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noteを書いて得られたもの。

noteをはじめて3年と4ヶ月が経ちました。
最近は週に1-2記事のペースでnoteを書いていて、10月11日までに54記事を投稿しました。非常にのんびりしたペースとなっていますが、User Localさんのサイトをみると9月下旬からフォロワーが増えていることが分かりました。みなさん、ありがとうございます!

過去にBlogに手を出したことも何度かあったのですが、大抵は半年程度でやめてしまっていました。しかし、noteは不思議と継続できています。その理由は自分自身に良い影響があったからだと思います。

ということで、この記事ではこれまでのnote生活を振り返りつつ、得られたことを書いてみたいと思います。


アイデアを共有する場としてはじめる

noteを書きはじめたきっかけは何だったろうかと思い、一番初めの投稿を読み返してみると、こんなことが書いてありました。Twitterがきっかけだったのですね。すっかり忘れていました。

noteをはじめようと思ったのは、Twitter(@ku2p)がきっかけです。
思っていること、チームメンバーに伝えたいこと、暗黙知やアイデア。
2020年に入ってから、こういったことを整理するためにツイートしてみました。そうすると、いろいろと自分の考えが整理されるだけでなく、緩やかなフィードバックもいただくことになりました。

ツイートは140文字で、付箋メモのようなものです。しかし、あるとき、あるツイートと別のツイートが繋がるような気がしました。点と点が繋がるような感じで。これをどこかにまとめたいと思い、noteに整理することにしました。

はじめまして。|武田邦敬|Kunihiro TAKEDA

noteは自分の持つ暗黙知やアイデアを残し、共有するための場。
このコンセプトは今も変えていませんが、読み手はどんどん変わってきているように思います。

書きはじめたころはこっそり書くという感じで、私と似た境遇にある人に届けばいいなと思っていた程度。なので、自分自身のデコボコしたキャリアをお伝えしながら、ホソボソと書いていたのです。

プチバズにビビりまくる

ところが、noteをはじめて7番目に書いた記事がプチバズってしまい、大いに慌てることになりました。こちらの記事です。

この記事を書いた時点でフォロワー数は10人程度だったと思います。しかし、Twitterで記事を共有したところ、データサイエンス界隈のインフルエンサー的な方にリツイートいただいたことをきっかけに、Twitterの通知が鳴りやまなくなりました。

超絶マニアックかつ2万字もある記事だし知り合いしか読まないだろうと思っていたので驚くとともに、Twitterの拡散力を実感した出来事でした。ブクマでも600人が登録してくださいました。

フォロワーが多い方は日常的なアクセス数だと思います。しかし、私の場合、知る人ぞ知るというか誰も存在を知らないアカウントだったので、いきなり普段の100倍近いアクセスがきて本当にびっくりしたのです。

Twitterに投稿して数時間後には、恐怖におびえているほどでした。あくまで個人的な経験を書いたものだったので間違っていたらどうしようとか、身バレしたらどうしようとか。当時はTwitterもnoteも匿名でやっていたので、大いにビビりました。

何を書いたらよいかわからなくなる

こんな風にビギナーズラックと呼ぶべきうれしい事態になったわけですが、逆にそれ自体にとらわれてしまい、noteを上手く書けなくなりました。エディタを開いてもぜんぜん指が進まないのです。この停滞期は凡そ1年にわたって続きました。(月間投稿数の図もご覧ください)

プチバズに乗じて関連記事をガシガシ投稿しつつフォロワーを増やす工夫をすれば、波に乗れたのかもしれません。しかし、どうにも手が動かなくなってしまいました。

「伝えたい」を軸に再出発

プチバズから1年後、突如として「伝えたい!」と思うことが湧き上がってきました。何を伝えたかったというと、人事データ分析、ピープルアナリティクスに関することです。

当時、仕事でピープルアナリティクスビジネスが軌道に乗り始めた時期だったのですが、国内では新しい分野ということもありクライアントも私のチームも試行錯誤状態でした。そこで、それまでの数年間の経験を凝縮して記事にし、仕事で活用していったのです。

これらの記事は特に社内のピープルアナリティクスチームの方々に読まれていました。また、これらを下敷きにデータドリブン研修を実施したこともあり、本業とnoteががっちりとリンクしはじめたのを実感しました。

こうした記事を書く中で、自分自身のノウハウやアイデアを整理できたことが大きかったと思います。まさにアウトプット型学習です。これはnoteを書く上で得たことの一つです。

