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ユニフォーム的・夏の甲子園2022 名場面ベストナイン

今年も波乱あり、感動あり、物議ありで幕を閉じた夏の甲子園。

普段このnoteではあえて日本のプロ野球にのみフォーカスしているのだが、別にプロ野球にしか興味がないという訳ではなく、基本的に野球と名の付くものには等しく興味を持っているつもりだ。

当然高校野球も、毎年秋季大会や新人大会からチェックするレベルには興味を持っているし、甲子園大会となれば尚更である。

なので、今回は番外編として高校野球にも魔の手を伸ばしていきたいと思う。
題して「ユニフォーム的・夏の甲子園2022 名場面ベストナイン」

因みに、「名場面ベストナイン」なんて謳ってはいるが、単に「ユニフォーム的目線で目を引いたシーン」という感じなので、試合内容とかには特に触れたりはしないので悪しからず。
ランキングという訳でもないので、紹介する順番に特に意味はないことも併せて断っておきたい。

①旭川大

高校野球界隈では、エンジ色のユニフォームがやたらと人気を集める。
有名どころで言えば、早稲田実、秋田商であったり常総学院、高知であったり。今大会出場校で言えば高岡商。「伝説のバックホーム」の松山商もそうだ。

こういった「エンジのユニフォーム」は帽子が白になっていることが多いが、旭川大の帽子はエンジ色
もちろん他に例がない訳ではないが、割と珍しい仕様だ。

因みに、旭川大は今年度限りでの校名変更が決定しており、「旭川大高校」としての夏大会出場は今大会が最後であった。校名が変わっても、このユニフォームが変わってしまわないことを願って選出した。

②鳥取商

高校野球界で「緑のユニフォーム」と言えば、二松学舎大附や報徳学園、市立和歌山などに代表されるような「渋い深緑」が定番である中、鳥取商の緑は比較的彩度の高い、「わかりやすい緑」である。

シンプルながら重厚感のある左胸ロゴに、ポイントポイントでの黄色の使い方も洒落ており、非常に好感度の高いユニフォームだ。

③県立岐阜商

鍛冶舎監督のやり方への反感からか、あまり評判のよくないユニフォームではあるが、個人的にはかなり好きなデザインである。
かねてから「紺・青系+黄・金系」のユニフォームが好きだという話は何度も繰り返しているが、この「鍛冶舎ユニ」はそれにぴったり当てはまる。

今大会の県岐商は主力を多く欠く陣容での戦いを余儀なくされた。
厳しい状況で戦う選手たちの姿勢と、第4試合ならではのカクテル光線によって、さりげなくあしらわれた黄色のピンストライプが非常に映えて見えた。

④盈進

ノーシードから激戦の広島を勝ち上がった古豪・盈進。
紺を基調としたドがつくほどシンプルなユニフォームである。

近年軽量化・薄化が進みアンダーシャツの色が透けて見えてしまうユニフォームが多い中、盈進のユニフォームは素材への拘りがあるのか、アンダーシャツの紺が透けることなく重厚感のある仕上がりになっており、「EISHIN」の力強いロゴとの相性も抜群であった。

古豪らしい、「伝統のユニフォーム」と呼ぶにふさわしい風格を感じた。

⑤山梨学院

スクールカラーの刷新に伴って今春より「C2Cブルー」という鮮やかな水色を基調としたユニフォームに変更している山梨学院。

春の選抜大会でお披露目となり話題を呼んだが、選抜では紺だった帽子とアンダーシャツが今大会では帽子が白、アンダーシャツがC2Cブルーとなっており、より爽やかな雰囲気で夏らしい印象になった。

県予選では白のアンダーシャツも使用しており、「小物の合わせ方で遊ぶ」という、良い意味で高校野球らしからぬスタイルが非常に新鮮であった。

是非、秋春は紺、夏は白、といった具合に使い分けるような感じにしてもらえると、マニアとしては非常に楽しい。

⑥富島

一見特徴の薄い、シンプルな紺色のユニフォームに見えるが、ストッキングの足首部分、帽子のマーク縁、空気穴、ツバ縁などにさりげなく明るい青色があしらわれている。

高校野球で「紺+青」のユニフォームと言えば、今大会も大きな注目を集めた近江の「近江ブルー」が代表格となっているが、富島くらいのさりげなさがちょうどいいと感じる日もある。

⑦海星

今大会最も注目を集めたユニフォームの一つと言っていい、海星のグレーストッキング

昨年からアイボリー色のユニフォームと一体となるようなカラーリングに変更されていたこと自体は知っていたので、いよいよそれが甲子園で見られるかとワクワクしていたのだが、蓋を開けてみるとまさかのグレー。

これに関しては「週刊ベースボール」8月29日号に掲載されている「綱島理友のベースボール百科」にて詳細が明かされていて、何でも、甲子園大会用に新調したところ、なぜかグレーっぽい色味になってしまったらしい。

同じ色でもメーカーや生産ロットによって差が生じるのはよくある話だが(私自身も他部員が使ってるのと色味の違うストッキングを使用していた経験がある)、ここまで違うとシンプルに「ミス」なのではと思ってしまう。

個人的には「これはこれで面白くてあり」なのだが、もしかすると今大会限定の仕様になる可能性もなくはないのかもしれない。

⑧九州国際大附

もはや甲子園常連組であり、ユニフォームのデザイン自体は今更特に語るところはないのだが(もちろん素晴らしいデザインである、というのは大前提)、今大会非常に目を引いたのがエース・香西一希投手の背番号である。

県予選中に戦線離脱した関係でエースナンバーを2年生の池田悠舞投手に譲り、自身は背番号11を付けることになったのだが、これが実によく似合っていたのだ。

元々、球速こそ最速130km/hそこそこながら、制球力を武器にコースを丁寧に投げ分ける大人びた投球術が持ち味の投手であるだけに、薄目で見ると亜細亜大とか九州産業大とかから来た投手が投げているのかなどと思ってしまうほどであった。

⑨下関国際

惜しくも優勝には届かなかったが、“白スパイクの映え度”で言えば、間違いなく下関国際こそが今大会No.1である。

2020年春から高校野球でも使用が解禁された白スパイクであるが、見た目の観点から見た場合、十分に使いこなせていると言えるチームは案外少ない。
スパイクが目立ちにくい黒であるという前提を基にしたデザインが多いからだろう。

下関国際は鮮やかな青と赤にベースカラーである白を加えたトリコロールが特徴ということもあって、白スパイクが放つ“白スパイクの特有の存在感”が違和感なくユニフォームに溶け込んでいる。

そして、中でも目を引くストッキングとの相性も抜群である。
ふくらはぎ部分に大きく赤が入り、白のラインを挟んで足首部分が青となっているという、かなり派手なストッキングであるが、特に「足首部分が青」という点が白スパイクとの相性を決定づけている。

従来通りの黒スパイクだと、足首部分の青とスパイクとが同化してしまう。
スパイクの白と足首部分の青とのコントラストによってこそ、「青+赤+白のトリコロール」がより映えるのである。

まとめ

なお、今回は章立てての紹介はしなかったが、見事東北勢初の優勝を果たした仙台育英も、「上下グレー」「刺繍マーキング」「紺+赤のストッキング」などと、かなりグッと来るユニフォームであることは言っておきたい。

心に残る試合やプレーの側にはいつも必ずユニフォームがある。
皆さんの心に残っているのはどのユニフォームだろうか。

以上、「ユニフォーム的・夏の甲子園2022 名場面ベストナイン」でした。
ありがとうございました。

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