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登壇の背景と想い|SaaS Design Conference 2022
2022/11/26に開催されたSaaS Design Conference 2022に登壇をしました。
主催から運営までしてくださったユーザベース CDO 平野さん、ユーザベースのデザイン組織の皆さんには本当に感謝しかありません!お疲れ様でした!
なぜ國光にオファーが来たのか?
今回のカンファレンスを主催してくださった、ユーザベース CDOの平野さんには僕が新規事業の立ち上げに挑戦していた苦しい時期に大変エンパワーしてもらい、僕にとって本当に有難い偉大な存在でした。
そんな平野さんと、2022年8月 グッドデザイン賞の2次審査の展示準備会場の名古屋でお会いした際、「今度SaaSデザインのカンファレンスを開こうと思っているんですが、國光さん良かったら出てくださいよ」と言われ、登壇者の一人としてかな?と思ってその時は二つ返事でお手伝いするのでいつでも声をかけてくださいと返答をしたのですが、数週間後にこんな素敵なオファーをいただきました。
(以下要約)
國光さんのようにグラフィックデザイナーからキャリアをスタートし、(GoodpatchでUXデザイナーになってからは)クライアントワークでのBtoB/SaaSプロダクトデザインに関わり、事業オーナーやPdM、副業での事業立ち上げなど、僕の周りにいるSaaSにゆかりのあるデザイナーの中で國光さん以上の豊かなキャリアパスを持っているデザイナーは見つかりません。
デザイナーでキャリアに悩んでいる方々に、未来の可能性を示してもらいたい。正解探しをしたいわけではないので、國光さんの見てきた「景色」を、國光さんの「言葉」で、國光さんの「物語り」をナラティブに参加者に語っていただきたい。
こういったイベントのお誘いで、こんなに想いのこもった1to1の素敵なお誘いをもらったことがなかったので本当に嬉しく、何より他の登壇者の方がほぼ誰も決まっていない8月の段階でまだまだ実力も実績も少ない僕に真っ先に声をかけてくれたことに驚き「是非参加させてください!」と返信したのを覚えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669602953898-yq7yP6UhiR.png?width=1200)
参加にあたっての個人的な想い
このカンファレンスへの参加にあたって、個人的な2つの想いがありました。
1. 事業検討終了後のキャリアに関する葛藤
1つ目は、新規事業の検証がうまく行かずにクローズが決定した後に経験したキャリアに関する葛藤です。
事業をうまく推進できなかった自分が、何に対してデザイナーとして関わるのか。クライアントワークに戻るのか、自社事業側に入るのか、それとも事業立ち上げで色々と学んできたノウハウを持って組織のデザインをする側に入る選択肢はないか?など様々なことを考え葛藤しました。
そして、8月から自社事業のReDesignerに携わることになり、デザイナーの方へのヒアリングを重ねる中でデザイナーの方々が置かれている状況や悩みなどを知る機会が多くなりました。
そもそもデザイナーという職業は、人数が多い事業会社などの中でも他の職種より圧倒的に人数が少なく、事業部ごとに1-2人しか配属されていないという状況も少なくありません。
そういった状況を、自分で打破し前進していける人もいれば、もちろんそうでない人もいます。
2. 一度デザイナーを辞めようとした経験
2つ目は、自分自身が一度デザイナーを辞めようとした時の想いです。
グラフィックデザイナーだったときに、能力も実力も全く足りずに、デザイナーではない選択を取ることを考えたこともありました。
一方、世の中のイベントや各種発信では活躍している方々の話題が多く、今まさに一人で悩み苦しんでいるデザイナーの方々と何かを分かち合えることはないか?とずっと考えていました。
そんなことを考えたときに、同じように悩んでいる人/悩んでいた人は外からは見えないだけで世の中にはたくさんいるし、もしかしたら今まさに「デザイナーを辞める」という選択肢が浮かんでいる方もいるかもしれないと思いました。
今回の登壇テーマ
そんな想いも相まって、平野さんからのオファーにあった「キャリアに悩んでいる方々に、未来の可能性を示してもらいたい」という文章や「正解探しをしたいわけではない」という言葉が突き刺さり、今回の登壇ではうまく行っている方法や実践知に関しては他の登壇者の方々に任せて、デザイナーとしてのキャリアで迷っている方や今まさに辞めようとしている方と何かを分かち合うためのセッションにしようと決意しました。
今回の登壇タイトルは 「SaaSにおけるデザインの力の使い方」 です。
登壇内容よりも先にタイトルをつけたのですが、クライアントワークや実際に副業でもコアメンバーとしてSaaS事業を立ち上げをしている中で、
SaaSという事業モデルが、デザイナーの活躍する場所を広げているのではないか?
デザインの力を求める人がそれによって増えているのではないか?
もしかしたら立ち位置を変えるだけで、今悩んでいるデザイナーが活躍できる環境があるという気づきを分かち合えるのではないか?
そんな考えのもと、登壇する3時間くらい前まで登壇内容をブラッシュアップして登壇に臨みました。
公開用にちょっと削っているverですが、以下のnoteに登壇資料を載せています。
ちなみに、登壇テーマを決めるにあたって、実はTwitterでアンケートを取ったりもしました。
どんなことに今興味が集まっているのかとても参考になりました。
今度登壇する機会でお話しするテーマどれがいいかなー
— 國光俊樹|Goodpatch / Onn (@ku_ni_29) September 28, 2022
これまでの経験をもとに何か伝えられるものがあるか悩み中
--
・高専→グラフィック→WEB→UX→事業開発とキャリアチェンジ(失敗含む)
・クライアントワークと自社事業(立ち上げ)どちらも経験
・事業と組織それぞれにデザイナーとして価値提供
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登壇内容
登壇内容やQAセッションでの内容はリンクアンドモチベーションの辻井さんがスレで丁寧にまとめてくれています。(辻井さんあざます!!)
