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1分程度で読める怪談です。
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#140字小説

異物【怪談】

「痛っ」
目に違和感を覚え、それはすぐ痛みになって現れた
「目に何か入ったみたい」
「鏡貸したげよっか」
「ありがとう」
下瞼を指で押し下げ鏡で確認すると、目頭の部分に細く黒い物が写っている
「まつ毛入ったみたい」
鏡を置いて人差し指で先端を押さえながら親指も使って引いていく

するするする……

くちゃっ【怪談】

くちゃっ【怪談】

「あっ」
「え?あ〜も〜!」
その場で足を上げると、靴底にねっとりと張り付いている。
「早く言ってよねー?」
「ご、ごめん」

その日を境に、彼女は私の目を見ながら、魚の目をつついて食べるようになってしまった。

彼女は踏んだのはガムだと思っているようだが、本当の事を伝えた方が良いのだろうか。