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中編

23
少し長めの怪談です。
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2023年1月の記事一覧

闇と山の怪【怪談】

闇と山の怪【怪談】

「・・・・・・・・・・・・ここどこだ」
これもさっき通った岩に見える。その木も草も、石の割れ目さえも同じに見える。崖を登っては降り、森を抜けてもまた似たような景色に戻ってくる。それ程高い山ではないはずなのに、民家一つ、鉄塔一つ見当たらない。太陽はすっかり尾根に隠れてしまい、影や物の輪郭は溶けて混じり、自分の足元を照らす懐中電灯のみが確かだった。

六合を越えて山道に突き出た針葉樹を潜り抜けた拍子に

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或る部屋

或る部屋

これは数年前、知人のKから聞いた話である。

Kの実家は京都の中央区にある二条駅から歩いて10分程度行った所にあるらしく、軽く築100年は越えているそうだ。昔ならではの瓦屋根に木で出来た門戸、色褪せた塗り漆喰の壁が古き良き時代を感じさせる。

 そんなKの実家の2階には、半ば開かずの間と化した8畳程の部屋があると言う。そこには掛け軸があり、どの角度から見ても描かれている女と目が合ったり、誰もいない

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