窪田法律事務所

窪田法律事務所(http://kubota-law.com/index.html)の公…

窪田法律事務所

窪田法律事務所(http://kubota-law.com/index.html)の公式noteです。主に知的財産関連の情報をお送りします。

マガジン

  • 知財ニュース

    知的財産関係(特許・意匠・商標・著作権法)の最新ニュースをまとめています。

  • 当事務所からのお知らせ

最近の記事

アミノ酸含有加工食品の差止め及び廃棄の仮執行宣言

東亜産業は、物質特許侵害を理由とするアミノ酸含有加工食品の差止め及び廃棄請求を認容した東京地裁の判決に対し控訴していました。知財高裁は控訴を棄却し、仮執行宣言を付しました(知財高判令和6年3月27日、令和5年(ネ)第10086号)。 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/864/092864_hanrei.pdf 5-アミノレブリン酸リン酸塩の物質特許(特許第4417865号、「本件特許」)の特許権者であるneo

    • それってパクリじゃないですか?第10話

      『それってパクリじゃないですか?』の第10話が放送されましたので、このnoteでも取り上げたいと思います。  前回のコラムの最後でも触れたように、亜季は、冒認出願の可能性に気づき、そのことを北脇にも伝えましたね。その結果、北脇は、親会社へ戻ることが決まったもののハッピースマイルとの特許権侵害訴訟については引き続き担当するということになり、また、亜季は、五木さんの情報漏洩の証拠を押さえるべく、動き出しました。  そんな中、早速、特許権侵害訴訟の口頭弁論が開かれます。  ちら

      • JACK DANIEL’S パロディー商品に対する商標権侵害訴訟で逆転勝訴! ―アメリカ連邦最高裁 「うんち度数43%」「悪臭100%」は許しません!

        1. 事案の概要  アメリカを代表するウイスキーである「JACK DANIEL’S」にそっくりな犬用の噛むおもちゃ「BAD SPANIELS」(いわゆるパロディー商品)の販売が、商標権侵害に当たるかどうかが争われた裁判で、アメリカ連邦最高裁判所は下級審の判決を取り消し、審理を差し戻す判決を言い渡しました。二審では、この種のパロディー商品は表現の自由を定めた合衆国憲法で保護されるべきであるとされ、商標権侵害には当たらないと判断されましたが、連邦最高裁は全会一致で決定を下し、J

        • それってパクリじゃないですか?第9話

          『それってパクリじゃないですか?』の第9話が放送されましたので、このnoteでも取り上げたいと思います。  今回のお話は、月夜野ドリンクが「カメレオンティー」のPRに利用したキャラクター「月夜ウサギ」について、hanamoさんという人物がSNSで、自身の作成したイラストがもともとのキャンペーンとは別のものに無断で転用されている、という投稿をしているというところから話が始まりました。こういう投稿がバズるあたり、ほんと令和ですね。  さて、他人が著作権を有する著作物を利用する

        アミノ酸含有加工食品の差止め及び廃棄の仮執行宣言

        マガジン

        • 知財ニュース
          46本
        • 当事務所からのお知らせ
          2本

        記事

          それってパクリじゃないですか?第8話

          『それってパクリじゃないですか?』の第8話が放送されましたので、先週に引き続きこのnoteでも取り上げたいと思います。  前回、今宮食品に対して見事なカウンターを決め、この009’特許の争いは終わったかに見えましたが、なんと本第8話は、当該特許を買い受けた総合発明企画から特許侵害訴訟を起こされた、というところから始まりました。  では、今回のように、突然、特許侵害訴訟で訴えられることはあるのでしょうか?  実務上、事前交渉なしに侵害訴訟を提起するということはあまりなく、義

          それってパクリじゃないですか?第8話

          それってパクリじゃないですか?第7話

          『それってパクリじゃないですか?』の第7話が放送されましたので、このnoteでも取り上げたいと思います。  今回のお話は、今宮食品から乳酸菌の組み合わせに関する特許権(以下「009’特許」といいます。)を2000万円で買い取らないか、という提案があったというところからスタートしました。亜希達は、高額な提示金額に驚いていましたが、この特許技術は、月夜野ドリンクの製品「ぐるっとヨーグル」に使用されている可能性があるということでした。月夜野は、すでに侵害予防調査で、抵触する特許は

          それってパクリじゃないですか?第7話

          それってパクリじゃないですか?第6話

          『それってパクリじゃないですか?』の第6話が放送されましたので、このnoteでも取り上げたいと思います。  月夜野ドリンクには、緑のお茶屋さん以外に、「ジュワっとフルーツ」というドリンクがあるようで、今回は、月夜野と共同研究開発をしていた研究室の学生3名が、その炭酸飲料版である「ジュワッとフルーツスパークリング」なるドリンクに関し学会発表をしようとしていたところ、特許出願前に学会発表はしないで欲しいという立場の月夜野との間で揉めてしまう、という内容でしたね。  この共同研

          それってパクリじゃないですか?第6話

          それってパクリじゃないですか?第4話

          『それってパクリじゃないですか?』の第4話が放送されましたので、このnoteでも取り上げたいと思います。 今回は、北脇に親会社から送り込まれたスパイである疑惑がかけられる中、亜季は、ムーンナイトプロジェクトで使用する「ツキヨン」に関する商標出願を任されることになりました。 この「ツキヨン」とは、縄文土器に描かれている模様をベースに描かれたキャラクターで、縄文土器マニアのインフルエンサーである「ドキドキ土器子」によって、一種のブーム(?)にもなっているようです。 商標法にお

