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オススメ紹介【短編小説】

ケイです。
2018年8月にnoteを開設して、主に創作ショートショートを公開しています。心の中のイメージを育ててくれた数々の小説のうち、今回はショートショートと短編小説に絞って紹介します。

江戸川乱歩

私の活字人生を遡ると、小学校の図書室で江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを読み漁っていた頃が最も鮮明に記憶に残っています。痛快で影のあるミステリー作品の世界にのめり込んでいました。
ある作品を読んだあとがきに「本書は原作〇〇を少年向けに書き直したものです」という一文を見つけました。早速、市立図書館の大人の小説コーナーで原作を見つけて、深くグロテスクな大人の闇の世界に触れてしまいました。当時、10歳くらい(笑)。
江戸川乱歩は長編の名作も数多いですが、強い影響を受けた原点と言える短編作品集として『屋根裏の散歩者』を挙げます。

星新一

言うまでもなく、今も老若男女に愛され続けているショートショートの王様です。彼の本は両親の本棚を漁って見つけ出しました。やはり当時小学生。
彼の描くSF世界は今でも古さを感じさせない見事な先見力だと思います。中には本当に実現した技術もあって、星さん天国から見ていますか!?って問いかけたくなります。

乙一

初めて作品を読んだときの「なんだこれは…!!」とゾクゾクした衝撃は忘れられません。
心の深いところにいるドロドロの闇に触れてくる感覚は、江戸川乱歩の世界に触れたときとリンクしました。ホラー系が本当に闇。
一方で読後感の爽やかなストーリーも多いですが、やっぱりどこか孤独と喪失感が根深く横たわっていて心が震えます。
一冊紹介するなら『失はれる物語』。収録されているショートショート『ボクの賢いパンツくん』がプリントされたトランクスがあったそうです。欲しい。

奥田英朗

軽快さと規格を超えた暴走と時には重さ、それらを通して生きていくことを感じさせる作品が多い印象です。正解は人それぞれだなって考えさせられます。『イン・ザ・プール』に始まる精神科医伊良部シリーズも痛快ですが、紹介する『家日和』は全体的に身近で読みやすい作品が多いのでオススメです。収録の一作『ここが青山』は、複数作家の短編をまとめた『短編工場』にも掲載されている、お気に入りの作品です。

浅田次郎

歌舞伎町、やくざ、ギャンブル。自分には縁のない世界を垣間見せてくれて、なぜかとても身近に感じてしまう作品集です。
映画化もされた表題作『鉄道員(ぽっぽや)』は映画もステキな名作です。個人的には、収録作品の『ラブ・レター』が心を捉えて離さない傑作でした。

さいごに

好きな短編も、好きな作家さんも、ありすぎて書ききれません。
最初から短編作品を書く作家さんのほか、長編作品を書く作家さんの短編作品にも面白いものは山ほどあって、今回とても迷いました。
東野圭吾、伊坂幸太郎、三浦しをん、etc.
またいつか紹介したいと思います。

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