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甘噛み!早起き!欠乏の行動経済学と呪いの力

これを書いている今、なんと朝5時半です。起きたのは5時くらい。いつもよりかなり早起きです。

8時にライターとしてはまのりさんの記事を投稿しなくてはいけないと何十回も言い聞かせながら寝ついたらこうなりました。

投稿し忘れるという悪夢で飛び起きたら4時で、苦笑してもう一回寝たらまた飛び起きてそれで5時くらいだったのです。

完全に頭が冴えてしまったので、こうして書くことにしました。


欠乏の行動経済学

起きてから『いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学』の続きを読んでいました。

そして、まさに僕が欠乏のために眠りに集中できなかったことに気がつきました。

締め切りが迫っている時、貯金を切り詰めている時、ダイエットしている時、人はトンネリングと呼ばれる注意欠陥状態に陥ります。

トンネリングに追い込まれると、トンネルの中のことー締め切り間近の課題やお金のこと、食べ物のことなどー以外には注意が向かなくなります。

これには面白い実験があります。

画面上に赤い点が見えたらボタンを押す。ときどき点が現れる直前に、別の画像が画面上にパッと表示される。ダイエットをしていない人にとって、この画像は点が見えるかどうかに影響しなかった。

ここまでは当然ですね。

それとは対照的に、ダイエット中の人に興味深いことが起こった。食べ物の画像を見た直後だと、赤い点が見えにくくなったのだ。たとえばケーキの画像をパッと表示すると、ダイエット中の人がその直後に赤い点を見る確率が下がる。まるでケーキが彼らの目を見えなくしたかのようだ。

これこそ、欠乏の厄介な問題です。ちなみにこの研究のタイトルは「私に見えたのはケーキだけ」です。


欠乏による不注意は制御できない

ダイエット中の人は他にも、ドーナツという英単語を見つけた後に中立的な英単語(雲)を探すのに苦労したりすることがわかっています。

ドーナツが頭の中を離れず、心を乱し、注意を引き付けてしまうのです。心ここにあらずです。

同じように、あるプロジェクトの期限が差し迫っている時に、それとは関係のないことをしている人は心ここにあらずになってしまいます。そんな経験、あるんじゃないでしょうか?

学費に苦労している学生はそのせいで成績が落ちやすくなり、貧乏な人はそのために新たな健康習慣やスキルを獲得するのに苦労します。

富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなるというのは頷ける話です。学力が低いから貧しいのではなく、貧しいから学力が下がるんですね。

