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プロ野球 ユニフォームランキング2022【前編】

先日、日本ハムが新ユニフォームを発表しました。これにより、12球団の2022年シーズンを戦うユニフォームが全て出揃うこととなりましたね。

そこで、お送りするのはこちらの企画。

どのチームのユニフォームが1番かっこいい?
「プロ野球 ユニフォームランキング2022」

はい。こちら、noteを始めた時から早くやりたくてやりたくて仕方がなかった企画でございます。
本来ならシーズン終了後にやるものであり、最低でもシーズン前半くらいまでは様子を見た方がいいのかもしれませんが、順位をつけることで早く思考を整理したいという思いと、単純にそんなに待ってられないという思いとがありまして、このタイミングでやらさせて頂くこととしました。

以下、注意事項となります。

  • 2022年シーズン使用のレギュラーユニフォームを、ホームとビジターのセットで評価します。

  • 特別ユニフォーム(イベント、サードなど)は原則評価対象外とします。

  • 評価基準については「こちら」を参照して頂ければと思います。

  • リーグ別ではなく12球団まとめてのランキングです。

  • 本来は一つの記事で1位〜12位まで発表したかったのですが、諸般の事情により前・後編に分けました(前編:12〜7位、後編:6〜1位)。

  • このランキングはあくまで私個人の独断と偏見とその時の気分によるものです。異なる意見についてはむしろ大歓迎でございます。

ちなみに、12位からのスタートとします。
では、行ってみましょう。

後編はこちら。

第12位

埼玉西武ライオンズ

引用:スポーツ報知西日本スポーツ

今回、残念ながら最下位となってしまったのは西武。

ホームユニフォーム
デザイン自体は秀逸ながら、やはり昇華プリント仕様というところで評価を下げています。
ただ「プリントだからだめ」という訳ではなく、問題なのはラケットライン。前立て部分をパリっと立たせるための補強材が由来であるという、ラケットラインの本来の意味を考えれば、昇華プリントでラケットラインを表現することの歪さ・可笑しさに気付くはず。

でも、結果こうなっているのは、単に刺繍時代のデザインをそのまんまトレースしただけだから、ということになりましょう。
それは、私の中では「デザイン」と呼べるものではないので、評価が下げざるを得ない。

ちなみに、私自身はライオンズブルー至上主義者という訳ではなく、レジェンドブルーそのものは悪くないと思っている派ですが、デザイン自体はこの形のまま(もちろん刺繍仕様に戻した上で)、ライオンズブルー時代の配色にアレンジしたものを一度見てみたいとは思います。

ビジターユニフォーム
上下セパレートタイプ+昇華プリント+グラデーション+切り返し」と、NPBのガラパゴス具合を象徴しているユニフォームです。
その上、「西鉄のブラック+西武のブルー+埼玉西武のレジェンドブルーのトリコロール」というコンセプトが前に出過ぎているという、私の好みとは完全に対極にいる存在です。

しかも、グラデーションなのは5億歩譲るとしても、そこに白を含めてしまっているせいで色褪せちゃった感が出てしまっています。
帽子&ヘルメットのツバにあしらわれた星も、ビジターユニフォームとしては相応しくない。
言葉を選ばずに言えば「ダサい」。個人的に、現行の24種類のユニフォームの中で唯一このユニフォームのみが「ダサい」と形容するに値すると思っています。

そもそも、サードユニフォームをそのままビジターユニフォームに登用するという手法についても思うところがあります。
レギュラーユニフォームと企画ユニフォームとでは、根本的な部分で「意味」が違うはずなんですが、それを一緒くたにしてしまうこのやり方はユニフォームのデザイン云々以前の問題だと思いますね。
「Saitama」ロゴを脇へ押しやってしまったことも罪深いと言えます(その「Saitama」ユニフォームもサード→ビジターという経歴の持ち主なので何とも言えませんが)。

余談ですが、もしビジターユニが「まとも」であれば、順位は3つか4つほど上がっていたと思います。ホームユニのデザイン自体は秀逸だと思っているので。逆に言えば、ビジターユニがどれほど酷いものであるかの証左になるかと。

