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ライオンズブルー復活の道を探る特集 〜西武 2023年新ユニフォーム予想【後編】〜

現在短期集中型でお届けしている「ライオンズユニフォーム再考=最高サイコー」シリーズ

いよいよ、フェーズ1最終章となる今回お送りするのが第4回「ライオンズブルー復活の道を探る特集 〜西武 2023年新ユニフォーム予想【後編】〜」

これまでの話をある程度踏まえながら、「実際に変更があるとすればあるとしたらどんな変更になるのか?」という部分にフォーカスしていく。

開催まで後数日となった「LIONS THANKS FESTA 2022」。
もしユニフォーム変更の発表があるとすれば、この日に行われる可能性が高い。それに向けた副読本として楽しんでいただければ幸いだ。


ライオンズブルー復活の道を探る

前編では、周辺領域の動向からユニフォーム変更の可能性があるのかないのか、ということについて考察した。

さて、ここからはする/しないの話は一旦置いておくとして、もしするとしたらどんなモノになるだろうか、という点について言及していきたい。

西武のユニフォーム話となると、避けては通れないのがライオンズブルー問題。
この一連の盛り上がりも、結局のところ「ライオンズブルーが復活するのではないか」という淡い期待を抱く人が少なからずいるからこそのものだと言えるだろう。

果たして、ライオンズブルー復活の可能性はあるのだろうか。

レジェンドブルーは「埼玉西武」のアイデンティティ

こちらも先に結論から言ってしまおう。
私としては、メインのチームカラーがレジェンドブルーからライオンズブルーへ“戻る”ことはまずないと思っていいだろう、と考えている。

なぜなら、これまで散々熱弁してきたように、レジェンドブルーというチームカラーは単に気まぐれで持ち込まれたものではなく、球団の持つ歴史を踏まえて作り込まれ練り上げられたものだからだ。

西武によって買収され、堤義明オーナー(当時)の「西鉄と我々は別の球団」という宣言によってその歴史に蓋をされてしまった福岡時代のライオンズ。

OBは球団OBとして扱われず、球団記録も福岡時代と埼玉時代で分断された。福岡時代からの所属選手は例え生え抜きでも「トレード選手」扱い。福岡のファンへの待遇も冷たかったという。

レジェンドブルーはそういった堤体制下における行いへの「反省」を踏まえたものであるという側面を無視することはできない。

以前にもご紹介したが、ライオンズクラシック2022の開催にあたって、このようなコラムが投稿された。

この記事の中で筆者のライオンズブルーへの想いがこう綴られている。

「埼玉西武ライオンズ」として球団イメージを一新したかったのかもしれませんが、強くて、華やかで、はつらつとしていた「西武ライオンズ」を必要以上に遠くに置くような行為だったと思います。
大切にしてほしいものが大切にされなかった気がしています。

「断然ライオンズブルー派」の人にとっては感涙の文章なのだろう。

ただ、そういうムーブメントに対して俯瞰的な視点を持つ私が思うことは、「チームカラーが変わっただけでこう感じる人がいるのだから、何から何までスッパリ切り捨てられた西鉄のOB・選手・ファンはさぞ忸怩たる想いを抱えていたのだろうなぁ」、ということだ。

レジェンドブルーはいわば、そんな彼らへの鎮魂歌なのだ。
それを個人的な「愛着」「思い入れ」一つで否定してしまっていいものなのか、という思いがどうしても拭きれない。

件の筆者はこうも語っている。

西鉄ライオンズが存在したのは、1951年から1972年のこと。すでに消滅から50年が経つ「遠い過去」であり、敬意はあっても個人的な思い出はありません。
今の本拠地、今のライオンズ、今につながるファンの多くは鮮やかで明るいライオンズ・ブルーのもとで思い出を積み重ねてきたはずであり、「黒」はどこかに一筋つながっていればよかった。

もちろんライオンズブルー派の考えは最大限理解しようとしているつもりではあるが、それでも福岡時代を「遠い過去」などと断じてしまうことには非常に違和感というか、物悲しさを感じてしまうのが正直なところだ。

すすんで西鉄時代を「遠い過去」にしようとしていたのが、ライオンズブルーをまとったかつての西武球団なのに。

またそれと同時に、レジェンドブルーが採用されてから既に15年近くが経とうとしている今2020年代、
ライオンズブルーが採用されていたのは『遠い過去』であり、敬意はあっても個人的な思い出はありません」
という考えを持っていてもおかしくない年齢層のファンが既に育ってきていることも考慮に入れるべきなのでは、という話でもある。

