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くふう住まい AI開発チームがくふうカンパニーグループ全社会における『KUFU OF THE YEAR 2023』でテクノロジストMVPを受賞! 〜イエタテ事業におけるAI開発の舞台裏〜

2023年10月23日に行われた、くふうカンパニーグループ全社会において
『KUFU OF THE YEAR 2023』表彰式が行われ、テクノロジストMVP(※1)を「くふう住まい AI開発チーム」が受賞しました!

くふう住まい AI開発チームのメンバー

くふう住まい AI開発チームの受賞の理由
・くふうカンパニーグループ(以下、グループ)全体でAI開発にシフトするという経営の意思決定からわずか6営業日後に、グループで初めてのChatGPTを用いた機能をリリース。
・以降立て続けにAIを用いた機能を17個リリースし、AI活用のノウハウを最速で蓄積しました。

今回はAI開発チーム、「イエタテ(※2)」事業におけるAI推進の立役者である山下、中野へのインタビューをお届けします。

※1 テクノロジストMVP
前期1年間の業務において、最も専門性のある技術を発揮したと認められる個人またはチームに与えられる賞

※1

※2 イエタテ
地域に密着した家づくりのメディア(Webサイトと紙媒体)および相談カウンターサービス。主に工務店とユーザーのマッチングを行っており、2023年4月に株式会社しずおかオンラインから株式会社くふう住まいへ事業継承。

※2

山下
株式会社しずおかオンラインにエンジニアとして2018年に入社。
イエタテ事業の開発を担当し、2023年4月にくふう住まいへジョイン後は、住宅・不動産専門メディア「オウチーノ」の開発も担当。

中野
株式会社しずおかオンラインにエンジニアとして2020年に入社。
イエタテ事業の開発を担当し、2023年4月にくふう住まいへジョイン後も引き続きイエタテ事業の開発に従事。

ーMVPの受賞おめでとうございます!
 イエタテ事業は4月からくふう住まいにジョインし、まさに激動の約半年間だったかと思いますが、AI開発はいつごろから始まりましたか?

中野:4月の中旬にグループの全社会があり、その時点で既にAIに注力するという話をしていましたね。その後、4月後半から本格的にAI開発を進めるというスピード感でした。
それまで着手していた開発も、ほとんど止めました。

ーすごいスピード感ですね。
 完全にAIに振り切る意思決定のように思えますが、どんなお気持ちでしたか?

山下:そうですね、当時は戸惑いはありました。

中野:私もそうですね。
当時は世間でもChatGPT4の登場により、AIが一気に話題になっていた時でしたが、どちらかというと、自分も周りも、流行りに乗って触ってみたといった状況でした

ーそんな状況下から、AI開発をどのように進めていったのですか?

中野:当時はみんな「AIで何ができるか」がまだ分からない状態だったので、 まずは手数をかけることで、AIを理解することから始めました
「あったら便利だよね」というライトな機能をいくつも作って、理解が進んできたら事業インパクトのある機能を作ろうという流れでした。

ーまずはやれるところから、だったんですね。
 具体的にはどんな機能をリリースしたんですか?

中野:ChatGPT関連の機能が多いですね。
ChatGPTの活用方法としては”生成””要約””抽出”を駆使して機能を開発しました。具体的には工務店がイエタテを利用して住宅イベントを開催する際に、簡単な情報を入力するだけでタイトルと文章を作ってくれる機能(※図1「生成」部分)や、各工務店が持っている多数の施工例の情報を簡潔にまとめて表示する機能(※図1 「要約」部分)。また各工務店が持っている施工例の情報から特定のキーワードと一致する部分を抜き出して、そのキーワードに注目しているユーザーにレコメンド表示する機能(※図1 「抽出」部分)などです。

図1 リリースした機能の一部

ー多くのAIを活用した機能がリリースされているんですね。

山下:いくつかの機能をリリースしていくと、だんだん「面白いな」と思うところが増えてきました。
社内でもこれらのリリースが話題になりました。
一方でコストの観点や、AIが思い通りに動いてくれなかったりレスポンスが遅かったりと、ユーザーにとって価値のあるものにしていくには、苦労も伴うということも実感しました。 

ーAIを活用したサービス開発の「面白い」と思うポイントはどんなところですか?

