九葉谷 稀沙 Kubatani Maresa

毒親育ち、アダルトチルドレン、パニック障害(70%治癒)、きょうだい児、ベビーシッターによる虐待など、壮絶な私の人生。なんとか生き延びてアラ還に。同じ思いをしてる人に少しでも元気になってほしくて、書くよ。心をこめて。だけど、時々強烈なできごとも書いちゃうかも。その時は、ごめんね。

九葉谷 稀沙 Kubatani Maresa

毒親育ち、アダルトチルドレン、パニック障害(70%治癒)、きょうだい児、ベビーシッターによる虐待など、壮絶な私の人生。なんとか生き延びてアラ還に。同じ思いをしてる人に少しでも元気になってほしくて、書くよ。心をこめて。だけど、時々強烈なできごとも書いちゃうかも。その時は、ごめんね。

最近の記事

病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その8

 本当によくわからない状況だったけれど、翼の手前感情的になるわけにはいかない。  家に戻る前に知りえた情報は、この日家を出る時から探偵会社の女性2人に尾行をされていたと言う。  先方も家族団らんの時間を邪魔しては悪い、と駐車場でずっと待っていたところ、広大が一人で戻ってきたので声をかけたと言う。  先日のインターフォンを鳴らしたのも同じ人で、友人の夏子(仮名)の話を聞いて、あまりにもかわいそうなので、話し合おうとした、と言う。  それは。  広大が、その夏子という女性を弄び妊

    • 病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その7

       ふだんまったくあわてない広大と、言葉を大切にしている私。2人ともまったく真逆の状況になっていた。  その後、広大に電話を代わったのか否か、そこはまったく覚えていない。それほどに、いきり立っていたのだろう。  それにしても。  この無礼な反社会的な雰囲気の男は、いったい誰なのだろう。  広大に聞いても、本当によくわからない言い訳のような答えしか返ってこなかった。  ただ。  それ以上問いつめたり、真実を突き止めようとするには、私はあまりにも疲れ果てていた。  次男の湊は、今か

      • 病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その6

         再度チャイムは鳴らされず、その日は終わった。  でも、妊娠て何だろう?  まさか。  隠し子?  色々な想像が頭を駆け巡り、尋常ではない精神状態になっていた。 「妊娠て何よ!」  強い調子で広大に詰めよる。  私は、出産して間もないために、動物の「雌」としての本能が露骨に現れていた。  子どもを守るためなら、戦いもいとわない。そんな気分になっていたのだと思う。 「知らないよぉ」  困ったような顔の広大。  広大には、沙織ちゃんの妄想は別としても、あまたの前科がある。  本人

        • 病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その5

           何かを妄信している人の瞳。 「知り合ってまもない人をそんなに信用しちゃダメでしょう」  私は心の中でそう忠告し、瞳の力に恐れおののいていた。  広大はきっと、 「困ったことがあったら何なりと言ってください。僕たちが何とかしますから」  とか何とか力強いセリフを吐いたのだと思われる。  その言葉に「いちころ」となってしまったのだろう。  あ~あ。  広大は軽い気持ちで言っているのに、そこまで感激させてしまったのか。誤解させるようなことをいつも言う広大も悪いけれど、こんな手垢の

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その4

           その住民グループの中に、広大も入っていた。長男の翼が3歳くらいの時のことだったと記憶している。どのようなきっかけだったか、他の世帯の人たちとも仲良くなっていたので結束するのに時間はかからなかった。  私は、翼がいたのでその会合には参加したことはないけれど、日を追うごとに管理会社の杜撰さが露呈して、 「あんな会社に任せておけない。管理会社を変えよう」  という話になった。  広大は、きっと先頭に立って言いたいことを言ったのだろう。そこは親譲りで、平気できついことを言ってしまう

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その4

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その3

           ママさんは、沙織ちゃんの話を聞いていたので、私を悪い女だと思っていたらしく、結婚したことで、 「あれ?」  と思い直し始めたらしい。  そうして機会をうかがって広大に真実を尋ねたというわけだ。広大も寝耳に水のできごとで、あまりの捏造っぷりに、笑ってしまったと言う。  ママさんも、もっと早くに確かめてくれれば、謎を抱えなくても済んだのに。  このことが判明してから、沙織ちゃんに会ったことはない。ママさんが、ビシッと言って出入り禁止にしたのかもしれない。  それにしても。  

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その3

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その2

           それは。  沙織ちゃんの虚言癖が原因。  沙織ちゃんには2,3回会ったことがあるけれど、本当に普通の20代半ばの女性で服装もいたって地味だった。  今思うと広大のことが好きだったから、私に対しては構えていたのかもしれない。何か話しかけても、そっけない態度。私だって勇気を出して話しかけているのだから、そういう感じはすこしばかり傷ついた。  沙織ちゃんは、そのようにふるまうことで、私に精一杯の意地悪をしていたのかもしれない。  そもそも。  ママさんは、沙織ちゃんから色々と聞い