第11位

北海道日本ハムファイターズ

引用:中日スポーツ日刊スポーツ

先日発表されたばかりの新ユニフォームですが、この順位。

ホームユニフォーム
日本ハムのユニフォームとしても、プロ野球のユニフォームとしても、どの角度から見ても違和感を禁じ得ないのが正直なところ。どんなに違和感のあるユニフォームでも大抵はある程度見慣れるんですが、このユニフォームに関しては毎回見る度に新鮮に違和感を抱ける自信があります。

新ブランドを堂々と謳うのであれば、いっそ左右非対称はやめるかもっとミニマルな要素で表現するかといった方向へ転換するなどした方が良かったのでは。どうにも足枷になっている感が強い。
その他、ロゴの視認性の低さなどいろいろな問題があるとしても、やはりこのブルーをメインカラーに据えたことが1番の問題点だと思いますね。帽子やアンダーシャツなどを黒にして、ロゴを黒や金で縁取ればまだ「日ハム感」を取り戻せるような気がします。

北海道初代こそが至高だと思っている身としては、初代→二代目→三代目とどんどん青の面積が広がるにつれてイマイチな印象になります。
ネット上では「西武っぽい」という声が多いですが、「西武っぽい」はプロ野球チームで例えているという意味でむしろ褒め言葉に類するのではないかと思います。とにかくプロ野球っぽくないというのが私の感想なので。

ただ、ロゴや番号が刺繍になっているという点で西武よりポイントが高くなりました。

ビジターユニフォーム
ビジターユニに関しては、ホームユニに比べてばまだ見てられるというか、見慣れる余地はあるかなという印象です。デザインとしての落ち着きがまだあるというか。

とは言え、やはりプロ野球っぽくないという印象には変わりなく、このブルーの色調がどうにも好きになれません。本来なら高得点の対象になるグレーパンツとの組み合わせのせいで、どこか地方の社会人野球チーム感が醸し出されています。

左右非対称を示す左側のラインについては、「これくらいの塩梅がちょうどいい」という思いと「もう少し上手くやれないものか」という思いの両方が混ざった感情を抱いています。ホームユニの方で指摘した「もっとミニマルな要素で表現する」という意味では、このラインはありだと思います。
しかし、ロゴや背ネームと被ってしまうことで、ただでさえ低いロゴや背ネームの視認性をさらに下げてしまっているという。

この事態は、シミュレーションや試作の段階で十分に避けられたことだと思いますね。ホームユニも含めて節々で「上手くなさ」が露呈してしまっているなぁ、と。
なお、ホームユニと同じくロゴや番号が刺繍になっているという点で西武よりポイントは高いです。

第10位

横浜DeNAベイスターズ

引用:スポニチアネックススポーツ報知

現行の「青いユニフォーム」の中では最も好きな青ですが、順位は伸びず。

ホームユニフォーム
ゴチャゴチャしたロゴと脇の切り返しのせいで、せっかくの綺麗な青を活かしきれていない、もったいないというのが正直な感想です。
ロゴは余計な色を使いすぎている上に、フルネームである必要はないだろうと思います。このゴチャゴチャ感のせいで非常に子供っぽいイメージを持ってしまいますね。

メインカラーの横浜ブルーと白のみで、シンプルに「BαyStars」と書いてあればそれでいいのではないでしょうか。後述するビジターユニが「Yokohama」ロゴのみということを考えると、百歩譲って小さく「DeNA」と入れることは許容範囲とも言えなくもありませんが。
脇の切り返しも、青系ピンストライプの持つせっかくの上品さを掻き消すノイズでしかありません。ピンストライプを基調とするのであれば、その他の要素は出来るだけ入れず、なるべくシンプルに、というのが私の好みです。

ちなみに、黄金時代を思わせる太い袖ラインは結構好きな要素です。それだけにシンプルなユニフォームに映えるこのラインを見てみたい気持ちが大きいです。

ビジターユニフォーム
こちらも、ホームユニと同様に「色を使いすぎている」という問題点があります。
せっかく綺麗な青なのに、なぜそれを全面的に使わないのか。なぜ余計な色を足してぼやかしてしまうのか。
すごくもったいないと思ってしまいますね。