自分自身と対話する

その後、人事データ分析を中心に記事を書きつつ、自分自身のキャリアや趣味的な記事も投稿するようになりました。例えば、ITとの馴れ初めを記事にしたこともあります。

こうした記事は自己表現的ですが、自分自身と対話するための書き物ともいえます。実際、2021年の夏ごろからキャリアについて悩み始めていたので、振り返り系の記事が少し増えていきました。

実際に自分史的な記事を書いてみると今の状況を客観的に見ることができました。また、それと同時に、文章のあちこちに「自分の本音」が見え隠れするようになり、貴重な時間であったと思います。

書くことによって自分を見つめ直すというテクニックは、古くから言われてきたことでもあります。それをあえてnoteでやる必要があるのか?というと、人それぞれでしょう。私の場合、エディタの書きやすさ、適度なパブリック感、お題目のヒントがあるなど自分に合っていたのだと思います。

再びの沈黙

このように順調にnote生活を楽しんでいたわけですが、2023年3月から再び沈黙の時期に突入してしまいました。このころ、社内でのポジションが変わり、キャリアの悩みが爆発した状況でした。ポジションは上がれど中身は伴わず、内向きの仕事が増えていく中でやりがいも先行きも見通せなくなっていたのです。

当時、私のnoteは大別してノウハウ共有と自己表現に分けられました。

ノウハウ共有は部下やクライアントなどをペルソナとしたもので、概ね具体的なテーマを持っていました。そしてその多くは、仕事で聞かれたことや気づいたことをネタにしていたのですが、2023年度のポジション変更によってこうした気づきを得る環境を失ってしまいました。

一方、自己表現は振り返りをベースとしたものでしたが、こちらは自分自身が多少なりとも元気でなければ書くことができません。たとえば、私はしばしば中年の危機やリスキリングを取り上げてきましたが、それらは不安の中にも期待や希望をもって見ることができたからこそ書けたのだと痛感しました。

この沈黙の期間はnoteに記事を書かない代わりに、手書きのノートに様々なことを殴り書きしていました。混乱を象徴したものではありますが、次のステップに向けて必要な時間だったと今は思います。

「好き」を軸に再々出発

モヤモヤし続けた時期を通り抜けた2023年6月、ついにキャリア上の重要な決断をしました。それは20年勤めた会社を辞めて独立を目指すというもの。この決断については別に書きたいと思いますが、そのデイワンは恐怖に満ちたものでもありました。リンダ・ロッテンバーグの言ったことは正しかったのだ、と思いました。

「アントレプレナーになるための第1歩は、研究室や会議室やピッチ・セッションで始まるのではない」ということだ。その1歩は頭の中で始まる。しかも、アイデアが突然ひらめいたり、アハ体験をしたりする頭の部分ではない。それは闇が宿り、不信や疑念が叫び声を上げる部分である。家賃やローンや子どもの教育費を心配しはじめる部分だ。

出典: THINK WILD,リンダ・ロッテンバーグ著,ダイヤモンド社

この決断によって私を取り巻く状況が大きく変わりました。すぐに環境が変わったわけではないのですが、自分自身の認識が変わったのです。何もかも手探りでよくわからない日々を送りつつ、その一方で「ただの中年オヤジ」という事実を痛いほど実感していました。

そんな不安と期待が入り混じった2023年の夏、再びnoteを書いてみようとキーボードを打ち始めました。選んだテーマはChromebook。自分が好きで興味があることの一つでした。

この記事に対してどの程度需要があるかわかりませんでしたが、とにかく書いてみたのです。結果、とても楽しんで書くことができました。また、ハッシュタグに「フリーランス」を入れたのも初めてのことで、これからの道を静かに明示したものでもありました。

自分を主題にして社会と接点を持つこと

こうして「好き」を軸にして何とかnoteに復帰することができたわけですが、自分自身にとっても大きな効用がありました。

それは、ゆるやかに社会と接点を持てるということです。自分の考えやアイデアを主題にしながら。これは「好き」と「伝えたい」の両面があってこそ成り立つものだと考えています。

自分しか見ない紙のノートに書くのと違ってnoteはインターネットで不特定多数の方に見られる可能性があります。しかし、所かまわずブロードキャストするようなものでもない。その巧妙なポジションが書き手を解放してくれるのではないかと思います。その結果として、ゆるやかに社会と接点を持つことにつながるのでしょう。

ということで、私はnoteによってゆるやかな社会との接点を得ることができたと考えています。今後も自然体で続けていきます。


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