筆者の言う「今」もまた、「過去」になりつつあるのだ。

「にしても西鉄成分強過ぎる」問題

と、かなりレジェンドブルー擁護に寄った論調で話を進めてしまったが、ライオンズブルー派の訴えの中には「コレは確かに素直に頷ける」と思うものもある。

それが、「“西鉄+西武=埼玉西武”っていうのは分かるけど、にしたって全体的に“西鉄成分”強過ぎだろ」問題だ。

確かにこのレジェンドブルーという色は、単に「ネイビー」と言っても結構暗い色味で、見ようによっては黒に見えなくもない。=西鉄に近い。

胸のロゴも、西鉄時代ほどではないとは言えかなり厳つめな書体であり、西武時代の流れるような筆記体の面影は正直感じ取りにくい。=西鉄に近い。

その上、例えば現行のビジターユニなどは「黒・青・紺」のトリコロールなどというカラーリングを採用しているのだから、全体的なバランスとして西鉄成分が強過ぎるという現状にある、と見ても差し支えないだろう。

そういう意味では、多少なりともライオンズブルー派の意見を聞き入れ、ライオンズブルーの成分をもう少し意識的に取り入れても良いのかもしれない。

実際、練習用のウェアなどでは「レジェンドブルー+ライオンズブルー」のカラーリングが頻繁に見られる訳で、こういうのをユニフォームでもやればいいのに、と思わないでもない。

後述するが、西武ファンかどうかに関わらずおそらくこのカラーリングを嫌いな人はこの世に存在しないだろう。

レジェンドブルーがどうの、ライオンズブルーがどうの、というイデオロギー的な話を抜きにしても「紺+水色」という配色はカッコいいのだ。

単にカッコいいから、という単純な理由でも、ユニフォームの方法論から逸脱してさえいなければ十分に「いいユニフォーム」と言えるものになる。

球団がそれに気付けば、ライオンズブルー復活の道筋のようなものが見えてくるような気がする。

ライオンズブルーを取り入れるならこんな感じ

とは言え、現在の西武がライオンズブルーを一斉に排除しているか、というと実際のところそんなことはない。

レギュラーのユニフォームはあくまでレジェンドブルーを基調としていながら、定期的にライオンズブルーにフィーチャーした特別ユニフォームを企画することでバランスをとっている。

チームブランド刷新以降に登場した、ライオンズブルー基調のユニフォームは以下の通り。

・2009年 ライオンズクラシック
・2012年 西武鉄道100周年
・2013年 レジェンドシリーズ
・2014年 ライオンズクラシック
・2018年 ライオンズクラシック
・2018年 ライオンズフェスティバルズ(獅子風流)
・2019年 ライオンズフェスティバルズ(令王)
・2020-21年 70周年
・2022年 ライオンズクラシック
・2022年 L-FRIENDS(SAVE LIONS)

こうやって見ると、一部謎の空白期間こそあれほぼ毎年のようにライオンズブルーのユニフォームが制作されている、という事実があることが分かる。

ただ、これをもってライオンズブルー派の方々に「だから我慢せよ」などというつもりはなく、私としてはむしろ西武球団に「それなら、このスタイルを恒常化すればいいのに」と言いたい

シーズン限定・数試合限定の企画ユニフォームではなく、通常のホーム・ビジターと共に数年単位でシーズンを通して着用する「オルタネートユニフォーム(サードユニフォーム)」として、ライオンズブルー基調のユニフォームを採用すればよいのだ。

そういう考えに基づいて、以前ご紹介させてもらったのが「私の理想のユニフォーム」。

それぞれのユニフォームに関する細かい話は当該記事を参照されたいが、とにかく「レジェンドブルー基調のメインユニ」「ライオンズブルー基調のオルタユニ」という形であれば、デザインをいじらずとも両者の共存は十分可能なのだ。