最後を飾るkeynoteは、Goodpatch國光さんのセッション。
— 辻井 耀 / プロダクトデザイナー (@DShuhari) November 26, 2022
カンファレンスのど真ん中を射抜くようなテーマ設定、お話が楽しみです! pic.twitter.com/Oq3Ab7ZrmV
反響
有難いことに、少し切り口を変えたメッセージングでしたが、カンファレンス全体を見るとコントラストが効いていて、良い締めくくりになったと他の登壇者や視聴者の方々に言っていただくことができました。
Twitterでは以下のようなありがたい反応もいただきました。
ここに載せていないコメントについても、全て目を通させていただきました。コメントをくださった皆さん本当にありがとうございます。
あの人だからあんなデザインができる。あの環境だからあんなデザインができる。
— ジーラム / money forward (@jeelamuu) November 26, 2022
ではない反証をしているようなテーマ設定で、悩んでる人へのメッセージになりそう。 #SaaSデザイン
歳をとったせいか、冒頭の國光さんの話だけで、胸がいっぱいになってしまう。
— アルマ@ANDPAD (@aruma403) November 26, 2022
「デザイナー」と言っても、その中にはいろんな領域があって、それぞれ違いがあり向き不向きというか、より得意な領域があるかもしれないし、まだ知らない領域もあるんだね。#SaaSデザイン
國光さんのメッセージ響くぅぅ…自分の軸が知りたい #SaaSデザイン
— yiyun (@yiyun1114) November 26, 2022
デザイナーのケイパビリティを拡大する、私転職するたびに試みていることかも。すとんと腑に落ちた
— Design Rakko (@DesignMoyo) November 26, 2022
#SaaSデザイン
「SaaS事業におけるデザインの力の使い方」
— 楓 (@Jt2yrd) November 26, 2022
泣いた。うまく言えないけど何か浄化された。自分はやっぱりデザイナーなんだなって思いました。デザイナやめません。多謝謝 😢#SaaSデザイン
私はデザイナー向いてなかったんでエンジニアになれたので、向いてないことがあったっていいんですよ。向いてることもきっとあるから。
— アルマ@ANDPAD (@aruma403) November 26, 2022
と思った良い登壇とパネルディスカッションでした。
#SaaSデザイン
自分ってデザイナー…なのか…?と悩むこともあるんだけど、デザイナーっぽくない部分があるからこそできることもあるのかもと思い直しました #SaaSデザイン
— Kado (@KD75640454) November 26, 2022
國光さんのお話、涙ぐんでしまった…#SaaSデザイン
— ぶちょぉ (@Tomoronto) November 26, 2022
toB SaaSでBX・コミュニケーション領域やる立場として、國光さんのセッションは心にグッとくるものがありました🥹
— はらゆみ / Money Forward (@harayumi_tw) November 26, 2022
BXやるならボーダレスでいたい!
(最近社内でもこればっか言ってるw)
#SaaSデザイン
國光さんのセッションを遅ればせながら見てるけど、めちゃいいですね
— やんく✌('ω')✌ (@yy_yank) November 26, 2022
デザインに対する思いがすごい伝わってくる#SaaSデザイン
どなたかのツイートの「國光さんのデザイナーを辞めようと思った話は共感しかなかった」の下りだけで #SaaSデザイン アーカイブ見たいと思った。 だって、こういう場所に登壇する方ってスーパーすぎて近づき難い先入観があったので、一気に親近感と連帯感を持ってしまった。
— キャシ (@UIAlchemist) November 26, 2022
デザイナーをやめるじゃないけど、エンジニアを一時期やめようと思ったことはある。軸を変えてみるっていうのは納得。自分も軸を変えた。変えてみて見える景色は変わるし、発見が変わるからモチベーションも変わる。領域も広がる。いいことが多い。#SaaSデザイン
— づっきー (@tsuzuki2525) November 26, 2022
デザイナー1人になった時のやばさと現実、デザイナーを辞めようと思ったというお話、分かりすぎてめちゃくちゃうなずいてしまった。
— そら (@4A58To9pzTbPyDs) November 26, 2022
こういう話、学生の頃にも聞きたかったなぁ〜
#SaaSデザイン
昨日、駆け込み倍速視聴したんだけど、ちょうどエンジニアさんとお仕事させて貰ってて、コミュニケーションの参考になったり、問題定義よりアイデアから発生したプロダクトの方が成功するって話だったり、デザイナー辞めようと思った話だったり。
— みぽち|Webデザイナー (@mipochi34) November 27, 2022
勇気もらえたりしてすごい良かった👏#SaaSデザイン
最後に
今回のセッションは、過去の自分に対するメッセージでもありました。
過去の自分に知らせたいことや言葉をこうして言語化する機会をくださったカンファレンス関係者のみなさんには本当に感謝しています。
そして今回登壇をしてみて、やはり今活躍をしている方々もどこかでデザイナーのキャリアに迷われてきたことや辞めようと思った時期があったことを改めて知りました。
そこから抜け出せるかどうかは、極端な話「運」次第というところも多分にあると思います。
ただ、そういった状況の中にいる自分を、外から見ることで捉え方が変わったりそれまで考えられなかった選択肢を持つことも可能になると思うので、身近な人へ気持ちを話したり、キャリアコーチングや転職エージェントの方へ気軽に相談をしてみたり、そういった機会を苦しい時こそとってみてください。
To All Designers.
私が所属するGoodpatchやOnnでは各職種を募集しております🙌
ご興味がある方は以下のページからご応募いただくか、國光のTwitter等のDMからお声がけください!
記事を最後まで読んでくださってありがとうございます。とても嬉しいです!