胸ロゴが「YOKOHAMA」なのはすごく好印象です。一時期「DeNA硬式野球部」だったことを踏まえても、フランチャイズ地域をビジターでしっかりアピールするというこの姿勢は高評価に値するでしょう。
シンプルな横浜ブルー一色のユニフォームに「YOKOHAMA」ロゴが映える様というものを見たいという気持ちに拍車がかかります。

第9位

福岡ソフトバンクホークス

引用:日刊スポーツ日刊スポーツ

個人的には典型的な「強いからダサくは見えない」タイプのユニフォームだと思います。一つ一つの要素を抜き出してみると、結構変なユニフォームです。

最も気になるのは腕の二本線。「もう見慣れた」という方も多いとは思いますが、私はこの期に及んでもいまだに違和感を抱いています。
妙に締まりがないというか、ボヤッとして見えるというか。パンツ脇に入っているラインを袖ラインに持ってくる、という形ではダメなんでしょうか。そちらの方が引き締まって見えると思います。

ロゴに関しては、ホームユニは「SoftBank HAWKS」、ビジターユニは「SoftBank」と、「ソフトバンク」はやたらと押すのに「福岡」は一つも入っていない、というところに疑問を抱きます。
ビジターに至っては完全に「SoftBank硬式野球部」です。
ホームを「SoftBank HAWKS」にするならビジターは「Fukuoka」にするべきだし、あくまでビジターは「SoftBank」だと言うならホームはシンプルに「HAWKS」でいいんじゃないでしょうか。

それに、ラケットライン。これは絶対必要ないと思います。シンプルでスリムな印象のロゴと、クラシックな要素であるラケットラインはあまり相性が良くないです。
また、西武のところでも言いましたが、昇華プリントでラケットラインを表現するのは本末転倒。ダイエー時代の意匠を取り入れるにしても、こんな薄い色のラインならあってもなくても変わらないのでは。

ホームビジター共通で2020年シーズンから採用されている柄入りストッキングですが、控え目なラインがいいアクセントになっていると思います。この控え目さをもう少し他の部分にも適用してほしい。

色合いやロゴのフォントなども相まって全体としてスッキリ纏まっている風ではありますが、よくよく見てみると変なユニフォームです。
ただ、はっきりと「ダサい」と言うほどではないので、この順位となりました。

第8位

中日ドラゴンズ

引用:週刊ベースボールONLINE日刊スポーツ

いわゆる「ネオ・クラシック」的なシンプルで中日らしいデザインではあるはずなんですが…
やはり、それ以上に野暮ったさが勝ってしまう印象です。その要因を一つ一つ紐解きます。

まず、ラケットライン。確かに90年代の「ネオ・クラシック」ブームを代表する要素の一つではあるんですが、現行の「ネオ・クラシック」の潮流に乗るにあたっては、ラケットラインの採用はやや時代を読めてない感が出てしまいます。
今はMLBでも、襟ラインや袖ラインもしくはラインなしなど、極端にシンプルなデザインが主流。ラケットラインを入れるのは、昔から(あるいは昔は)ラケットラインを採用している(いた)球団のみです。
中日が歴史上ラケットラインを採用していたのは戦前・後のわずかな期間のみですから、「ネオ・クラシック」の文脈においてラケットラインを採用することに歴史的必然性はありません
要するに「クラシック感」を出すためのクリシェでしかない、ということになります。

次に、色違いのボタン。これは本当に意味が分からなくて、どうしてこんなことをしたんだろうと、ずっと思っています。
このユニフォームが1番最初にお披露目されたタイミングではボタンの色はシャツと共通になっていて、(ラケットラインの是非はともかく)それなりのものに見えていたのですが、なぜかキャンプが始まるとボタンの色が…
これに関しては歴史的必然性とか関係なく、シンプルにパジャマです。一刻も早くやめた方がいいです。