デザイン変更があるとすれば

さて、ここまでの話を踏まえ、「実際に変更があるとすればあるとしたらどんな変更になるのか?」という部分に踏み込んでいきたい。

基本的には「変更はないのではないか」というのが私の予想であるが、それでも断定できるには至らず、マイナーチェンジ程度の変更なら十分に可能性がある、という状況。

マイナーチェンジとなるといろんな可能性が考えられるが、どんな可能性があるかを順番に見ていこう。

●ライン等の仕様変更

マイナーチェンジの中では最も代表的なもので、例えば楽天が2019年から20年に、阪神が2021年から22年にかけて行ったような変更だ。

特に阪神はラケットラインから襟ラインへと変更したが、現在の西武も同じくラケットラインを採用している。
「西武のラケットライン」についても今まで何度となく語ってきたが、主な問題点は3つ。

昇華プリントのユニフォームにラケットラインをあしらうことの変さ。
ラケットラインそのものの古臭さ。
そして、歴史的に西武のユニフォームにラケットラインを施す必然性がない故、ラケットラインの持つ歪さばかりが目立つこと。

これらのことに球団が自覚的であるかは分からないが、ラケットラインは廃止しても良いのではないかと思う。

●ビジターユニのデザイン変更

こちらも以前の記事でも言及している話だが、ビジターユニのみ変更となる可能性は十分にある。

歴史的に見ても、ホームユニは同じものを使いながらビジターユニを頻繁に変えるという傾向にあることは明白であり、加えて近年はそのスパンが短くなっていることも抑えておきたい。

それに、現行のビジターユニはお世辞にも人気が高いとは言えない現状もあり、このタイミングで変更に踏み切るのではないかという予測を立てることに違和感はない。

●ライオンズブルー採用

これこそが今回の一連のムーブメントの原動力に違いない。
ライオンズブルーが“復活”するのではないか、という期待感。

ただ、残念ながら既に述べている通りメインのチームカラーやロゴなど「球団ブランド」を構成する要素が変更される可能性はほとんどない、と考えても差し支えないのが現状だ。

ただ、マイナーチェンジの一環でライオンズブルーの要素が加えられる可能性は0ではない。
先に言ってしまったが、練習用ウェアのような「レジェンドブルー+ライオンズブルー」の配色がユニフォームに採用されることも考えられる。
ラインの配色、ロゴの装飾など、レジェンドブルーをメインとしながらそこにライオンズブルーを取り入れる余地は多分にある。

「紺+水色」のユニフォームはカッコいい。
コンセプトがどうのこうのと難しいことは考えず、単にカッコいいユニフォームを志向する、というのはいかがだろうか。

それが結果的に「レジェンドブルー+ライオンズブルー」になった、という位がちょうどいいのではないかと思う。

何の偶然か、今回のドラフトで近江高・山田、大阪ガス・児玉と、「紺+水色」のカラーリングが特徴的なチームから選手を獲得していることも特筆しておくべき事案だ。

妄想の極みのエンドロール

最後に、(もはや妄想ユニ企画の恒例となっているが)妄想がイキすぎたがために生み出されてしまったものたちを、NG集付きエンドロール的な感じでご紹介していく。

ロゴをライオンズブルーで縁取ってみたバージョン。
ロイヤルズのシティコネクトユニフォーム風。
その逆バージョン。
カブスのシティコネクトユニフォーム風。
その逆バージョン。
ビジユニ案の「Saitama」ロゴバージョン。

最後に

これにて、全4回でお送りしてきた「ライオンズユニフォーム再考=最高」シリーズは一段落という形になるが、いかがだっただろうか。

ファンでも何でもないチームのユニフォームを、ここまでああだこうだ言ってる人間もなかなかに珍妙な存在だと思うが、それだけ西武のユニフォームは奥が深いということの証左として受け止めていただければと思う。

1つのチームのユニフォームについて、ここまでじっくり考えることができたのは私個人にとっても非常に有意義であった。
最終的に予想とは名ばかりの妄想企画になってしまったのは反省点だが…

しかしこれだけ語ってきても、いわば第1章・フェーズ1が終わったばかりという感じで、まだまだ語り足りていない・掘り下げられていない部分はたくさんあると感じている。

来るべきフェーズ2の始動に向けて、これからも勉強を重ねていく所存だ。
期待はし過ぎず、程々に楽しみしておいていただけるとありがたい。

以上、「ライオンズユニフォーム再考=最高シリーズ第4弾、『ライオンズブルー復活の道を探る特集 〜西武 2023年新ユニフォーム予想【後編】〜』でした。
ありがとうございました。

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