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その2

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その1

           今回は、夫の広大のことを話そうと思う。今までも、書いたことはあるけれど、女性問題に関しては壮絶なエピソードがいくつもある。  毒母から逃れ、息も絶え絶えにサバイブしてきたと思っているけれど、実はこんなのも乗り越えてきたのか、と思い出すと人に言われるまでもなく、私の人生ハードモードだなと改めて思う。  おそらくこれらのことが、人生最大のアクシデントであったなら克服できていなかったかもしれない。  ただ。  私には他に毒母による「不幸貯金」がもっとたくさんあったので、耐えられ

          病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その1

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その11

           ところがロレッタは。  日本に来たこともなければ、もしかして私が初めて触れ合う日本人だったのかもしれないのだ。震源地と私の住む東京がどれくらい離れているのかも、感覚的にはわからないだろう。それなのに心配しメールをくれたことが本当に嬉しかった。  海を越えて繋がっている感じが、なんとも心強かった。  それから数年後、もっと心震えることが起きた。  長い長い間求道者だった私が、ついに洗礼を受け、ロレッタにも知らせた時のこと。まるで自分のことのように喜んでくれて、お祝いに英語の新

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その11

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その10

           たまたま通りかかり、図々しくバイブルクラスに参加した私がここに来た意味を鮮やかに見つけてくれたロレッタ。  いつも居場所がなかった私に、 「ここにいて良い」  と言ってくれたような気がした。  大袈裟だけれど。  私が今通っている教会に初めて行った時も、何の迷いもなかった。 「受け入れられなかったらどうしよう」  だとか、 「突然来てびっくりされたら?」  のような心配はゼロで、後から考えると自分にしては本当に大胆な行動だったと思う。  そこに人間の力の及ばない何かが働い

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その10

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その9

          「そうそう」  突如一人の女性が、 「こんな記事を見つけたの」  と新聞をバサバサと広げた。  見るからにタブロイド版。ゴシップ系が得意そうな紙面だった。 「ユダの手紙発見!」  というようなセンセーショナルな見出し。それも一面トップで。イエス・キリストを裏切ったユダの手紙。  そしてそれが一面トップに出てしまう新聞。  他の女性たちは大して驚いた様子もなく、 「そんなの眉唾ものでしょ」  というように、あまり反応しなかった。  やはりタブロイド版ゆえなのか、と思ったけれど、

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その9

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その8

           イギリス領だった国、たとえばシンガポール、マレーシア、香港などにも支店があるので、そこに旅行に行くと言う友達がいたら、 「時間あったら寄って、ティーバッグ買ってきて」  とお願いするくらいに好きなお店。そんなマークス&スペンサーのビスケットをいただけるのは、本当に嬉しい。  だけど。 「そんなラフなしまい方してたら、湿気ちゃわないのかな?」  と心配になった。  このバイブルクラスは、どのくらいの頻度で行われているかは知らないけれど、食の細い年配ご婦人方では消費するのにかな

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その8

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その7

           旅行で日本から来ていること、洗礼は受けていないけれど、子供がキリスト教の小学校に通っているので、礼拝にはほぼ毎週出ていることなど、私についての基本的なことを伝えた。  クラスを仕切っているのは、60歳くらいの女性。名前はロレッタと言った。  次々にメンバーが到着する。全員女性。70~80代だった。  東洋人の私を見ても、別段驚くふうでもなく、 「ああ、今日参加するのね」  と軽い感じで挨拶を交わす。  ロレッタは、新しく人が来る度に、 「この女性は稀沙と言って日本から旅行で

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その7

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その6

           ダブルデッカー、トラファルガー広場、エロスの塔など、初めて訪れた時も、映画の中のシーンを思い出したものだ。  「小さな恋のメロディ」は、DVDを買って今でも何度も何度も観返している。  だから、冴子ちゃんと別行動をしてロンドンの町のあちらこちらを歩き回るのも、私にとっては本当に楽しいひとときなのだった。  歩いているうちに、ふと上を見上げると小さな十字架が見えた。 「あ、ここ教会だったのか」  十字架の他、とりたてて教会ぽい建築様式ではなかったので、危うく見過ごすところだっ

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その6

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その5

           両親は、本当にエンターテインメントに疎く、母は保健体育の教師だったので、スポーツ系は好んでテレビで観ていたりしたけれど、音楽や映画と言ったものに関しては、はなから低俗と決めつけていた。  もしかしたら、私が夢中になっていたから、それを無意識にでも阻止しようと攻撃していたのかもしれない。  もちろん何の知識もない。たまに、本当にたまに勤務先の学校に出入りしている業者からLPレコードを買って来ることがあった。  細かい状況はわからない。 「家に中学生の娘がいるんだけど、何か良い

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その5

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その4

           11歳の頃に記していた日記帳にその言葉を見つけた時は、逆に驚いた。 「叶っちゃってる」  と。  11歳と言えば、母に色々なことを指図され支配され、どうして自分だけがこんなにしてはいけないことが多いのか、と悩み始めた時期である。  だから、 「行くんだ!」  と書きつつ、その背後には、 「どうせ無理だけどね」  と言う文字が躍っているのだ。  数十年経ってそれを読み返した時でさえ、裏に仕込まれた文字たちが私の目を刺してきた。それだけに、 「行っちゃったもんね」  とちょっと

          祈りのシンクロは、海を越えて。(導かれた旅の道) その4