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【労働問題】休日に上司から何度も電話がきてストレス・・・これってパワハラ?労働基準法に抵触はしないの?

原則、休日に上司の命令で仕事の対応をすることは時間外労働である

せっかくの休日に仕事の事で何度も連絡が入るといやな気分になりますよね。そればかりか「また連絡がくるのでは」「何かミスがあって自分が対応しないといけなくなるのでは」と不安な気持ちになり外出はおろか、携帯ばかりを気にして十分な休息をとれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

社員の休日に上司が電話をし、仕事について何かしら対応を求めた場合には、時間外労働とみなされます。

例えば、
【例1】「会社にクレームが入ったので、担当者のお前が出社して対応しろ」と上司から休日に連絡があり出社せざるを得なくなった。

上記のような場合には、労働時間とみなされるため、会社は相応の賃金を支払う義務があります。
ポイントは、「上司の指揮・命令であるか」と「場所や時間の拘束がされているか」という所にあります。次の例を見てみましょう。

【例2】休日に上司から、「会社にクレームが入ったから休み明けに対応してくれるかな」という連絡があったため、自主的に出社し即日に対応した。

この場合は時間外労働にあたりません。なぜなら、「即日対応せよ」という上司の命令でも無ければ「今すぐ出社せよ」という時間や場所の拘束も無いからです。

ここで、
「休日に社員に電話をかけること自体間違っているし、パワハラにあたるのではないか?」という疑問が出てきますね。次はこの部分について説明していきましょう。

休日に部下に電話をすることはパワハラにあたるのか?

これについては電話の頻度と電話の内容がポイントになります。
例えば、休日の度に毎回上司から電話がかかってきて、その内容についても「緊急性の高いものとはいえない・仕事に関係のない内容」である時、その事について部下が精神的苦痛やストレスを感じていた場合にはパワハラに該当する可能性があります。

休日とは社員が働く義務を負わず、仕事から離れてプライベートを楽しむ日である、という事をまず理解する必要があります。
電話は相手の時間を一定時間拘束するツールなので、緊急性が低い用件に関しては連絡を控える、またはメールなどで報告し後日対応を求める、等相手の時間を尊重した対応をすべきでしょう。

とはいえ、会社の甚大な不利益を及ぼす可能性があり、至急担当者に連絡しなければならないという場合もあるかと思います。
そういった場合は電話をしても無論問題ありません。
が、それにより部下が休日に出社し対応せざるを得ない状況になった場合には代休日を取得させたり、時間外手当を支給するべきでしょう。


こういった休日対応に関しては会社の体制やモラルが問われます。
「給料を支払っているのだから多少休日に出社させても良いだろう」というような考えは通用しません。現在、労働環境に耐えきれなくなった社員が弁護士事務所や労基署に駆け込むケースも増えてきています。


繰り返しになりますが、社員にはそれぞれ休日を楽しむ権利があり、上司や雇用主はそれを尊重する義務があるということを常に念頭に置き対応を考える必要があるのです。

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