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犯罪を繰り返す、犯罪に巻き込まれていく少年の背景を探る、映画『記憶2』の無料上映会を開催します。

関心を持ってくださる方の周囲に「いない少年」像

少年院と連携し、少年を少年院の中と外で支援する活動も、10年ほどとなりました。若者支援の歴史のなかには非行少年が主である時代もありましたが、反社会的な視点を持つ若者は減り、非社会化した若者が主であるという時代が続いています。

しかし、その数こそ減ったとしても、非行少年という存在は私たちの社会におり、年間1600名前後の少年が、少年院に収容されます。

育て上げネットは、創業に際してあまり非行少年を意識してきませんでした。ひとつは、若者支援の分野では非行少年をしっかり支援するNPOなどがあったことです。もうひとつは、直接的に関与する術(出会いのチャネル)を持っていなかったからです。

しかし、法務少年支援センター(少年鑑別所)や、少年院の先生方とのつながり、そこからの学びを経て、少しずつ私たちでも非行少年の更生自立に貢献し得ることがわかり、小さく初めてから10年ほどが経ちました。

寄付者の方々に支えられながら、少年たちとかかわりを持たせていただいております。

上記のプロジェクトでは、年に数回、少年院スタディツアーとして、寄付者の方々を少年院や少年鑑別所、2024年に入って少年刑務所にお連れして、実際の施設や指導カリキュラム、先生方との意見交換をして「知ること」の機会を作っています。

毎回、多くのひとたちに参加をいただいておりますが、関心を持ってくださった方々にお聞きすると、友人や知人、周囲に非行少年(だったひと)はほとんどいらっしゃらないという話がほとんどです。

だからこそ、知りたい、応援したいとツアーに参加くださっており、毎回感謝の気持ちでいっぱいです。

映画を通じて非行少年を知る

何事も「知ること」のためにはできることが多くありますが、スタディツアーは、比較的遠方で、平日日中という制約があるため、宿泊を伴うややコストが高くなってしまうことが課題です。参加してみたいけれど、なかなか難しいという声も多数いただいております。

できれば施設に行き、ときに少年の姿を垣間見ることがリアリティを持って、非行領域を知ることにつながるのですが、それだけでは応援者を増やすには限界があります。

そこで、映画プロデューサーの中村すえ子監督に依頼をさせていただき、映画の上映会を開催できることになりました。その映画が『記憶2 - 少年たちの追憶と贖罪 - 』です。


「なんで少年院に行きたいと思ったの!?」

「帰る場 所がないから・・・ここに居れば相談できる大人 もいるし、

殴られないし、危険も感じないし・・・」

2019年7月女子少年院の少女たちのドキュメンタリー映画「記憶」は多くの人たちの協力のもとに完成しました。 社会を変えたい、その想いに賛同してくれた全国の更生保護団体、各地矯正管区や少年院の上映会は50ヵ所を超え、多くの反響をいただき社会を変える一歩になったと感じております。 そして、自らも少年院出院者である監修監督の中村すえこは、次の問いと向き合うため男子少年院で少年の心の声に耳を傾けました。少年院を出院した彼らが、なぜ再び犯罪に手を染めるのか?その問いを自ら確認するために全国の少年院を回り彼らを取材、出院後も取材を重ねました。コロナ禍で取材は中断になり、また取材対象者保護者などの同意を得るのに困難もありました。 少年たちはなぜ犯罪を繰り返すのか? そして犯罪に巻き込まれていくその背景には何が起きているのか? その時私たち大人や社会は、彼らにどう向き合えば良いのだろう? 本作では社会で起きている問題をまっすぐに捉え描くことができたと思っております。 「記憶2」が皆さんの考えるきっかけになることを願います。 インタビュアーには中村すえこの同志でもある高坂朝人氏を新たに加え、再現ドラマは前作に続き、佐田正樹、中澤達也、 秋本奈緒美 (ナレーション)をはじめとした中 村すえこの想いに賛同したキャストが演じている。 主題歌も前作同様PERSONZの代表曲でもある「DEAR FRIENDS」となり、中村すえこと製作陣やキャスト、 賛同者の想いが詰まっています。 法務省をはじめとした関係団体の協力、クラウドファンディングでのご支援、そして寄付を賜った多くの個人団体の方に賛同していただき、「記憶2少年たちの追憶と贖罪」は完成しました。

映画『記憶2』公式サイト

STORY

「親が子どもに暴力振るってもすぐ捕まらないのに、なんで子どもが親に手をあげると即逮捕なんですか!?」
2023年に100周年を迎えた多摩少年院。 2021年5月、ここで仮退院式を迎える少年から、撮影インタビューが始まりました。養父から虐待の末、家出を繰り返し窃盗で逮捕されたコウタ、在院中に強盗致傷で再逮捕され取材は一旦中止に・・・。彼が選んだ出院後の帰住先とは!?親との軋轢で家出を繰り返し半グレ集団になったヒロキは、詐欺で逮捕され少年院送致に。出院後、ある出来事をきっかけに再び詐欺、傷害で再び逮捕され、犯罪的傾向が進んだ少年が収容される久里浜少年院に。出院後親元には帰らず自立の道を選ぶ。彼が少年院で見つけた信頼できる大人とそして将来の夢とは? モデルや音楽活動をしていたタクミが、友人を救おうがために犯罪集団に。そして逮捕され特定少年として多摩少年院送致。自分の犯した罪への想いは自責の深いものへと変わっていく。「誰かを不幸にしたこの手で、自分と誰かが幸せになってもいいんですか?」 思い悩む末に考えた彼の答えとは?ワタルは窃盗などで少年院に入るが、抗告で一旦出院。しかし、再び逮捕され、多摩少年院に。 少年院で多くを学び希望を持って出院した彼を追うが・・・私たちと約束した日に現れず、社会を巻き込んだ重大事件へと彼は足を踏み入れてしまう。現代のZ世代少年の闇が赤裸々に語られ、そして未来への光、将来の希望も語られる。今作は、出院後少年の様子も克明に記録。何も持たない少年たちは何かを得るために自分を犠牲にするしかない。果たして彼らの未来は・・・!?そして、私たち大人に託された彼らの思いとは・・・。前作同様、少年らの記憶は、再現ドラマとして紹介。また少年院での矯正教育の様子や生活実態も克明に記録。コロナ禍を挟んだ5年に及ぶ少年院・少年たちのドキュメンタリー。

映画『記憶2』公式サイト

この度、2024年6月15日(土)10:15-12:50に、『記憶2 - 少年たちの追憶と贖罪 - 』上映会を大阪で開催いたします(東京でも開催予定です)。

先着20名を無料ご招待させていただきますので、関心がある、「知ること」から初めてみたいという方がいらっしゃれば、ぜひお申込みください。

詳細はこちらです。

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