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海外デザインアワード、英語どうするの?!

英語ペラペラのバイリンガルなデザイナーさん、この記事は読む必要ありません。海外のデザインアワードに応募するとき、障害になるのは、言葉の壁。国際デザインアワードの募集要綱は全て英語、応募登録時の必要事項入力も英語、作品の説明文も英語、そして受賞した場合のお知らせメールや授賞式も当然英語。(一部の海外デザインアワードでは日本語の募集要綱が用意されてる場合もある)

私は高校のときから英語力が止まっていたので非常に苦労した。(今も苦労してます)

ではその壁をどう乗り越えるのか?

各段階ごとに私が実践してきた方法は以下の通り。

①募集要綱を読む

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まず応募するデザインアワードのホームページで募集要綱を読む。募集条件、必要な資料は何か?登録料はいくらかかるのか?

Googleなどの自動翻訳、これらは正確に訳せないのであまり役に立たなかった。使えるのはオンライン辞書。募集サイトの分からない単語を片っぱしからオンライン辞書にコピペ検索。

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国際的なデザインアワードは、応募者にとって英語が第二言語であることを想定しているため、ほとんどの場合、難解な英文はない。単語の意味さえ分かれば文章の意味もだいたい分かり、なんとかなる。

②作品の説明文を英語にする

応募する際、作品の説明文などを英語で入力する。これもGoogle翻訳など自動翻訳は1000%まともな文にならない。文字数制限・単語数制限の調整も難しく、自分で辞書を引きながら説明文を組み立てるのもハードルが高い。私がよく利用していたのはオンライン翻訳サービス。コンピューターによる自動翻訳ではなく、実際の翻訳者にオンラインで翻訳を依頼するサービス。ググると色んなサイトがこの翻訳サービスを提供している。値段もクオリティもピンキリ、中には文字数制限に合わせて文章を調節してくれるありがたいサービスもある。安いものは翻訳クオリティが低く、高いものは契約書作成レベルのものまで。私は一回2000円〜3000円前後のサービスを利用していた。専門用語などちゃんと翻訳できているか少し不安はあるものの、多少説明文がおかしくても特段問題はない。賞の審査にはさほど影響しない。

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③アワード運営者からのメール

これもオンライン辞書を引けばなんとかなる。イタリアのA’Design Awardからのメールは長文すぎて嫌になるが。。。

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また、受賞の知らせなどもEメールで届く。受賞者発表URLや授賞式の案内などが書いてあり、場合によっては「正式な受賞者発表がある○月○日〇時まで発表してはいけません」と書かれていることもあるので注意が必要。

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↑ちなみにこちらは先日パリのデザインアワードから届いた受賞を知らせるメール。新型コロナの影響で授賞式を開けるかどうかわからない、ということが書いてある。わからない単語があれば、それだけ辞書で調べてすぐ理解できるレベルの英文。

授賞式

セレモニーも当然全て英語で行われる。しかし自分の名前を呼ばれれば登壇すればいいだけ。ステージの画面に自分の作品が映し出されて紹介されるケースがほとんどなので、アナウンスを良く聞いていれば大丈夫。ちなみに授賞式の渡航費・滞在費などは全て自己負担。

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名前を呼ばれれば登壇して審査員から賞状を受け取り、その場で記念撮影する。これを流れ作業のように繰り返す。撮影された写真は後日送られてくるので、この写真を自身のホームページやSNSなどでセルフプロモーションに使う。

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たくさんの受賞者に賞状をわたしていくため、個別にコメントを求められることはないが、そのアワードの最高ランクの賞を獲ったときなどはマイクを向けられることもある。

授賞式に行けないとき

授賞式に参加できないときは賞状や受賞者年鑑などの受賞者キットを送付してくれる。輸送代は受賞者負担。

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英語によるプレゼンが必要なとき

WAF・INSIDE・FRAME AWARDS など、ファイナリストになると決勝戦でプレゼンして勝者を決めるアワードもある。

↓ WAF シンガポール大会でのプレゼン 動画↓

プレゼン

WAF(World Architecture Festival) の場合は10分間のプレゼンの後に8分間の質疑応答。プレゼンは暗記してしまえばなんとかなるが、質疑応答はそうもいかないので、自分の力だけで乗り切るのは不可能だった。というわけで初めてのプレゼンは英語のできる友人に同行してもらい、質疑応答は通訳をしてもらった。プレゼン制作は日本語で作った後に翻訳するが、これはオンライン翻訳サービスに依頼するのは難しい。プレゼンの画像に合わせて説明するため、テキストのやりとりだけではプレゼンで伝えたいことが理解できないためだ。プレゼンで使用する画像資料などをもとに打ち合わせをしながら翻訳を進める必要がある。自分の場合はある程度自分で辞書を引きながら英文を作った後、自然な表現になるよう英語のできる友人に手直しをお願いした。翻訳できた台本を時間を計りながら読み、制限時間内に終わるか確認する。時間オーバーする場合は短縮するために表現を調整する。台本が完成すると、あとはまる暗記するだけ。自分の場合は10分間のプレゼンを暗記するのに1ヶ月かかった。カンペを持ってプレゼンしても問題無いが、カンペ無しの方がカッコいいので丸暗記した。

外国人スタッフを迎え入れる

つたない英語でいろいろと挑戦していると、英語の勉強にはなるが、かなり時間をとられてしまう。なので外国人スタッフがいれば横着できる。いくつか海外のデザインアワードを獲ったり、海外のメディアに出ると、そのうち毎日のように外国人からインターンの申し込みが来るようになる。海外からのインターン生を積極的に受け入れれば英語にかかる手間を省ける。完全他力本願(笑)

弊社では4年前にインターン生として日本に来た外国人のスタッフが今は正社員として働いており、海外アワードの応募、プレゼン作成、メール対応など全てお願いしている。(もちろん英語のために雇ったのではない。彼が有能だったから社員になってもらった)おかげで自分の英語力はみるみる低下している。

どうやって英語を学ぶ?

自分の場合は2014年、初めてWAF-INSIDE の決勝プレゼンに挑むことになった際に初めて英語の勉強を始めた。高校英語レベルからのスタート。色々と試した。

スピードラーニング?これは全然無理。聞くだけで身につくはずが無かった。そもそも洋楽好きだった自分は昔から英語の歌ばかり聴いているのに全く英語が身についていない。

単語帳?これもダメ。単語は実際に言葉として使いながら覚えないとすぐに忘れる。

英文を読む?そもそも日本語の本さえほとんど読まない自分には向いていなかった。

英会話教室?これもなかなか上達しなかった。週一回の授業では身につかない。

で、一番身に付いたと思うのがオンライン英会話。普通の英会話教室と同じか少し安いぐらいの費用で毎日授業を受けれる。やはり毎日やると身に付いてくる。これを三年ぐらい続けて、とりあえず1人で海外に行っても特に困ることはないレベルまでは話せるようになった。しかし耳が完全に日本人なので、ペラペラと早口で話されると(ネイティブが普通に話してても自分には早口言葉に聞こえる)全く聞き取れない。←今ココ

オンライン英会話 Native Campは1日何回でも授業を受けれる。

https://nativecamp.net/


最近オンライン英会話もさぼり気味、仕事での英語はスタッフに任せきり、なのでまたどんどん英語力は落ちてきている。。。結局一番英語力の向上につながったのはプレゼンの暗記だと思う。必要にせまられてやるのが一番効く。

ともあれ、英語が全くできなかった自分でも色んな海外アワードに応募し、賞を獲得することはできた。英語力に不安がある人も恐れず是非挑戦してほしい。

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