          それってパクリじゃないですか?第4話

          それってパクリじゃないですか?第5話

          『それってパクリじゃないですか?』の第5話が放送されましたので、引き続きこのnoteでも取り上げたいと思います。 まず、本第5話では、なかなか特許にならない甘酒の特許出願の問題がありましたね。 拒絶理由は実施可能要件違反(特許法第36条第4項第1号)で、北脇さんの提案もあり、拒絶理由に対する応答案の説明のためということで、審査官との面接を行うことになりました。 1回目であれば、拒絶理由の内容と面接をしたい理由にもよりますが、基本的に、審査官に面接の申し込みを断られることは

          それってパクリじゃないですか?第5話

          それってパクリじゃないですか?第3話

          『それってパクリじゃないですか?』の第3話が放送されましたので、引き続きこのnoteでも取り上げたいと思います。 今回は、月夜野ドリンクが製品化を目指している、空気に触れていくうちに、色彩と味が変わる「カメレオンティー」、そして、有機野菜と果物に牛乳を掛け合わせた新作スムージー飲料について他社特許と抵触しないかが問題となっていました。亜季は、北脇から、「カメレオンティー」の特許出願にあたり、特許権に関する侵害予防調査を任されることになりました。一方、新作スムージー飲料につい

          それってパクリじゃないですか?第3話

          それってパクリじゃないですか?第2話

          『それってパクリじゃないですか?』の第2話が放送されましたので、先週に引き続きこのnoteでも取り上げたいと思います。 今回は、月夜野ドリンクが「緑のお茶屋さん」という「お茶」を販売している中、落合製菓食品が「緑のおチアイさん」という抹茶味の「チョコレート」を販売していたことが明らかになりました。しかも、「緑のおチアイさん」は、商標登録までされているようです。 「お茶」「商標」「紛争」と聞くと、個人的には、まず最初に「はーいお茶」「お~いお茶」の事件を思い出します。この事

          それってパクリじゃないですか?第2話

          それってパクリじゃないですか?第1話

          4/12(水)22:00から、日本テレビ系列にて「それってパクリじゃないですか?」第1話が放送されました! このドラマは知的財産と会社の知財部・弁理士にフォーカスしたドラマとなっているようで、私どもが主に取り扱っている業務が取り上げられていくようです。 そこで、今週から各回の放送後に感想だったり、実務家の視点や豆知識のようなものだったりを、できる限り分かりやすく書いていきたいと思っています。 さて、今回は、月夜野ドリンクの開発部に所属する芳根京子さん演じる亜季が開発したキ

          それってパクリじゃないですか?第1話

          アムジェンの抗PCSK9抗体特許はサポート要件違反と知財高裁が判断

          アムジェンの抗PCSK9抗体特許に対しリジェネロンにより請求された無効審判請求を棄却する審決を取り消す判決が出されました(知財高判令和5年1月26日、令和3年(行ケ)第10093号)。 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/744/091744_hanrei.pdf アムジェンの抗PCSK9抗体特許(特許第5705288号、「本件特許」)は、「PCSK9とLDLRタンパク質の結合を中和することができる」という特性と

          アムジェンの抗PCSK9抗体特許はサポート要件違反と知財高裁が判断

          知財高裁、他人のツイートのスクリーンショットを自己のツイートに添付する行為を「引用」と認める

          Twitterにおいて、他人のツイート(元ツイート)の内容を批判する場合などに、元ツイートを引用リツイート(引用RT)するのではなく、元ツイートのスクリーンショット(スクショ)を撮って自己のツイートに添付して投稿することは、結構頻繁に行われています。 このような元ツイートのスクリーンショットを添付する行為が、著作権法における「引用」に該当し、著作権侵害とならないと判断した知財高裁判決が最近出ましたので、ご紹介したいと思います。(知財高裁令和4年11月2日判決(令和4年(ネ)第

          知財高裁、他人のツイートのスクリーンショットを自己のツイートに添付する行為を「引用」と認める

          「トレパク」を指摘するツイートの発信者情報開示事件、知財高裁は一転して開示を認めず

          以前ご紹介した、「トレパク」を指摘するツイートの発信者情報開示の可否が問題となった事件ですが、その後、新たな展開がありましたので、ご紹介したいと思います。 この事件では、第一審の東京地裁は発信者情報開示を命じる判決をしていましたが、今回、控訴審である知財高裁は一転して、発信者情報開示を認めない判決をしました(知財高裁令和4年10月19日判決(令和4年(ネ)第10019号))。 事件の概要本件で問題となったツイートは、氏名不詳の投稿者CおよびDが投稿した、以下の4件のツイート

          「トレパク」を指摘するツイートの発信者情報開示事件、知財高裁は一転して開示を認めず

          ユベントス NFTの商標侵害事件で勝利

          イタリアのサッカーチーム「ユベントスFC」にかつて所属した元サッカー選手クリスチャン・ヴィエリの画像を表示する多数のNFT商品(デジタルトランプ等)の作成者に対し、イタリア・ローマの裁判所は仮差止命令を認めました。この決定は、許可なく第三者の商標を複製したNFTが商標権侵害を構成すると公に判断した世界最初の決定になると思われます。 決定原文: https://files.lbr.cloud/public/2022-11/Rome%20Court%20NFTs.pdf?Vers

          ユベントス NFTの商標侵害事件で勝利