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婚活中の中年男性に果物を買ってもらった話

売上8000円/1h、声をかけた人数20人、購入者6名、2023/5/14☀


はじめに


みなさんこんにちは!フルーツボーイ中村です。
今回は池袋。土曜日の21:00、公園で一人でいたサラリーマン風の男性にオレンジを買ってもらった時のお話。

彼との会話の中で非常に興味深かった内容があったのでそれを共有します。今回も「人間の本質」についての研究が進みましたよ!

今日のキーワードは「先入観」

さて、私はかれこれ35万人以上のお客様に行商というスタイルで声をかてきましたが、毎日が勉強です。

子供の頃から

「人は見た目で判断したらいけないよ」

と教えられてきましたが

「本当にその通りだな」

と行商を通じて思うわけです。

この仕事はその答え合わせをするにはぴったりの仕事です。

今回買ってくれたお客様ももれなく

「おそらく買わないだろうという」

という見た目をしており

「えいやっ」

と思い切って声をかけてみると

「え、あなたが買うんですか?」

という人ばかりでした。

今回はその中でも特に、「え?この人が?」という驚きに加え、そのお客様との会話から学んだ「先入観」について深堀りしていこうと思います。

それではいきましょう!

1人で缶ビールを飲みながらボーっとしていた男性

今回は駅からほど近い、池袋の公園。10-20代くらいの若者がたむろするような場所で、私にとってはすでに慣れ親しんだ公園になります。

いつものように果物をセッティングし、さぁ声をかけようかな、と顔をあげると、いつもの公園には合わない、スーツをきた中年の男性がいるではありませんか。遠目からですが、短髪で、小太り、手には350mlサイズのビール缶を持ちながら、どことなく俯いているような様子。

「普通と違う」場面に出くわすとき、人間は身構えるものです。どれだけ声をかけてきた私でも、必ず体は反応します。

中年男性が公園で一人、、しかも暗い雰囲気、
声をかけて怒られないだろうか、、
発狂するようなヤバい人だったらどうしよう、、、

私の中でこのような会話が始まったら、一つ決めていることがあります。それは、、、

「迷ったらGo」

どんな入り口から入っても結局ゴールはたった一つ。

それは

「考えていても答えは出ないから、行動して確かめる」

ということ。今回も頭の中の会話が始まったので、3秒くらいで決断して

「えいやっ」

と崖に飛び込む感じで行動しました。

今日も「飛び込んでよかった」


「すみません、あのー」

「。。。?」

怖がっているというよりは、不思議そうな顔をしていた男性。

「果物屋なんですけど、、」

「はぁ、、、?くだもの、、や?」

余談ですが
声をかけた瞬間にお客様が反応してくれると、私はとても安心します。反応している時点で受け入れてくれている感覚になのです。

まだ買ってもらっていないのに、この時にすでに「声かけてよかったな」っていう満足感があるんですよね~。

不思議、実に不思議。

ここは「人間の本質」を研究する私にとってずっと探究しているテーマ。「受け入れてくれた感」といいますか。。。ここをもう少し言語化していくことが重要。これを「不思議」で終わらず、引き続き深く探究していきたいと思います。(詳細は以下の記事をご覧ください)

戻ります

「そうなんです、実は夜の果物販売で一人ずつ声をかけて売っておりまして、、、

「。。。。え~~、こんな時間に?笑」

かなりの興味を持ってくれた→でも果物ではなく、、


「ここじゃ暗いんで、あそこのライトの下に、移動しましょうか」

なんと男性の方から、明るい場所に誘導してくれ

これはもしや、かなりの果物好きかも、、、?

と、私は期待に胸躍らせ、単価の高い商品のプレゼンを準備していると、

「あ、後から果物のこと聞くから、まず一つ聞いてもいい?」

と男性が話してきました。

俯いていた雰囲気とは違う明るい声だったので、ん?と思いながらも

「もちろんです!何ですか?」

と聞き返しました。すると男性が

「なんで俺のこと声をかけたの?」

と一言。そして

「ちなみに声掛けやすかった?」

と続けて質問してきました。
余りにも前のめりな雰囲気だったので、そのノリに合わせて

「お兄さんがとても声掛けやすくて、ついつい声かけちゃいました!」

と笑顔で答えると、

男性は少しニヤニヤしながら、

「おー。そうだったんだね~、」

といい、一呼吸おいて

「どんな果物持ってんの?」

とちょっと元気なトーンに切り替わりました。
私は不思議に思いながらも、プレゼンを開始しました。

絶賛婚活中。実は今日が女性と初対面の日だった!

