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あなたの日常は誰かにとっての非日常なのかもしれない

先日、4年ぶりに帰省しました。実家は愛媛県の南予地方にあり、今の住まいからドアtoドアでたっぷり5時間以上かかる場所にあります。

松山空港からの道すがら下灘駅に立ち寄りました。海と空に浮かぶような無人駅。天候もよく、とてもきれいでした。本記事の見出し画像は私が撮影した下灘駅の写真です。

下灘駅はアニメ「境界の彼方」などに登場したこともあり、人気の観光スポットになっています。両親によると人がいない日はほとんどないとのことで、側を通るたびに「今日も人がいるな」と思うのだそう。

そんな話をしていたとき、ぼそっと父親がこういったのです。

「みんな、ただ座って海を眺めるんやと。何がええんやろうなぁ」

ここでハッとしました。
両親にとってはありふれた風景でしかなく日常的であることに。
そして、私も半分程度はその気持もわかってしまったのです。さっきまで非日常的だと思っていたのに。

私の実家は大洲市という盆地にあり、下灘とは随分違う風景の中で育ちました。しかし、幼少の頃に父が松山の病院に入院していたこともあり、母親と一緒に汽車で松山まで通ったことがありました。電車ではなくディーゼル列車であるため、今も地元では「汽車」と言います。

当時は海側の鉄道ルートしかなかったので松山に行くのに2時間以上もかかり、とても疲れた記憶があります。そして、そのときに幾度となく通過した駅が下灘駅でした。

両親と会話しながらこうしたことがまざまざと蘇ってきました。

もし、私が地元にいたままであれば、下灘駅の風景はより日常的に感じたことでしょう。逆に言えば、現在はこの風景が非日常的に思えるような生活を送っているということになります。

眼の前に広がる日常は誰かにとっての非日常なのかもしれない。
そんなことを思い実家を後にしました。


この話はビジネスにも関係するのではないかと思います。

わかりやすいところだと、下灘駅のような観光スポットはその場所を訪れたことのない方にとって非日常的で魅力的な場所になります。

また、私が携わっているデータサイエンティスト的な仕事は、データ分析が日常的なチームにとっては当たり前の仕事でむしろ地道なものですが、外から見ると特殊に見えるかもしれません。

私は会社員を辞めて独立しようとしていますが、会社の中の人から見ると非日常的ではあり、フリーランスの方から見ると日常です。

この当たり前とも言える対比にこそ、ビジネスの機会があり、また個々人が個性を発揮できる機会があるのではないでしょうか。これは、自分が弱点だと思っていることを強みに転換する術だとも思います。


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