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四月 星繍
2022年7月7日 00:11
想像する。惰性で流れるシネアドが終わり、場内の照明が全て消えて、疎らに聞こえていた会話が静まるあの一瞬。想像する。ケーキに刺さっている蝋燭の火を一気に吹き消して、誰もがそれを固唾を呑んで見守るあの一瞬。想像する。台風が来る前の不穏な空気と、それに比例するように増していく高揚感。消灯時間で真っ暗になる夜行バス。朝日が昇る前の一番濃い夜空。機材チェックが終わって静寂に包まれるライブハウス。