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留学フェローシップ体験記①〜野沢で一体何をする?〜

こんにちは。夏休みももう半分になってしまったくらるです。今回は留学フェローシップSummer Camp 2023に参加してきたので、感想や内容を共有したいと思います。


⒈留学フェローシップSummer Campとは?

 このサマーキャンプは、留学フェローシップという主に海外大学進学を支援するNPO法人が運営しているサマープログラムです。この団体は、全国各地を国内大学の学生(メンター)たちが回り、進路についてアドバイスをする「留学キャラバン隊」や、オンラインカレッジなど、「主体的な学びをデザインする」をコンセプトに、進路支援を行っています。今回参加したサマーキャンププログラムには、高3年向けの「キャンプ1」と、高1、2年向けの「キャンプ2」があります。私は高校2年なので、キャンプ2に参加してきました。
 キャンプ1は海外大学への進学を決めた高3生向けのため、出願エッセイの添削など、進路が決まっている人が参加者の大きな割合を占めますが、キャンプ2は、まだ進路を決めていないけれど海外大学に興味があるという人が集まるため、あまりかっちりした雰囲気はなく、自分自身がまだ見つけられていない興味を見つける、学びを構築していく、という割とふわっとした、カジュアルな雰囲気でした。実はキャンプ2は今年からの新たな取り組み。これまで高2、3生対象のキャンプ1のようなプログラムはあったものの、1年生まで取り込んでいく、というのは今年からなのだそうです。
 これらのサマーキャンプの一番の特徴は、大学生メンターが場を回していくということ。ワークショップ担当班やアイスブレーク担当班など、役割を分担して進行していきます。そしてもちろんその裏には、院生の運営やマネージャーなど、たくさんのサポートがあり、全員で企画を練って、入念な準備の上で私たちを迎え入れてくれたことが、プログラム中随所で感じられました。高校生40人以上が過ごす4日間を作り上げることは、誰でもできるようなことではないと思います。熱意をもって準備から開催、相談にまでのってくれたメンターたちと関係者の皆さんに、心から感謝と尊敬の意を表します。
 参加費は1人8万円。交通費は自費ですが、Need Blindの奨学金で、参加費を2万円に減額していただき、参加することができました。課外活動は基本自分の口座から、というスタンスの我が家には、本当にありがたい制度でした。

⒉全体の流れ。

①グループについて。
 基本はグループA〜Jに分かれてワークなどを行います。ワークショップによってはその都度グループが組み換えられますが、ホームとなるのは最初のグループです。ホームグループはフェロー(参加者)4、5人とメンター(サポートの大学生)2人から成り、私はAグループがホームでした。4人全員、強い芯は持っていてもトゲはない、ちょうどいいメンバーだったため、私的には1番居心地のいい空間でした。
②ワークショップについて。
 1日に2、3個のワークショップや講演、模擬授業などがあり、会場である野沢温泉村について学んだり、自分の興味について深掘りしたりする中で、「自己」の中心に迫っていきます。これがサマキャンの目指す、学びのデザイン、なのではないかと(勝手に)思っています。
 ワークショップでは「校則や校風が自分たちに与える影響」や「自分の興味はどんな学問に当てはまるか」などを考え、グループ内で共有したり、メンターに助言をもらったりします。1番印象に残っているワークショップは、後者の「興味と自己のつながり」について。学校の授業で記憶に残っているワンシーンを切り取り、なぜそこを覚えているのか、どんなところに惹かれたのか、などをグループのメンバーと一緒に考えます。一人がストーリーを話したら、周りのメンバーは対話が起きるような質問を投げたり、関係のありそうな学問分野を提案したりします。これによって、今まで思いつかなかった学問とのつながりに気づくことができます。例えば歴史の授業で第二次世界大戦が起きた理由について学んだシーンを覚えていたとします。その経験はどんな学問につながるでしょうか。コミュニケーション学?メディア学?学問に当てはめなくても、「あなたは結果よりも根本を学びたいと思うタイプなのかもね。」のように、その人の学びの傾向を提案することもあります。あるメンターは、ここで「科学哲学」という不思議な学問があることを教えてくれました。名前だけ聞くと、科学と哲学は相反するものじゃないかと思いますが、実は哲学ベースで、「知の限界を考える」ものなんだとか。数や式であらゆるものを表す科学ですが、それに果たして限界はあるのか。それを考えるのが、この学問なのだそうです。

