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ビジネスのためのIT活用という視点

私がITに興味を持ったのは幼少期のころでした。家に転がっていたPC雑誌を見たのがきっかけで、内容はさっぱりわからないながらも魅惑的なデザインのマシンたちと画面に魅入られてしまったのでした。

このエピソードから凡そ20年後、私はITベンダーでSE職としてIT業界に入り、紆余曲折を経て今に至ります。

考えてみると、形を変えながらも40年前に興味を持った分野に今も居続けているわけで、それはとても幸せなことだと思います。

この足取りについては何度かnoteに書いています。

IT職業生活の中で、私は様々な職種を経験してきました。 アプリSEから始まり、開発PM、PdM、プリセールス、データサイエンティスト、技術コンサル、マネジャー、社内アドバイザリ。

基本的には自分自身の興味関心を元に機会を捉えてチャレンジしてきた感じですが、組織の要請に基づくケースもありました。こうした経験を一つの会社の中で経験できたというのも幸運だったと思います。

さて、この雑多な経験の中で私自身が大切にしてきたことがあります。それは、「ITはビジネスの役に立ってこそ価値がある」という考えです。
信念といってよいかもしれません。

確かにITはそれ自体に魅力があることは否定できません。新しい技術やアプローチが出てくると今でもワクワクします。そもそも私がアプリ開発からデータサイエンスの世界に飛び込んだきっかけも好奇心からでした。

その一方で、技術それ自体の開発や特定技術の利用を前提とするプロジェクトにはあまり魅力を感じてきませんでした。実際、こうした活動は上手くいかないことが多かったように思います。

純粋な基礎研究を除き、少なくともビジネスの場においては技術は仕事につかえてナンボではないでしょうか。一言でいうと私は研究者よりもエンジニアなのでしょう。

よいパソコン、悪いパソコン

考えてみると、幼少期にPC雑誌を見て興味を持ったのは「なんかすごいことがいろいろできそう!!」と感じたからでした。

装置の複雑さも去ることながら、それがもたらす何かに夢をみたのですね。

この嗜好性はその後も変わらず、アプリケーションに関心が向かっていきました。それを後押ししたのは間違いなく以下の本です。

古き良きパソコン多様化の時代を象徴するシリーズで、父・兄とともに恭しく読んでいた記憶があります。

当時は小学生でしたのでよくわからないことも多かったのですが、「コンピューター、ソフトがなければただの箱」という標語はよく覚えています。

こうした刷り込みによりアプリケーション、つまりは応用志向が強まっていったわけです。そして、ネットワークやインフラよりも実際に動いて人の役に立つものの開発を目指して職業を選択することになりました。

こうした背景があり、私はITが好きではありますが、応用できてこそ価値があるという考えを持っています。

ホワイトスペースの誘惑

その一方で、技術活用のホワイトスペースを発見することも好きで、デジタル化ができていない業務やデータドリブンアプローチの展開に今も携わっています。

ホワイトスペースを発見しITによってインパクトのある成果が得られることほど面白いことはないと思います。それは、何となく幼少期に見たPC雑誌のワクワク感を思わせるからかもしれません。

しかし、こうした活動には注意が必要であることも事実です。注意深くやらないと、技術活用の理由付けに利用されてしまいます。しばしば見られる現象ですが、おおよそ上手くいきません。これら二つの方向性は一見似ている部分もあるので、注意する必要があります。

ビジネス志向へのヒント

技術志向からビジネス志向に転換するための一つの工夫として、自分自身へ問いかけてみるという手もあります。

エンジニアはその技術をもってビジネスに役立てることが求められます。また、データ分析者は社内または社外のクライアントのビジネス的な問いに答えて意思決定に役立てていただくことが重要です。

これを達成するには、ビジネスと技術の両面に関心を持ちながら、接点を上手く見出していくことが始まりになるでしょう。

これを支えるためのマインドセットとして、ビジネスのために技術を活用するという視点が大切ではないかと考えています。
これはなかなか難しい点ですが私にとってはやり甲斐もあることなので、今も続けているのでしょう。

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