トンネリングはふつう、意識して集中しようとする力より強力です。何度目かのダイエット挑戦中に冷蔵庫の中にケーキをしまっておくとよくわかるでしょう。

注意をそらす原因は減らすか、減らしてもらうに越したことはありません。見えてしまうと心を奪われるのです。注意をそらすにはかなりエネルギーを消耗します。


欠乏と呪い

こう考えると、欠乏って呪いみたいなもんですね。僕たちはさまざまな営利団体から欲望を喚起され、欠乏という名の呪いをかけられている笑

ダイエットしなくちゃ
お金をもっと稼がなければ
いいねを稼ぐには・・・
明後日までにクーポンを使わないと…
(〜しながらでも)パズドラがしたい

などなど。

人の心に欠乏感を生み出せば、人を操ることができます。たいていは本人の意思より欠乏感が勝つからです。まさに呪い。

たぶん、歴史を動かす人たちはそれをわかっていました。宗教や慣習や法律で人の欠乏を意図的にコントロールしようとしていたんです。


呪いが効く社会

(信仰的・宗教的な)呪いが効くと信じる社会では実際呪いは効くのでしょう。

自分は呪われているという心配は、政務を心から締め出し、政治家を怯えた子どものようにしてしまったはずです。

「悪いことをするといつか天罰が下る」と信じている社会では、実際に悪いことをすると頭がその心配でいっぱいになり何も手につかなくなったはずです。

結果、仕事が上手くいかなくなり、夫婦仲が悪くなり、子どもに愛想を尽かされたりしたのかもしれません。

そういう呪術的な呪いは現代に近づくにつれだんだん薄まったものの、さっき見たように現代人は別の呪いにかかっているわけです。

どちらの呪いがまだマシと思うかは人それぞれでしょう。

でも一体、陰陽師と科学者、どちらの方が大衆の呪いを解くのに腕が立つのでしょうか?笑


呪いを解く

呪いを解くヒントは日常に溢れているはずです。自分がなにか一つに囚われていた時とそうでない時を比較してなにが違うか考えればいい。

現代の若い人(僕も含め)は特に関心がないかもしれませんが、お祈りや安息日といった「儀式」には呪いを解く力があると考えられます。

毎朝神棚に手を合わせごく些細に思えることに感謝する習慣、スポーツ選手が試合の前に行うルーチン、日曜は問答無用で仕事をしないという安息日。

これらは、欠乏から生まれる不安や怒りや悲しみに囚われる心をゆるめる力があります。呪いを解く習慣というのがあるわけですね。

ジブリの『もののけ姫』では、死への恐怖や何者かへの憎しみに心を奪われた神が祟り神となってしまいます。暴走してすべてを傷つける存在になるのです。トンネリングに陥っているんですね。

主人公のアシタカは呪いをかけられますが、祟り神にはなりませんでした。憎しみや恐怖には支配されなかったのです。一体どうやって?

『もののけ姫』を観れば呪いを解くヒントが得られるでしょう。

呪いに対するアシタカの驚異の力は、sawさんの記事を読むとよくわかります。

僕らだって、呪いに負ければ祟り神になり得ます(もちろん比喩的な意味)。瞬時に大勢の人に影響を与えられるSNSという呪術装置を持ってますからね。

※『いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学』を僕はまだ15%しか読んでいないのでこの本に書いてある解決法はまだ知りません


欠乏から離れるという手もありそう

精神的な欠乏を満たすための行動で手に入れた心地よい状態は、そう長くは続きません。

どうしてか?

欠乏から出発した行動は、それが満たされるにつれパワーを失うし、「何となく足りない感じ」は度々訪れるからです。

欠乏感を避けることが軸になっている状態ではなかなか呪いは解けません。むしろ呪いにどっぷりハマってしまっています。

「いま、私は足りていない感じがする。ここではないどこかに幸せがある、そこに向かおう」

 →欠乏感から遠ざかりたい 

「私は現状に満足。余計な変化はごめんだ」

 →得たものを手放したくない

このどちらもが欠乏を恐れ、そこから遠ざかろうとしている点で同じなのです。

でですね。欠乏という軸を外したり、欠乏以外の軸を取り入れたりできるようになると呪いに支配されて祟り神にならずに済むんじゃないかと考えたんです。

先ほどちらっと紹介した感謝の習慣なんかは、今すでに満ち足りていることに目を向けるので呪いが解けるかもなと思ったんですね。

いかがでしょう?(投げやり)


最後に〜習慣の話へ〜

早起きをして一本記事を書いて、なかなかハッピーな気持ちです。ハッピーな気持ちで朝から呪いの話をしてました。

さて。

何かネガティブなことや悪影響のあることに心を囚われてしまうとろくなことがありませんね。しかし、それを抜け出すのは非常に難しい。

外部からのサポートがなければ解けない呪いもたくさんあるでしょう。愛の欠乏やお金の欠乏や信頼の欠乏はそうかもしれません。こういうことが原因で起きたことはあまり本人を責めても仕方がない。同じ状況なら自分も呪いに負けてしまうだろうと考えた方が良さそうです。

一方、自分で克服できる呪いもあります。環境を変えたり、習慣を変えたりを組み合わせることで抜け出せるものです。行動習慣という「儀式」によって、囚われていることから離れ、好ましい心の習慣が作られるんですね。

あ、

ちなみに、今日のはまのりさんの記事は新しい習慣の作り方についてです。

もうすぐ8時なので、記事を投稿します。こちらからどうぞ!笑


ではでは〜

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

そうだ、早起きしたからこれが言えます。みなさま、良い一日を!






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