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ファンダム〜たとえ明日この世界が終わったとしても君と僕たちしかいらない?

ファンダム、アイドルとファンの甘美な世界。カムバのたびに歌謡番組の一位をとらせてアルバムの売り上げを過去一番にしてあげる。そのために日々のストレスに耐え稼ぎ貢ぐ。チケッティングに命を賭ける。今回はまたチケットが取れなかった…会いに行けない…ファン失格だ。そんなファンにも優しい。大丈夫だよ心配しないでオンライン配信があるよ、ライビュもあるよ。

SNSで今何してる?と語りかけてくるアイドル。時にはご飯を食べながら、夜寝る前のベッドタイムのたわいもない会話を楽しむ。この蜜月の日々よ終わらないで。もしかしたら数年間の事だけかもしれない。ある日突然グループが解散?事務所とのトラブル?ソロデビュー?兵役?ファンの心配事は尽きない。SNSで女を匂わせ?ありえない…裏切られた。担当降りますとSNSであれやらこれやら考察合戦。ファンだアンチだ入り乱れての攻撃的な書き込みは止まらない。謝罪を要求します。公開処刑のような謝罪会見。まあ、反省してくれたらいいよ。アイドルなんだもん、芸にファンに身を捧げるのが人生なんでしょ。一般人と同じ幸せなんて望まないでよ。

数年間KPOPファンダムに身を置いて感じた事です。KPOPファンダムだけではなく『推し』を推す事を趣味以上と捉える人は大体同じような状況下にいるかと思います。熱狂の渦の中にいるファンとアイドルの相互扶助共犯関係。すごくすごく甘い甘いご褒美が欲しくてあなたの笑顔がみたくて何処までもついていくからねとSNSを徘徊し再生回数を伸ばす。KPOPがここまで世界的に注目され巨大なファンダムを築き上げたのはアイドルと事務所の努力とファンだけを大事にするカルチャーだったからだ。しかし、ファンダムが巨大になればなるほど世間と世界の中心から自分たちだけが浮き上がっているような錯覚に陥ってしまう。ペンライトで照らされたドームにいる数万人の選ばし者たちだけの世界で一番幸せな空間、私たちは安心していられるその閉ざされた空間だけを守ろうと必死にペンライトを振り続ける。たとえ明日世界が終わったとしても。


ただ、私は少しその強固なファンダムに辟易している。この夏、久しぶりにサマソニやフジロック、ビーチフェスや夏祭りに行き、自分がみたかったアーティストだけでなく初めて聴く音楽もたくさんあるさまざまな人たちのいる環境に身を置くと純粋に場が楽しい、音が心地よいという気持ちでいっぱいになった。それが自分の中に変化をもたらした。

ラブ&ピースフル
まるで天国

やはりコロナ禍で音楽やアーティストに対する想いや距離感が変わってしまい、画面の向こうの輝かしい世界を夢見ていたけれど、おかえりリアルワールド、クソみたいに暑くて倒れそうな夏フェスも笑える思い出になって心に残り続けるだろう。

暑さで一番天国に近いサマソニと天使newjeans

※newjeansはサマソニでも堂々たるステージを見せてくれ、あの炎天下の中の熱狂は忘れない。

これからも推しのライブにはいくだろうし世界で一番愛らしい推しを応援はしていきます。でも、一歩引いた場所から眺めるのも悪くはない。世界はそうそう簡単には終わらない。

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