あなたの職業、何??(驚愕のカウンセラーに遭遇した話) その1
私の長年の苦しみを理解し、すべての症状に名前をつけて解決に導いてくれた女性のカウンセラーは、ある時大病をされ長期間休診となってしまった。今から6,7年前のこと。
私の症状は、かなり改善されていたけれど、まだ少し心もとない気持ちを抱えていた。
それを何とかしたく、完治を目指した私は、インターネットで新しいカウンセラーを探し始めた。
そうして、通える範囲の場所に、アダルトチルドレン専門のカウンセリングルームを見つけた。アダルトチルドレンに特記したカウンセリング? それなら、沢山のアダルトチルドレンの人達を見ていて、私の症状も容易に理解してくれるかもしれない。ブログも開設されていたので、読んでみた。納得する箇所が多々あり(アダルトチルドレンになってしまうのは、母親だけの責任ではなくて、無関心無責任な父親も相当に悪い、とか)、言い切る文章を読んで、頼りになる印象を受けた。とりあえずお試しで一度行ってみることに。男性なので、どうだろう? とは思ったけれど、そのカウンセラー、中平先生(仮名)は、やさしい感じの人だった。初回のやりとりで、私のメンタルブロックをいとも簡単にはずしてくれて、思わず泣いてしまった。
人前で泣くことを「恥」と教えこまれてきた私は、どんなに辛くても悲しくても、歯を食いしばってでも涙を流さない習慣がついてしまっていたので、これにはびっくりした。
いっぺんで信用して、その場で一回当たりのカウンセリング料が安くなる10回コースを申しこんだ。
たったの一回で泣けるようになるなんて、すごいと思った。母のひどいエピソードを伝えると、
「なんだ、それ! 娘のこと何も考えてないじゃないか!」
と本気で怒ってくれたことも、とても嬉しかった。
けれども。
その喜びは、回を重ねるごとに薄れていった。疑問が次々に浮かんでくる。中平先生は、私の話を一切メモしていない。書きつけないでも覚えていられるなんて、すごい記憶力の持ち主なのかな? と最初は思った。
しかし、前回言ったことをすっかり忘れているようで、基本的なこと、例えば家族構成や私の職業までも覚えていないようだった。だから、毎回忘れていることを前提に、さりげなく説明を加えていた。
何か、ヘンだな。
時には、私の名前さえ忘れるらしく、一番最初に書いた問診票をちら見することもあり、だんだん不信感が募ってきた。
5回目くらいの時に聞いてみた。
「先生は、私の言ったこと全部覚えてるんですか?」
無邪気さを装って。
「いえ、全部は覚えてないです」
厚顔にも即答。アダルトチルドレンの人は、誰も味方がいなくて苦しんでいるのだから、見捨てられる、忘れ去られる、というような状況が一番堪える。
幼少時、親の愛に包まれずに育っているため、そういうことに異常なほど敏感なのだと思う。だからこそ私も、中平先生の状況把握の乏しさに気づいてしまったわけで。アダルトチルドレン専門をうたうのならば、まずそこを改善いないといけないのではないだろうか。
中平先生は、さらに続ける。
「全部覚えていないとカウンセリングできないかというと、全然そんなことなくて」
と言い、それは中には壮絶な告白をする人もいて、自分が言ったことを覚えていて欲しくないと言ったりすることもあると言う。・・・・。だから。それは覚えていない振りをするべきで、本当に忘れてしまったら、そもそもその人に合ったカウンセリングなど、出来るわけがないではないか。
日を追うごとに、このヒトは一体どういうヒトなのだろうか? と頭の中にクエスチョンマークが飛びかうようになっていった。
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