山下:自然言語処理でこんなことまでできるのか、といった驚きがありました。
検索機能では、これまでは文章の中にあるキーワードと全く同じワードを抽出するという単純な検索しかできなかったところを
AIの技術を使えば、表記ゆれがあっても抽出できるようになりました。
例えば「ローコスト」で検索したときに、「低価格帯」など似た意味のワードも抽出されるようになったので、こういった検索ひとつとっても革命的だと感じました。

中野:私は音声の文字起こしの部分の機械学習モデルを触っていたのですが、コードを読んだり書いたりしていくうちにAIを身近に感じられるようになり、広くAIを使った機能開発のイメージができるようになりました。
ChatGPTが得意とする文章の生成系の機能だけでなく、例えばイエタテ事業では家を建てた際の施工例の画像の分類整理に活用したりと、画像認識の分野においても色々な可能性が見えてきました。

ーワクワクするお話ですね!
 お二人ともAIに触れる中でAI開発の面白さを見出していったんですね。
 現時点ではどんなAI開発に取り組んでいるのですか?

中野:現在は、手数をかけてAIを理解するフェーズが終わり、AIが開発における一つの選択肢になっています。
無理やりAIを使うのではなく、AIが適していたら使おうといったイメージです。

ーまずはAI開発にたくさん触れてみた結果、AI開発がスキルとして身についたのですね。
 くふう住まいにジョイン後、開発はどんな体制で行われていますか?

山下:くふう住まいにジョインしてからも、基本的に開発そのものは一人で行って、別の開発者がレビューして、さらに開発リーダーが検証してOKだったらリリースするという、これまでの開発とそこまで変わらない流れです。
私はバグを発生させないために、これまでは入念にテストをしてからリリースするようにしていましたが、AIの開発に限っては重要視していたのはスピードです。
先ほどお話した通りライトな機能が多く、万が一バグがあっても大きな影響がでない部分で機能開発していました。
比較的小規模な機能ならだいたい1週間くらい、早いものだと2日でリリースすることもありました。少し手間がかかるものでも2週間くらいでした。

中野:私たちはしずおかオンラインに在籍していた時と同じように静岡のオフィスで働いているため、変わらずしずおかオンラインのメンバーが周りにいるということもあり、当初はあまり大きな変化は感じませんでした。
プロダクト開発部の一員として本格的に業務を開始してからは、オウチーノをはじめ、くふう住まいの他のサービス開発のメンバーとの交流が増えてきましたね。
私自身も、イエタテ以外のサービスの技術を知ることで、イエタテを客観的に見られるようになれたのはすごくよかったです。

また、くふう住まいにジョインしたことを機に、くふうカンパニーグループ全体でのコミュニケーションも増えました。
グループ会社で行っているLT会(※3)や勉強会で、くふうカンパニーグループの全エンジニアに向けてイエタテの状況を発表する機会があり、様々な意見をもらえたことも刺激になりました。

※3 LT会
くふうカンパニーのサービス・人・知見をつなげる場として、人材交流、知見交換、人材育成を目的に、自己紹介や業務紹介などライトなプレゼンを行う会。

※3

ーありがとうございます。
 今日はAI開発の取り組み方や、くふう住まいにジョインしたことによる環境の変化等について色々とうかがえました。
 改めまして、MVP受賞おめでとうございます!

中野:ありがとうございました。
私たちだけで進めたわけではなくて、くふう住まいやくふうカンパニーグループ全体でのコミュニケーションが増えて、皆さんの協力があってこそ実現したと思っています。
ありがとうございました。