結果、650円のオレンジのパックを買ってくれたのですが、お会計をしながら、男性が

「いや実は俺さぁ、婚活中でさぁ…」

と切り出してきました。

「おー!そうだったんですね笑」

まさかの展開に私も内心驚いていたのですが、それ以上にあまりにも内容に興味津々。がっつりと耳を傾けました。

「実はさっき女性と初めて会ってきてさぁ~、イイ感じだったと思うんだけどなぁ、、」

おお、これはなんだかおもしろくなりそうだ。。

「え~!さっきですかー!?それはそれはー!お疲れさまでした!」

これだから行商はやめられない。
たまたま声をかけた人が婚活中の男性。しかも今日が女性との初対面の日で今からその感想を話そうとしている。しかもよくわからない夜の果物屋に。。笑

客観的に見ても、かなり面白いシュチーション。この状況を与えてくれて神様に感謝し、私はこの話を興味深く聞きました。

すると

50代男性でバツイチ
結婚相談所の仲介で、紹介された女性と本日初デート
何度か別の女性と出会ったけどうまくいかなかった
今日の女性も感触は良かったけど、前回のトラウマがあり不安でしょうがない。

いろいろと詳細が分かってきました。

俺、果物屋だよな?とこんな風に整理している自分に笑いそうになるのですが、よくよく考えてみると、知らない果物屋にここまで赤裸々に話してくれたということは相当な不安を抱えていたのでは?と思えてきたのです。

もしかしたら、その不安を誰にも話せないまま、一人公園で悶々としていたのかもなぁと少し切なくなってきたのですw

振り返ってみると
「声掛けやすかったかな?」と私に聞いてきたこと。
「かなり声掛けやすかったです!」と答えた時の男性のほっとしたような笑顔。

いろいろと合点がいき、婚活にかける男性の想いを垣間見たようでした。

「ほんっと、女の人ってわかんないんだよなー、、」
「やっぱり今日も難しかったかな~」
「多分大丈夫だと思うんだけどな~」

なんだかモジモジと唱えだして、

まるで、好きな女子に初めて告白をした後の中学生のようで、それを友達に相談している感じでしたw

「きっと大丈夫ですって!」

「そうか、、なんか元気でたわ、ありがとう!!」



なんだこの関係性。笑

今日の学び

さて、今日の学びですが

先入観は「抱えたままでも行動できる」

ということです。

人はよく先入観は「壊すもの」として捉えがちです。私もこの仕事を始めるまでは同様で、文字通り、斧のようなもので壁を壊すイメージで①まずは壊して②つぎに行動すると思っていました。

しかし、35万人以上の人に声をかけてきた分かったのです。

これは壊すものではなく、一緒に付き合っていくものだということ。

そもそも先入観って、これまで生きてきた価値観のかたまりみたいなもので、大切な物事の判断軸とも言えます、先入観があるおかげで、危険な所には行かないし、「危ないよ」と他の人にもアドバイスができます。自分を守ってくれたり、大切な人を守れたりするわけです。

自分にとってはプラスのものなので、本質的には「壊す」のように否定するものではなく、「認めるもの」であるはずなんです。そう思うと

先入観とともに前に進もう

と思えてきたのです。V.Sの対立関係ではなく、仲間関係として認める、みたいな感覚でしょうか。仲間であれば肩を組んで一緒に前に進める。

「先入観くん、一緒に新しい景色を見ようじゃないか」

そんな感じです。
(とはいえ、私の場合は短時間にものすごい数の人に声をかけるので、先入観を持ったままとりあえず声をかけなきゃ、と必死で動いていただけなんです。後から振り返って言語化するならこんな感じというところ)

そして、あえてもう少し深堀すると

もちろん想定外の場面に遭遇した時、先入観が雲のようにモクモクと自然発生して体を覆いつくそうとします。体はザワザワと反応し出すのですが、

そのザワザワを

「先入観くんこんにちは!」

みたいに受け入れる感じです。そしてその後に

「ザワザワする、ってことはこれまでの価値観の外の出来事だな」

と、冷静に自分の体の反応を見る感じです。
そう思うことで、先入観にまみれそうな自分を回避するってとこでしょうか。



とまぁズラズラと書きましたが、実践できるかどうかは別ですのでね笑

ただ一つだけ、

先入観は「壊すもの」
先入観は「一緒に付き合うもの」


この二つの捉え方には、かなり大きな違いがあると思うのので、これから枠をはみ出したチャレンジをしようと思っている方は、是非後者のとらえ方を参考にしてみてください!!

それではまた。



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