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多文化教養演習:見・聞・知@台湾 (国立台湾大学Spring+ Program)

こんにちは、Gappyです。
2024年3月、京都大学の短期留学プログラム「多文化教養演習:見・聞・知@台湾」を通じて国立台湾大学Spring+ Programに参加してきましたので、それの振り返りをしたいと思います。
参加を検討している人はもちろん、種類問わず海外留学を検討している人、台湾旅行に行きたい人の参考になれば嬉しいです。
(基本的に京大生に向けて書いていますが、所属が異なる場合でもある程度参考になると思います。)

※本ページは京都大学、国立台湾大学、およびそれらの周辺機関の承認を受けたものではありません。また、本ページの内容は2024年3月までの情報に基づいているため、実際の状況をよく確認してください。本ページの情報を元に行動した結果生じた損害や問題について、一切の責任を負いません。

国立台湾大学の学生証
悠遊卡(交通系IC)内蔵

そもそも編

「多文化教養演習:見・聞・知@台湾」は、京都大学が後期集中講義として行なっている短期留学プログラムです。台湾にある国立台湾大学(NTU)のSpring+ Programに参加し、中国語と台湾の文化や社会について学習します。それと別で、NTUの学生と京大生で共同セミナーも行います(京大のみ)。NTUからは3単位を貰えますが、京都大学では2単位だけキャリア郡科目として単位認定されます(減ってないか?)。
京都大学からの派遣は授業料が無料です。渡航費や宿泊費、食費などは自己負担です(日本円で30万円程度)。
京大から派遣の場合、ざっくりとした要項やスケジュールは以下の通りです(KULASISで最新情報を確認してください!)。

2023年度の募集要項(一部)
最新の情報はKULASISで確認してください

11月 プログラム申し込み
12月 京大での面接、合格者オリエンテーション
2月 語学授業(10時間)・共同セミナーの準備(2時間)
3月 渡航 3週間のプログラム
帰国後 報告会、報告書の提出

準備編

各種手続について

まずは京都大学の学内募集に応募します。
特に厳しい要件はないです。中国語の履修歴がなくても問題ないです。
学内選考を通過した後は、京都大学でのオリエンテーションおよびNTUへのプログラム申し込みがあります(京大やNTUから案内があります)。
その後、現地授業でのクラス分けのために、中国語の試験とNTUとのオンライン面接(中国語既習者のみ)がありました。中国語の試験はオンラインで難易度別に3段階あり、自分が好きなレベルのものを1つ(あるいは2つ、3つ)受けることができます。時間制限などは特にないので気楽に受けてください。NTUとの面接は全て中国語なのでかなり苦戦しました。私の前で受けていた人はペラペラだったのでかなり恥ずかしかったです(後日この方と仲良くなったのですが、台湾にかなりの期間住んでいたらしい。すごいね。)。

事前授業について(京大生向け)

春休みの10日間、昼休みの1時間を使って中国語を勉強します。中国語初学者と既習者の2グループにそれぞれTAさんがついてくれます。渡航後すぐに使えるような表現を教えてくださったのですごく役に立ちました。
また、初日と最終日には共同セミナーの準備があります。日本に関する英語のプレゼンテーションのテーマをここで決めてざっくりプレゼンを作りますが、そこまで気負わなくても大丈夫です。

渡航準備について

日本国籍であれば、台湾に短期滞在する際にビザは不要です(2024年3月現在、条件あり)。
諸々の手続き(保険とか)は、在籍大学や台湾大学からの案内に従っておけば問題ない(はず)です。

持ち物は以下のような感じです。

預け荷物
 衣類
 スーツ・ネクタイ
 タオル類
 ボストンバッグ
 洗濯ネット
 洗濯洗剤
 ハンガー・洗濯ピンチ・洗濯バサミ
 シャンプー・ボディソープ
 その他衛生用品

手荷物
 薄手の上着
 貴重品
 PC・iPad
 充電器類

お金は日本円で10万円程度を持っていき、現地で2万円ずつ両替しました。大学のすぐ近くにある台湾銀行で両替するのがおすすめです(パスポートを忘れないように!)。
現地はクレジットカードが使えないお店が多いです(百貨店などでは使える場所もありますが、基本現金払いだと考えておきましょう)。一方で電子マネー決済は広く浸透しており、日本人に馴染みがあるものだとLINE Payが使えるお店はかなり多かったです。

