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植物肉クッキングに行って次世代の食事を体験してきた

海外では話題になっている人工肉・植物肉が食べられるイベントに参加させていただきました。当日の様子は以下の記事からも見れます。

イスラエルのフードテックスタートアップであるRilbiteが提供する植物肉を使って春巻きとスープを作りました。イスラエルがフードテックに力を入れていることは知りませんでした。

日経電子版の連載 #日経STORY でも連載が始まっていますが、植物肉市場は2040年頃には50兆円の市場にもなるという予測がでているようです。

市場が広がる要因

三井物産食料本部の赤尾さんが、植物肉市場の概要などの説明をいただきました。主に環境健康倫理の観点で注目が集まっているようです。

環境は、エコ人口増加による食料不足の観点の2つが中心のようです。日本は人口は減って行きますが、世界的にはどんどん人口は増えていきます。その中で、今までと同じように人類が動物からタンパク質を取ることが難しくなっていくのではないかという懸念があるようです。

そのため、生産するためにより低資源に生産できる植物や昆虫に注目が集まっているようです。

健康は、ベジタリアンやフレキシビリアン(偶には肉や魚も食べる)が増えているという点、特に日本においては2020年はオリンピックイヤーでもあるため、外国人向けに提供するようなことも想定されているようです。

今回利用する植物肉は、玉ねぎ、トマト、米、レンズ豆、天然スパイスの6種の素材から作られているようで、添加物は含まれていないとのことなので、健康面での不安はほぼなさそうです。

倫理は、上記同様人口が増えていくことで、そのままではより畜産の規模が大きく、かつサイクルが短くなっていくことで、食用とされる動物の数も増えることが予想されます。そういった面から動物愛護の観点で倫理が問われるということもあり得ると思います。ただし、この倫理面に関する課題がかなり難しい問題だと個人的には思っていて自分の中でも何か定まった考えがない状態です。

実際に調理してみる(春巻き&スープ)

通常の豚挽き肉と植物肉以外は全て同じ食材、同じ調理方法で2品調理します。同じ調理方法といっても厳密には少し違いがありました。

・植物肉には脂質がほぼ含まれていないため、油をしいて炒める
・植物肉は灰汁がほぼでない
・成形されているので挽き肉風にするには崩しながら調理する

植物肉は灰汁がでないのは楽で良い一方、焼く場合は油が必要なので植物性の油を使うのかどうかという選択があるかと思います。

春巻きの具材(オイスターソースベース)

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スープの具材(カレー粉とトマトベース)

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完成品(見た目の違いはほとんどない)

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今回春巻きスープの食材として使用しましたが、この食べ方は割と合っていて、どちらも美味しかったです。

・細かくしたりスープの具として使うことでぼそぼそ感を感じない
・香りが強めの調味料を使うことで豆の香りを抑えられる
・一転冷めると肉との違い(食感や風味)が顕著に感じてしまう

単に焼いてみたものも食べてみる

単に焼くだけだと最初の食感こそハンバーガーのパティそのものとは言え、噛んでいると肉との違いが段々と出てくるのを感じました。

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代替肉というと、海外ではハンバーガーのパテとして使われていることが多いように思いますが、個人的には焼いただけではパティとしては、何かが足りないなと思っていました。

そのため、さまざまな具材と一緒に食べられるハンバーガーや汁物との組み合わせがマッチしていると感じました。

ジューシーさが足りない?

何が足りないのかをいろいろ考えると、調理後に少し冷めた状態で食べたとき感じたのは、少しボソボソした食感だったので、脂がないという点をどうやって補うか、脂や水分を含めることで肉や果物のジューシーさを感じるのではないかと思いました。

また、日本でも日清食品ホールディングス株式会社(社長・CEO:安藤 宏基)と東京大学生産技術研究所の共同研究で牛肉本来の食感を再現できるような筋組織の開発が行われています。

食の国である日本ならではの柔軟な発想を活かして、美味しく食べられるような工夫がされることを期待しています。

植物肉の普及はするのか?

日経新聞がTwitterでアンケートを取った結果が記事になっていました。

これから日本でも間違いなく増えてくると思いますが、文化の違いもあるので、海外に比べて市場が大きくなる速さは緩やかなのではないかと思います。また、世界的に見ても植物肉というカテゴリー以外にも培養肉、人工肉、昆虫肉など様々な形で従来の肉とは違うタンパク質の摂取源として普及していくと思います。

人類の食への興味と環境や健康への課題をかけ合わせることで、まだまだ進化していく気配を感じました。

個人的にはPFCバランスを考慮した上で、1日の脂質を取りすぎているときに食べる選択肢としてはアリだと思いました(なので個人的には食べる理由は健康面によよるものが大きい)。


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Kei Tanahashi
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