【第１皿】 「わたしの美味しい夏。」
ムダに長いZOOM会議が終わって、いったんノートブックを閉じ、ふーっと息をついた。
あの人なかなか話終わらないんだよな…。わたし的にはPDFに全部要約して出してるのに何故に一から説明させるかね。ぶつぶつ。
少し換気しておこうと閉めきったサッシを開けると、狂わんばかりの蝉の鳴き声と共に、むっとした熱気が飛び込んできた。
ベランダに出てみると室外機の排熱と相俟って、地獄みたいな状態になっている。これはまいっちゃうな。たまらずにヘアゴムで髪をまとめ、プランターの子達の様子を見てまわる。うん、こんな中でも健気に育っとるね。夕方になったらお水をあげるの忘れないようにしとこ。
ちょっとお昼を買いに外へ出ようかと思ってたけど、この日差しには躊躇してしまう。その為だけに日焼け止め塗るっていうのもな…。
しかも世間は連休だっていうのに、わたしはまだこの後もリモート会議が残ってるっていうね。
しゃーない、あるものでささっと作るか。
この暑さじゃお米とか重いもの食べたくないし…かといって素麺サマにはお世話になりすぎてて今日くらいは会わなくていいかなって気分。
冷蔵庫を開けてみる。トマト、茗荷、昨日の残りのしらす。
ん〜我ながらじつに質素！ おかずにもならないしなぁ。
ん、そっか。和風パスタにして夏らしく冷製にすればいいのでは？
一昨年くらいの夏に教えてもらったやつが上手く出来て美味しかったんだよね、えっと梅干しは…ある。それと紫蘇…は、なんていったってお外で元気に育ってらっしゃる。完璧じゃん。
パスタ鍋にお湯を沸かす。唯一これだけが暑いね。その間にベランダへ戻って、紫蘇を３,４枚摘んでくる。いい香り。梅干しは種を取って果肉を包丁で叩く。トマトは半分をさいの目切り、紫蘇と茗荷は細く千切りにする。
パスタはディ・チェコのNo.11、1.6mm。何だかんだこれが一番使い勝手がいい。
問題はその量だよね。なんでパスタって解ってるのについ多く茹でてしまうのかあるある、あるよね。でも実際、80gとか少なくない？？ レストランとかでお洒落なのはいいんだけど女子とてそんなのでは足りんわ。言わないけど。
よし、今日は120g茹でてやる。余ったらまた夜食べればいいもんね。（結局また同じ轍を踏むのだ）
茹で時間は、ソースに絡める前提のアルデンテ対策はないので、9分きっかり茹でる。さすがに、この待つ時間は素麺サマの圧勝だ。
お湯を捨て（乳化させないので取っておかなくて良い）、水で冷ます。前にココに手を突っ込んじゃってヤケドして、カップ氷に指入れたまま通勤電車に乗ったことあったな。あれはマジで痛い&恥ずかしかった。
パスタはそこまで冷たくしなくてもいいし、氷でひやひやにしてもいい。今日は面倒くさいのでそのままでいく。
麺の水気をよーく切ったら、ボウルに入れ、オリーブオイルを結構思い切ってかける。多い方が美味しいから。そこに叩いた梅干しをいれてよく混ぜる。
味付けは、お気に入りの小豆島の正金・八方だし。
これが天然素材のまろみが上品で美味しいのよね。（わたしはこう見えて食品オタクだ）
これを控えめに入れる。量は…適当。物足りなければまた足せばいいっしょ。
と、根昆布茶の顆粒があったらこれもぱらぱら入れる。昔見たDVDでZEPPET STOREの木村世治さんというミュージシャンの方がパスタ料理に使ってて衝撃受けたんだったな。
ここで味見。
はぁーもう美味いわ！ わたし天才。
そこに、トマト、紫蘇、しらすを１/３くらい盛り付け用に残しておいて入れ、隠し味で醤油を3,4滴たらして混ぜる。
トングでお皿に盛って、残りと刻み海苔をトッピングしたら出来上がり。
カワイイっ！ （美味そう。の意）
はー、このままビール飲めたら最高なのに！
リモートなら飲んでてもわからんか。
とりあえずその気分だけでも味わうつもりで、ウィルキンソンの炭酸をTHERMOSのタンブラーに注ぐ。
パチパチはじける泡がなんか夏っぽい。
もう箸でいこう。
んー、ウマーーっ。。
やさしいだしの風味と梅干しの酸味がオリーブオイルにめちゃ合うじゃん。うんうん、茗荷の苦みと紫蘇の香りがまたいいアクセントになってるよ。
Yeah! これは、めっちゃサマーパスタやな。
わたしの永遠のアイドル、あややの名にかけて…！
まだ午後も会議あるけれども、自分の作ったパスタが美味しいからがんばろ。
わたしの美味しい夏は、今はじまったばかり。
めっちゃサマーパスタ 〜夏梅しそ冷製〜
＜用意するもの＞
・梅干し 大1個（小さければ2個くらい）
・しらす 1/2パックくらい（好きなだけ）
・紫蘇 3,4枚
・茗荷 1本
・トマト 1/2個
・刻み海苔 適量
・八方だし 適量
・根昆布茶 適量
・オリーブオイル 適量
あるもので作ってみよう。胡瓜や焼いたナスを入れてもぜったい美味しい！
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