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データ分析・機械学習タスクの問題設定力を高める30の問い。

データ分析や機械学習のタスクでは問題設定が重要かつ面白いところだと考えています。以前の記事に書いたように、問題設定はビジネスと技術と言う異質なものの接点を見つけるプロセスであり、暗黙的なノウハウが必要になります。

問題設定ではクライアントとの会話の中で解くべき問題を発見することが何よりも重要です。ひとたび問題が発見されれば、データ分析の実験デザインなどに落とし込めるようになります。例えば、以前紹介したフレームを使って整理することも可能です。

この問題設定というプロセスは技術者としてやりがいがあるものだと考えています。その一方で、「どうすれば問題を発見できるのか」「問題設定ができるようになるためにはどうすればよいか」という質問をいただくことが増えてきました。なかなか難問です。

自分自身が問題設定をやっている場面を思い起こしてみると、たくさんの「問い」を頭に浮かべていることに気づきました。上手く問題を引き出せた場面では、そこに行きつくまでに多くの会話がなされていました。そして、その会話を有機的につないでいるのは質問だったと思うのです。

ということで、問題設定においては自分自身やクライアントに投げかける問いこそが重要ではないかと思いつき、言語化してみました。今はまだざっと洗い出したところですので十分に整理されていませんが、防備のためにもnoteに残してみます。
(会話の中で必要に応じてアレンジ・選択していく必要があるものですが、チェックリストとして活用できるほど洗練されておりません。)

あくまで個人的な経験に基づくものですので、行間も広く網羅性に欠けると思いますがご容赦ください。

目の前に提示された問題の断片から背景を探るための問い。

(1)なぜ、その問題を解くことが必要なのだろうか。
あるいは、今の話題はなぜ提示されたのだろうか。

(2)その問題や話題はビジネス全体の中でどの部分に位置するだろうか。

(3)その問題を解くとどのような良いことがあるのだろうか。
その問題を解くとどのくらいのインパクトがあるのだろうか。

(4)なぜ、今までその問題が放っておかれたのだろうか。
技術的な問題だろうか。それともコストやプロセスの問題だろうか。もしかすると最近発見されたのかもしれないし、誰かの思いつきかもしれない。

(5)現在はどのようにその業務や意思決定プロセスを回しているのだろうか。

(6)それは誰が、いつ、どのくらいの時間をかけて実施しているのだろうか。

(7)もしその問題を解いたとしたら、今の仕事は完全なものになるのだろうか。それとも別の問題は潜んでいないだろか。

(8)現時点でその問題を解く鍵をクライアントがもっていないだろうか。
もしあるとすればどのようなものだろうか。

(9)その問題が発生するのはなぜなのだろうか。
どのようなプロセスが前後にあるのだろうか。あるいは何かが不足しているのだろうか。

議論している内容と組織の関係を探るための問い。

(10)今議論をしている仕事は、組織のミッションや重点施策とどのような関係にあるのだろうか。

(11)その仕事における主要課題や目的は何だろうか。

(12)今はどの程度目的を達成しているのだろうか。達成できていないとしたら、どのような問題を抱えているのだろうか。

(13)その仕事を進めるにあたって、今現在は誰がどのような情報をもとにプロセスを進めているのだろうか。

(14)その仕事で重要な意思決定をしているのは誰だろうか。あるいはステークホルダーは誰だろうか。

(15)その仕事を進める上でポイントとなることは何だろうか。
先に提示された問題はポイントを外していないだろうか。

(16)今議論している問題は経営上どのようなインパクトがあるものだろうか。経営者にとって優先課題と言えるだろうか。

真の顧客・エンドユーザーを考えるための問い。

(17)今議論している仕事は誰のためにやっているのだろうか。
もしくは、誰に向けたサービスなのだろうか。
もしくは、誰からの依頼の元で実施されているのだろうか。

(18)今議論している仕事の顧客やクライアントにとって、その問題を解決することはどのようなメリットがあるのだろうか。

(19)今議論している仕事の顧客やクライアントが抱える課題は何だろうか。
その顧客やクライアントはなぜそのサービスを買うのだろうか。

(20)その顧客が課題を解決するときには、いつのそのサービスを使うのだろうか。それとも他に代替手段はないのだろうか。

(21)その顧客は今議論している仕事やサービス全体のターゲット領域の中で、どの程度を占めるのだろうか。

問題解決アプローチを促すための問い。

(22)データ分析・機械学習技術を利用してどのような解決ができるだろうか。そもそもITで解決できる話だろうか。

(23)もしその問題に対して、データ分析や機械学習技術を使わず解決するとしたら、どのような方法があるだろうか。ルールベースで解けないだろうか。

(24)もしその問題を人手で解決するとしたら、どのような方法があるだろうか。もしくはそれをすでに解いているプロダクトはないだろうか。

(25)その問題やそのビジネス背景と似た話はないだろうか。
もし似たような話があったとしたら、どのように問題を解いているだろうか。

(26)その問題はいつも同じような解き方で解けるのだろうか。
もしその問題に対して何らかの技術を適用した場合、どのようなメンテナンスが必要になるだろうか。

(27)その問題を含むビジネスプロセスを回するために、今はどのようなデータ(情報)を用いているのだろうか。あるいは、どのようなデータ(情報)を用いて意思決定をしているのだろうか。

(28)今から取り組むプロセスや作業はどのような難易度なのだろうか。その仕事に100人携わったとして、100人とも同じアウトプットになるものだろうか。それとも100人中80人程度は質が揃うようなものだろうか。それとも全員が異なる答えを出すようものだろうか。

(29)意思決定支援の場合、もし今の仮説を検証し終わったとしたとき、クライアントは次にどのようなアクションをとるのだろうか。

(30)プロセス改善の場合、もし問題を解決できる技術アプローチが見つかったとしたら、どのような形でデリバリーすべきだろうか。


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