台湾と日本の時差は1時間、台湾の方が1時間遅れています。
通貨はニュー台湾ドル(TWD)で、1TWD=約4.7円(24’ 4/8)です。

NTU正門
大学はとても広いので地図アプリ必須

台湾編 -プログラム-

現地プログラム

NTU Spring+ 2024 programのスケジュール
渡航前にNTUから他の資料と一緒に送られてきます

平日の朝9時から12時まで中国語の授業です。初学者1クラスと既習者4クラス(レベル別)に既習者クラスであれば全て中国語で行う先生がほとんどだと思いますが、1週間もすれば慣れます。初学者であれば渡航前に拼音の発音方法と自分の名前くらいは勉強しておくとスムーズだと思います。プログラム期間中に中間試験期末試験及び期末報告(プレゼンテーション)があります。試験はクラスによって様々なので特に言及しません。期末報告では、中国語のみを用いて5分間のプレゼンテーションを行います。
ちなみに成績はきっちりつけられ、成績表も帰国後に送られてくるので試験に向けて頑張って勉強しましょう。

期末報告
台湾での3週間の生活についてプレゼンしました


午後は主に
 ・Tutor Station
 ・Cultural Lecture
 ・Cultural Acrivity
が行われます。どれも無い日は自由に行動できます。

Tutor Stationでは現地の学生スタッフが各クラスに割り当てられ、中国語や英語を用いて中国語学習をサポートしてくれます。私のクラスではレストランに連れていってもらったり、中国語でボードゲームをしたりしました。クラスによってかなり内容も違うようです。

大富翁(モノポリー)をしている様子
もちろん中国語なのでチューターさんが英語で説明してくれます

Cultural Lectureでは台湾の文化や社会に関する授業を英語で受けます。個人的には台湾茶の授業が1番面白かったです。授業後に英語もしくは中国語でレポートを書く必要があります。結構大変なので頑張りましょう。

台湾茶の授業
5種類のお茶を飲み比べてレポートにしました

Cultural Activityでは、台湾の文化を体験するということで書法体験や料理体験などを行いました。体験前はチューターの人が簡単なレクチャーをしてくれるので文化を学習することにもなります。ここではレポートを書くことはないです(ラッキー!)。

春聯を作りました
字が下手〜!

上の3つ以外にも、日によっては午後を丸々使って博物館や歴史街に行くCultural Tripに行くこともありました。また、どこかの1日で朝から晩まで少し離れたところへ行って文化体験を行うOne Day Tripがあります。私たちは宜蘭という台湾北東部にある街へ行きました。様々な面白い体験が出来て、とても良い思い出になりました。

宜蘭にある国立伝統芸術中心にて藍染体験
他にもしおり作りや香り袋作りなども選べます

共同セミナー(京大生向け)

京大からの派遣の場合、現地学生との共同セミナーがあります。事前授業で準備した英語のプレゼンをし、少しだけですが交流の時間がありました。英語のプレゼンでは日本の文化や政治について発表し、私は日本の食文化について簡単なプレゼンをしました。内容は事前準備で決めるのでそこまで心配しなくても大丈夫です。後日、食事会もあり、貴重な交流の機会になりました。

立法院見学(京大生向け(?))

京大OBのつてで、日本でいう国会にあたる立法院を見学させていただきました。
この日は議会の無い日だったので議場の中に入ることができました。
また、議員のオフィスを訪れて、秘書の方から台湾の政治についてお話を聞くことができました。滅多に無い機会だと思うので、京大から台湾に行く方はぜひ担当教員に相談してみてください。

実際の議席に座らせていただきました
前にあるのは投票装置です

台湾編 -日常生活・観光-

日常生活

今回はホテルではなく、大学の近くにあるシェアハウスに泊まっていました。
共用のキッチンやダイニングがあったので、そこでおしゃべりしたり、時間がある時にはご飯をみんなで作ったりもしました。
ご飯は、たまに自炊することもありましたがほとんど外食がメインで、滷肉飯牛肉麵蔥油餅蛋餅といった台湾料理を食べることが多かったです。
特に蛋餅はシェアハウスから大学の間にお店があったのでほぼ毎日食べてました。ちなみに帰国後に再現しているので、良かったらこのnoteをチェックしてみてください。

蛋餅と牛奶(ミルクティー)
台湾のご飯はとても安いです

大学までは徒歩で30分ほどで、バスやMRTを使えばもっと早いです。台湾のバスやMRTはとても安い(バスは15元、MRTは25元)ので、タクシーを使うことは一度もなかったです。
もし現地のSIMカードを購入して携帯電話番号を手に入れるのであれば、YouBikeというレンタル自転車もおすすめです。台湾の街中至る所にステーションがあるので、大学への行き来や、ちょっとしたお出かけなどで使えます(私は使っていないので詳細は分かりませんが……)。