最後はかなり細かい部分ですが、ホーム用帽子の白いトップボタン・空気穴・ツバの縁ライン。これもかなり子供っぽいです。
これらの色を変えること自体がダメなのでは決してなくて、この青ベースに白という色の組み合わせ故に子供っぽくなってしまっているのです。
せめてどれか一つだけにすべきです。例えば、ロサンゼルス・ドジャースの帽子は青ベースにトップボタンのみ白となっています。ドジャースオマージュであれば、この様式にしてみては。
また、このデザインをトレースする形でヘルメットのツバにも白い縁ラインが入っているのですが、これは色の組み合わせとか関係なく様式自体がカッコ悪いと思います。

シャツスリーブ、刺繍ロゴなどクラシック志向のユニフォームであることはわかるんですが、ところどころで「惜しい」部分が散見されることが野暮ったいという印象に繋がっているのだと思いますね。

第7位

東北楽天ゴールデンイーグルス

引用:日刊スポーツスポニチアネックス

デザイン自体はシンプルですし、マイナーチェンジのたびに洗練されていてすごくいいと思います。
以前は肩や脇腹の部分にエンジのパイピングラインがあり、それが垢抜けない印象を作り出していたのですが、2018年にはそれを廃して襟ライン袖ラインだけのシンプルなものにし、さらに2020年にが襟ラインを廃して袖ラインのみとするなど、どんどん無駄を省いていく姿勢は素晴らしいです。

また、2020年にメーカーがミズノに変わったタイミングでエンジの色味を見直し、深みのある渋いエンジが復活しました。その他にも、差し色を黄色から金色に変えたり、ヘルメットの表面加工に地元の伝統工芸品「玉虫塗」の技法を採用したりと、より華やかな印象をプラスしています。
現在は艶消しヘルメットがトレンドとなっていますが、エンジのヘルメットに艶消しは合わないことは既に証明済ですので、むしろ艶感を高めていくという方向性はありだと思いますね。

ただ、そんな洗練されたユニフォームにも関わらず、7位という順位に甘んじているのは、一重にロゴが原因です。

球団創設から一貫して使用されているホーム用の「EAGLES」ロゴ。
「昔から一貫して使用されている」といっても、阪神や巨人、ヤクルトといった歴史のある球団のロゴは、ある種オーパーツ的・発明的デザインによるものだからこそ数十年に渡って現在まで「継承」されている一方、楽天のロゴは、はっきり言えば「いかにも2000年代に新しく創設されたチームのロゴ」といった感じで、2020年代となった今、もう流石に陳腐化は避けられないというのが正直なところです。
先にも述べたようなベースのデザインがどんどん洗練されていくに従って、ロゴの陳腐さが強調されるというのは何たる皮肉でしょうか。

ビジター用の「Rakuten」ロゴにも問題はあります。
ソフトバンクと同じですが、ホームは「RAKUTEN EAGLES」、ビジターは「Rakuten」と、「東北」が一つも入らない
ビジターは完全に「楽天硬式野球部」。洗練こそされていなかったものの、オリジナルのフォントで工夫していた創設初期のロゴの方がまだ好感が持てます。
ユニフォームの胸ロゴに企業ロゴをそのまま用いるのはやめて頂きたいですね。

いくらデザインが良くても、「ユニフォームの顔」であるロゴが良いものでない限り、全体の評価としてはやはり低めにならざるを得ません。

一旦休憩

いかがでしたでしょうか。
残る球団は、ヤクルト、阪神、巨人、広島、オリックス、ロッテということになりました。
両リーグの2021年ペナントレース上位組になっているのは本当にたまたまです。

注意書きにもある通り、当初の予定では一つの記事で12球団分を語りたかったのですが、予想以上に1球団1球団に対して熱がこもってしまい、このままでは流石に長すぎるだろうということで、今回はまず前編として下位の6球団をご紹介させて頂きました。

なお、ランキングはあくまで私個人の独断と偏見によるものなので、「異論は認める」と言いましょうか、異なる意見についてはむしろ大歓迎でございます。そういう自分と考えの異なる人の意見を見聞きするのも大変楽しいので。
是非、ご自分でもランキングを作りつつ、後編をお待ちいただけたらと思います。

以上、プロ野球 ユニフォームランキング2022【前編】でした。ありがとうございました。

後編はこちら。

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