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ふとん
2017年8月21日 04:28
重松清の描く物語は、毒だ。 小学五年生のとき、初めて読んだ子供向けでない小説が、重松清の『きみの友だち』だった。もう十年前になる。単行本の表紙は端っこがボロボロになっていた。 重松清は優しい言葉で、優しくない現実と向き合う人々を描く。その痛みの全てを経験したわけではないけれど、それぞれの主人公の痛みはどこか身に覚えのある痛みで、きっとこの感覚は私だけではないはずだ。 学校のクラスという