)

この
「どちらを選ぶのか?」
というシチュエーションで私が真っ先に思い出すのは


ドラゴンクエストⅤというロールプレイングゲーム。

はい、またゲームの話ですよ

ドラクエⅤの主人公はストーリーの中で成長して幼馴染のビアンカ(右)と再開する。
しかし、金持ちのルドマンの娘であるフローラ(左)と結婚するという条件付きで「天空の盾」という、物語の中で重要なアイテムを手に入れることができる。

この2人の間で主人公が揺れ動き、どちらかと結婚しなければならない選択をゲーム中に突然迫られる。

お付き合いもしてないのに、いきなり結婚しなければいけないなんて、現実世界では到底ありえない話だ。

(ただし、昭和一桁代の方は「じゃ、明日からこの人と一緒ね」という無理ゲーを乗り越えてきている強者が多い事は、仕事柄よく利用者さんから耳にする)

ビアンカは少し年上のお姉さん。幼馴染で、気立ても良く、親想いの明るくやさしい娘だ。

フローラは美しく清楚で、従順でおとなしいタイプ。そしてお金持ちの家柄だ。

私は何回もこのゲームをプレイしているが
迷う事なくビアンカを選ぶ。

だって、ビアンカとは幼少の頃に一緒に冒険をしたかけがえのない仲間だし、自分の亡き父親の事だってよく知ってる。
いじめっ子から守ってあげたキラーパンサーというモンスターの子の名付けを一緒にしたのもビアンカだ。(名前が「ゲレゲレ」という彼女のセンスにおののく)

金より愛だし、思い出だ。

当然でしょ!

盾なんかあとでどうにでもなる。

なんて....最初に選んだ時は無謀にもそう考えた。

(結局ビアンカを選んでも最終的にはルドマンは主人公にほだされて盾をくれるのである。)

と、まあそれはさておき、

そんなドラクエⅤの話はどうでもいいのだが


今日、私は初めて夫にある「選択」を迫った。


どっちを取るの?」と


私は彼に詰め寄ってみたのだ。


事の発端はじゃがいも。


お姑さんから
私は先週大量のじゃがいもを頂いたのだ。
その数、見事40個。

いくら常備菜としても有名なじゃがいもさんでも、さすがにそんなに突然来られてもリンダ困っちゃう!のである。(安心して欲しい、ネタは古いがサバは読んでいないつもりだ)


しかし、お姑さんはいつも私の話なんか聞いちゃいない。「いっぱいあってうちも困っちゃうから」と親切にどんどこ野菜を渡してきてくれる。

困っているのはリンダだけではない。
お姑さんも困っている。

私は何とかこの大量のじゃがいもを消費したいがゆえに、たくさんの芋料理を生み出した。

ある時は肉じゃが。

ある時はカレー。

ある時はポテトグラタン......


うーん。今日は何にしよう。

ああ、そうだ!

あれやってないじゃん。

ポテトサラダ。


私はじゃがいもを茹でる。

そしてきゅうりを輪切りにし、塩をかける。
人参を半月切りにカットして茹でる。
卵を半熟に茹でて殻を剥く。

そこへ取りだしたるはベーコン。

私はポテサラはハムよりベーコン派だ。

それは「3月のライオン」という漫画の中でポテトサラダを作る場面が出てきて、完全にそのシーンに影響されているからだ。

このポテトサラダです

極め付けはマヨネーズ。
こちらもためらわずたくさん入れ込む。

確かにおばさまが言うとおり太りそうではある

こうしてポテトサラダは完成した。


娘に夕飯を食べさせる。

あとは夫の帰りを待つだけ。

息子は今日はお姑さんのおうちでご飯を食べる日だ。

ポテトサラダを作りながらお姑さんに電話をかけたら、今日は外食でラーメンを食べに出掛けているとの事。

仕事帰りに夫がお姑さんのお家に息子を迎えに行き、2人が帰ってきてから、事件は勃発した。


彼はなんとポテトサラダを持ち帰ってきたのである。

「母が作ったらしいよ」

第一次ポテトサラダ戦争の幕開けである。

「え?私もポテトサラダ作ったんですけど?」


考えてみたら、当たり前の事だ。


お姑さんも「リンダ困っちゃう」とばかりにたくさんのじゃがいもに困っていたのだ。


彼女がポテトサラダを作ることは想定しておくべきであった。


そこで冒頭の場面になる。

「あなたは私とお義母さんのポテトサラダ。
どちらを取るの?」


お姑さんのポテトサラダはマヨネーズ控えめだ。体にはいいかもしれないが、コクにかける。普段全体的に薄味で控えめな私でもそこだけはゆずれない。
そして、彼女のポテトサラダはハムなのだ。
そこは私のベーコンの方がジューシーで個人的には美味であると思っている。もちろん軍牌は私に上がるだろう。
あとは人参が入っていない。
人参はアクセント的に彩りも良く、甘さを演出してくれていて、私は人参はポテトサラダになくてはならないスタメンだと思っている。


私はドラクエ5 のビアンカとフローラばりにアピールした。


もちろん私(のポテトサラダ)を取るでしょ....?と。


ところが、私はここでお得意のツンデレセンサーが発動してしまった。


「どっち食べるの?私はどっちでもいいよ。」


どっちでもいいよ。


どっちでも良くない!


私のポテトサラダを食べて!


とは、心の中でしか言えないのである。


ああ、無情
(ちなみに読んだことはない。ごめんなさい。)

【結果】

夫は私のポテトサラダを無事に食べてくれました。


うふふ。そうでしょ。

勝利!


そして、お姑さんごめんなさい。


朝ご飯に食べることにしますね。


おしまい。


※驚くべきはこんなことで2000字超えた記事を書く自分である。何やってんのかしらねー。たまにはいいですよねー。

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