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【第4皿】 「わたしの着地点。」

雲は低く、蓋をした様に空を覆っている。まだ風も強い。

ここ最近は世の中もだいぶ通常モードになってきて、仕事先に出向いて行くことも多くなった。そんな訳で今日は久しぶりのまっさらな休日だ。

連日の台風の影響もなんとか収まったので、寝起き早々恒例の洗濯機2回しを敢行。その間に顔を洗い、軽くスキンケアをする。髪もだいぶ伸びたな、忙しさにかまけてたけど、そろそろサロン行かなきゃだ。

それにしてもすっかり寒い。中間コーデを色々楽しみたかったのに、いつだって秋って人は足早だ。もはや実体がない概念なのかもしれない。

だから、昨日から仕込んでおいたんだよね。
この季節がきたでしょ。おでん。

一晩おいたタネ達はいい具合にダシが染みて、今か今かと食べられるのを待っているかの様。大根、さつま揚げ、こんにゃく、たまご、ちくわ、島豆腐、ウインナー巻き、イカボール、ソーキ、てびち、青菜。

ソーキ、てびち? 
そう、いわゆる沖縄おでんなんだ。これがホント美味しくて、昔、沖縄のコザで連れて行ってもらったおでん屋さんが忘れられないんだよね。50年以上続いている小さなお店で、ママさん姉妹で切り盛りしているんだけど、優しい味と雰囲気がなんとも言えなくって、〆に沖縄そばをおでん汁で食べるんだけどそれが最高で。
今も元気に営業してるかな。

本土のおでんとの違いは具材もそうだけど、泡盛で煮込んでいくというところで、独特の風味がつくんだよね。他は普通のおでんと同じ様に仕込んでいけばOK。

ゆでたまごを作って、大根は少し面取りして下茹では面倒だから省略、ソーキ、てびちを一度下茹でして血合いなども綺麗に取り除く。大きめの鍋にお湯をたっぷり沸かして、昆布をいくつか入れて沸騰したら、かつお節で出汁を取る。後から具の出汁も加わるからざっくりで大丈夫。塩と酒、ほんの気持ちお醤油で下味を付ける。そしたらドボドボと目分量で泡盛を注ぐ(ちょっと勿体なく思ってしまうけど)。

練りもの以外の火の通りにくい具材から先に入れ、ゆっくり煮込んでいく。
その間はNetflixで御多分にもれず『愛の不時着』ロス後の『サイコだけど大丈夫』を見ながら待機。それにしてもリ・ジョンヒョクさんみたいな、あんな優しい出来た男性はどこにいるっていうの? 北朝鮮か(違う)。

ある程度経ったら練りものを加え、落とし蓋をして弱火でまた放置。寝る前に火を止め→翌日へ。

さて。
読み通り、今日のこの冷えた気温にはぴったり。火を入れ直して、コトコト鍋がなり出すと、部屋中に優しい匂いが広がる。至福だなぁー。汁を味見してみる。

「うーん、染みる〜。。」

豚骨と鰹の出汁に、いろんな具材の味が混ざってまさしくチャンプルー。
そこに今日は小松菜をさっと煮込む。こういう青菜を使うのも沖縄風。軽く火を通したら、好きなタネを選んでお皿に盛る。色々選ぶのも楽しいよね。

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そして和がらしじゃなくて、米軍占領下の影響か沖縄風にマスタードで頂く。豚の脂がビネガーでさっぱりしてとても良く合うんだよね。

さてと。

「あっつ、あーでも美味しい!」

口の中に出汁が溢れ、鼻腔を濃厚な香りが駆け抜けていく。

この時間、わたしは世界のとても幸せな場所に着地している。

沖縄おでん

<用意するもの>
・大根、さつま揚げ、こんにゃく、たまご、ちくわ等、お好きなおでんネタ
・島豆腐、ソーキ(スペアリブでもOK)てびち、青菜(小松菜や空心菜など)
・かつお節、昆布 適量
・泡盛 適量
・海塩 適量
・醤油 少量
・マスタード
・麺 中華麺でもOK

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