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夢の世界からやってきた『線路』の物語
ここでいう夢は、将来に対する希望や願いではなく、睡眠中に見る幻覚の方です。
科学的な証明や裏付けもない属人的な現象で、かといってオカルト系の話でもなく、例えば「散歩していたらアイデアが降ってきた」みたいな話としてお読みください。
私はとても明確な夢を見るタイプで、しかもどんなにおかしな状況でも夢の中ではそういうもんだと思って成り行きに従って行動してしまいます。
寝ている間に小説書いてた。
— ケイ@旅と車と物語 (@ksw_ngn) April 16, 2020
例によって夢の中で夢だと気付かない体質なので、今と全然違う町で暮らしてるんだけど、リアルと同じ手順で構想書き出して言葉を選んで景色をつないで文章を打ち込んだ。
朝起きて、覚えてるうちに慌ててメモ取ったよ。
目覚めて夢だったと気付いたとき、ついに夢で小説を書くレベルまで来た!って思いましたね。(言うほど書いてないのに)
そんな経緯で生まれたショートストーリー『線路』。
短いので良かったら先に読んでいただけると嬉しいです。
今回はその創作裏話です。
夢の中の出来事
どこかの街でアパート暮らしをしていた私は、街中を走る電車を眺めながらショートストーリーを1つ書こうと思い立ちました。
早速、舞台になる場所の取材に出かけます。
毎日見る光景でも、無意識に通っていると見落としがあるものです。
駅の裏口の、エスカレーターもない狭い階段です。
象徴となるシンボルも確認。
イラストでは第三者視点で描いていますが、実際に見えていた光景は自分視点です。
そして執筆。
室内はよく覚えてないですが、床に座ってローテーブルで書いていました。
画面に映るタイトルが『線路』だったことは明確に覚えています。
まずは思いつくままに文章をざーっと書いて、表現がかぶるところは書き変えて、前後を入れ替え、間を埋めて。
実際の執筆と同じ工程で書き続けました。
。
。οΟ
。oOoOO
ハッ
※寝起きに目に入る実際の光景です。
夢だった!と自覚して驚き、覚えている限りすぐにメモを取りました。
そして冒頭のツイート。
余談ですが、中学高校は自転車通学(たまに路線バス)、大学は学校近くの下宿住まい、大人になったら車生活で、電車を日常的に利用する生活は経験がありません。
あの夢の中の設定がどこから来たのかはまったくの謎です。
現実世界での執筆
ストーリー自体は短くてシンプル。ただ、電車から見たときに特徴があるはずの、あの高い塔はなんだろう。
夢の中の自分はもちろん見て認識しているはずだけど、私の記憶にはありませんでした。でもそこが決まらないと物語は書けません。
高くてシンボルになる建造物。
■ 高圧電線の送電塔?
確かに目立つし、どこの街にもある。でもあまり近くにあると身体や機器に影響がありそうな印象で、自分だったらその横のアパートには住まないかな。
■ 火の見櫓?
長野では自治会館などの敷地内に併設されているのをよく見かけるものの、他の地域であまり見かけないし、地域が限定されるかもしれない。(今作は特定しない都市近郊の街のイメージ)
他に、何か高くて特徴的な塔といえば。。
■ 給水塔?
そういえば塔だし形も特徴的でシンボルになるし、そこそこの規模の街にならありそうな印象。
早速ネットで調査したら、これがもう面白い!
給水塔を眺めているだけであっという間に夜が更けます(笑)。
そして、とっくり型(おちょこ型)と呼ばれるタイプの給水塔をモデルに書き上げました。
現実世界で完成させたので、夢の中で書いていたとおりの物語ではないです。給水塔なんて完全に覚醒中に決めました。
テーマは『線路』から外れたかもしれません。自分だったらタイトル『給水塔』にしてます。
でもタイトルは夢で見たそのまま使いました。
だってあれほど明確に見てしまって、映像が記憶にくっきり残っていたから。
夢についての補足を少々
今回の事象、執筆のきっかけになったことは確かですが、出来上がった作品は夢の中で書いたものとは別物なので”正夢”にはならないです。
状況が現実と乖離しているので、"予知夢"も違う感じです。
前世だとか多くの通説も当てはまらないようです。
夢占いや心理学として「線路とは」「高い塔とは」って何かしらの理由付けができたりもするのかもしれないけど、証明も共有もできない世界なので、今のところ分析はあまり必要としていません。
この体質、個人的には「夢見」と称しています。もし興味があれば以下の記事で長々と書いています。
林伸次さんが夢について書かれた記事をもとにしていますが、林さんも書かれているとおり人の夢の話は面白くないですよね。もし興味があればということで。
以上、こんなことがあって作品ひとつ書いたよっていう、誰の参考にもならないお話でした。
終
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