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『零落』


漂っていた。
いや、ゆっくりと沈んでいた。

水面は次第に遠くなり
手を伸ばせば、その手が光を遮った。

呼吸は、していない。
息の吸い方を、知らない。
息の吐き方も、知らない。

遠ざかる光と
身体を包み込む闇。

このまま沈めば楽になれる?
光を諦めれば安心できる?

どうしたい?
どうなりたい?
そもそも私は
…なんだっけ?

ああ、もう…なんでもいいや。

堕ちる。

冷たい温もりに身を委ね
‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬は
ゆっくりと、目を、閉じた。



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遅筆になります。

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