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長編

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複数編の怪談です。一編の長さは中編と同等か若干長いです。
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#学校の怪談

校舎内の禁足地 十一

校舎内の禁足地 十一

 翌日、長住さんから頂いた住所を元に、数本の電車を乗り継いで最寄りの駅へと到着した。長住さんは既に改札で私の事を待っており、白一色の衣装に身を包んでいた。軽い挨拶を交わして今日一日の流れを聞くと、早速件の場所へと出発した。話に聞いていた通り街並みは至って普通であり、まさかここで何人もの子供が失踪し、凄惨な死を遂げた人が複数いるとは考えられない程だった。ただ、以前よりは高層マンションも増え、この街か

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校舎内の禁足地 十

校舎内の禁足地 十

 水滴が私の頬を滑り落ち、口元を通って床に落ちました。指紋の無い指でなぞられた様な感触に、何故か私は強い怒りを感じました。起こった感情が私からなのか流れ込んできたのか分かりませんが、とにかく強い怒りを感じたのです。しかし恐怖を上回ったのはほんの一瞬で、すぐさま背後に立つ霊の事で頭が一杯になりました。これまでの人生で出会わなかった目に見えない存在が、具体的な形を成してそこにいる。半透明だとか足が無い

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校舎内の禁足地 九

校舎内の禁足地 九

怪談を登る足音は夕闇に吸い込まれて、呼吸や心臓の音すら出しちゃいけないんじゃないかと思うくらい静かでした。夜の闇も暗いと思いますが、この校舎の光景を一度でも見れば、赤い夕陽が作り出す影の方がより暗く不気味さを感じられると思います。だって、すぐそこには光があるはずなのに、影の部分はその光が届いていない様に真っ黒だったんですから。そんな中を懐中電灯も無しに進むのはあまりに恐ろしく、私も田添君も半泣きで

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校舎内の禁足地 八

校舎内の禁足地 八

1台の軽自動車が植木に突っ込んでいました。ほんの一瞬の出来事に私はただただ地面にへたりこんで、エンジン部分から煙が立ち上がるのを見つめるだけでした。もしも黒田さんが気付かなかったら。手を引くのが少しでも遅れていたら。今私はここで話してはいないでしょう……3人も周囲の人も雷に撃たれたように立ち尽くす中、初めに動いたのは軽自動車に乗っていた運転手でした。しかも運転席のドアが開き転がり落ちるように車から

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