↓(キャンプ中、よく耳にする会話)↓
私「彼らは一体何を目指して研究してるの?」
メンター「それは彼らもよくわかってないと思うよ」
私「?????」
メンター「でも僕が思うに…」

もうこの時点でかなり不思議な現場ですよね(笑)こんなことが毎日、毎時間起こっているのが留フェロなんだと思います。わからない、で終わらせない。メンターたちの深すぎるくらい深い探究心に、わくわくさせられる日々でした。

③講演について。
 講演では、毎回ゲストスピーカーがいらっしゃって、自身の関わる世界について語ってくれます。今回は野沢温泉村に住み、旅館を経営している方や、資料館の館長さん、同年代の気候活動家の方々全4名の話を聞きました。内容ももちろん面白いのですが、何より楽しいのはゲストが帰った後に繰り広げられるフェローたちの熱血議論タイム。「あの人の言ってること、よくわかんない」とか「もっとこうすればいいのに」とか。あーだこーだ、あーでもないこーでもない、と喋りまくる環境は、生まれて初めてでした。部屋に戻った後も、一部の部屋では英語で夜中まで語り合っていたみたいです。その話にはさすがの私もちょっと引きました(笑)。

④模擬授業について。
 これはメンターたちが自分の専攻の学問について講義をしてくれるというもの。模擬授業は2日目と3日目の2回、開講され、4、5科目の中から好きな授業を選んで参加することができます。私は1回目にフランス文学、2回目にジェンダー学の授業に参加し、大きな刺激を受けました。中でも衝撃だったのは、フランス文学の授業。日本の詩人、中原中也と、フランスの詩人アルトゥール=ランボーの、人柄から見る共通点や歴史を深掘りした後、ランボーのフランス語の詩を実際に翻訳してみる、という内容でした。国も、歴史的背景も違う詩人に、共通点があるのかと最初は不思議に思っていましたが、二人の人柄を知った上で読む詩は、いつもと何か違っていて、とても楽しかったです。それと同時に、授業をしてくれたメンターの発音が素敵で、フランス語という言語にも、興味を持ちました。

⑤日常コレクションについて。
 日常コレクションでは、メンターたちが普段大学で学んでいることを切り取り、ディスカッション形式で話してくれます。メンターたちが学んでいる内容は一人ひとり全く違っていて、興味深いものばかり。毎日5〜6の部屋が用意され、興味のある内容を選んで参加することができます。ジェンダーや栄養、哲学、メディア学など、多彩なテーマが開かれます。ここで面白いのは、大学生は教える側ではないということ。スライドを見せて、説明して、質問を受けて、、というような授業ではなく、「こういうことを勉強したり研究したりしているんだけど、どう思う?」「どんな経験をしたことがある?」というように、ストーリーベースで対話をします。誰も誰かを否定しないし、間違ってると言われることもない。全員同じレベルで素直に話し合える、新鮮な場で、私はこの時間がとても好きでした。

⑥グループタイムについて。
 グループタイムは、前述のホームグループの時間。この時間を使ってホームのメンターと1on1で面談をしたり、1日を振り返ったりする時間です。TeamAはとにかく散歩が好きで、グループタイムにはほぼ毎日、外に出ていました。虫の鳴き声がする静かな村を歩きながら、他愛もない会話をして、足湯に浸かりながら話すのが幸せで、大好きな時間でした。

 上記のようなワークをして、1日が終わっていきます。

⒊一区切り。

 毎回3000文字を区切りに書いているのですが、それをすでに超えてしまったので、今回はここまでにしておきます。ざっくりとした流れを、見づらくならない程度に個人的な感情を挟みつつ説明してみました。
⚠️注意⚠️
ここで話していることはあくまで2023夏の内容です。毎年同じであるとは限りません。全く同じ内容や流れを期待しないように!来年度参加したいと思っている方のイメージ作りのほんのお手伝いになれば幸いです。

次回からはさらに感情要素多めで感想や魅力を語りたいと思います。興味があればぜひ。

ではまた( ´ ▽ ` )ノ


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