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016|夏の薫り


Residual heat|2021

Title|Residual heat
Date Created | 2021
Art Supplies|ペン・水彩
Size|-

Concept|
熱い夏の日。向日葵が良く似合う女性の横顔。
その手にはきっと向日葵を持っていたような気がする。
私の視界に写った女性の美しくも涼しげな横顔が今でも蘇る。

Explanation|
9月初旬の真夏日に描いた作品です。本来は縦書きで5・7・5の俳句などを筆で書く用に作られたであろう縦長の色紙を購入した。その紙質はとてもざらざらしていて、まるで爪がよく引っかかる布のような素材だった。そのため、0.3mmのペンで描いたとしてもよく滲み太くなってしまう。しかし、水彩で着色するときはとても滲み、水彩の表情がよく読み取れるようなとても吸収性の良い紙質だった。インクの乗った画面を少し指でなぞるだけでぽろぽろと紙が抉れていくほど繊細で、扱いにはとても困ったが、縦長の色紙はこの素材しかなかったので、しかたなかった。そんな紙の素材でさえもこの作品に合っていると思う。この作品のキモは一目惚れによる片思いの状態だ。『Residual heat』とは、日本語で余熱という意味だ。とても涼しげな女性に一目惚れした人の視線には、顔と向日葵以外鮮明に覚えている記憶はなかったのだ。ぼんやりとした背景や、無くなっている腕。彼の目にはただひまわりの茎をもつ涼しげな彼女に一目惚れしたのだ。この作品を描いたのは私だが、特段一目惚れをしたから描いたわけではない。ただ季節感を感じる絵を描きたかった。ただそれだけです。


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