観光

平日
平日であっても授業がない時間は自由に行動できるのでMRTやバスに乗って台北の街中を探索していました。中山中正紀念堂台北101士林夜市など定番の観光地は大体平日だけで十分に観光できるのでぜひ行ってみてください。
個人的にはMRT紅線の台大醫院駅からすぐにある国立台湾博物館がおすすめです。ゆっくり見ていると意外と時間がかかるので、ゆとりのある時にぜひ行ってみてください。
また、おすすめしなくても行くことになると思いますが、スーパー(全聯家樂福)は日本で見かけないような食べ物や飲み物を買うことができるのでおすすめです。ちょっとしたお土産を探すのにも最適です。

台北101
展望台もありますが、下からでも圧巻です
国立台湾博物館

週末
週末は丸一日自由に行動できるので少し遠出しました。
一部ですが紹介します。

十分・猴・九份
台北の中心部から台湾鉄路に乗って1時間半ほどで行ける街です。十分では台湾最大の滝である十分瀑布を見にいったり、ランタンを上げたりしました。九份では夜景を見たり食べ歩きしたりしました。また、十分から九份へ行く途中にある、猫の村と呼ばれる猴硐にも立ち寄りました。

十分瀑布
九份の夜景

高雄
台湾の南部にある都市で、台北から高鐵(日本でいう新幹線)に乗って2時間ほどかかります。この日は3月中旬にもかかわらず30℃近くととても暑かったので、ビーチを散歩したりかき氷を食べたりと、半ばリゾート気分で観光していました。海に面しているということもあって海鮮料理の店がとても多く、私たちが訪れたお店ではとても豪華な料理をリーズナブルな価格でいただくことができました。

高雄で食べたかき氷
マンゴーの季節はもう少し先らしい

猫空
台北郊外にある観光地で、お茶が有名です。山の上にあるのでそこまでロープウェイで行きました。床が透明なクリスタルキャビンと普通のキャビンがありますが、クリスタルキャビンは高いところが苦手だとすごく怖いかもしれません。お茶屋では、本格的な茶器で台湾茶を淹れることができます。とても香り高くて美味しいのでぜひ行ってみてください。

猫空ロープウェイ
クリスタルキャビンに乗りました

あと遠出というわけではないのですが台北で長跑(清代以降の中国民族衣装)をレンタルして散策したりもしました。

短期留学をおすすめするワケ

自分がこの短期留学を強くおすすめする理由は、ひとえに私がそこでなにものにも代えがたい体験ができたことにあります。少しだけでも中国語が通じるようになったこと、日本では体験できない文化に触れることができたこと、たくさんの友人ができ、そこから今まで触れることのなかったような考え方に触れたり、新しい刺激をもらったりしたこと、その全部が私にとって本当にかけがいのない経験になりました。帰国後もはるばる京都まで遊びにきてくれた友人もいます。数ヶ月が経った今でも台湾のことを思い出して懐かしくなります。3週間も共同生活を送ることなんて普通の生活では難しいと思うし、だからこそ、たった3週間だけでも親密な関係を築けたのだと思います。
また、長期留学は短期留学に比べて費用がかさむ上、学生の場合は修了年数も現実的な問題としてあります。短期留学であれば、卒業年数に影響を与えることなく、費用も抑えながら貴重な経験ができます。
それと、ここまでは前向きなことを書いていますが、滞在中は英語力の無さに困ることが多くあり、それに気づけたのも大きな学びだったと思います。周りのみんなは英語を(人によっては中国語も)ペラペラに話すので、すごくコンプレックスに感じることもありました。もちろん旅行だったら困ることがないレベルでは話せますが、やはり留学となるとそのレベルだと円滑なコミュニケーションは難しいんだと感じさせられました。帰国後は反省して、英語コミュニケーションを勉強しています。とはいえ、今どきは翻訳アプリなども普及していますし、京大から行くのであれば周りに1人くらいは英語が堪能な人がいるはずです。怖がる必要はありません。
留学に興味はあるけどいきなり長期は不安だと考えている人や、お金が足りないから長期留学には行けない人はぜひ短期留学を検討してみてください。きっと貴重な経験になるはずです。

いかがだったでしょうか。
少しでも短期留学に興味を持っていただいけたなら幸いです。
質問などあればコメントしてくだされば回答できる範囲で答えます。

それではまた。

外部リンク

京都大学 >海外留学を希望する京大生へ

KUASU >国立台湾大学スプリングスクール報告書

京大生協留学生委員会(KUISC) -Linktree
(国際交流のイベントを開催しています)

NTU Plus Academy

NTU Plus Academy -Instagram

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