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弁護士と私の話

こんばんは。
けいえす(35歳)です。

私のパパ友と、オープンテラスのカフェバーで三密を避けながらひっそりとビールを飲み交わしていたある夜の話。

<プロローグ>

「最近HPつくったんだけど、全然アクセス無いんだよね。せっかく30万円もかけて作ったんだからもっと活用したいんだけど。」

彼は元々大手弁護士事務所から独立して個人事務所を営んでいたが、昨年ごろから合同事務所へ籍を移していたようだ。合同事務所と言っても、個人事業主であることには変わりはなく、事務所の看板と席を間借りしているようなイメージだ。

<弁護士過剰問題>


以前より弁護士事務所が破綻しているニュースをよく目にする。最近だとキャッシングの過払金返還請求や、B型肝炎関連を手掛けており、TVCMも流していた東京ミネルヴァ法律事務所の破産が記憶に新しい。ミネルヴァは手元資金だけでは全国区のTVCMを流し続けることができず、広告宣伝費で借入が膨らんでしまい、結果ペイできるほどの集客ができずに破産に至ってしまったようである。

このように大手事務所であれば、過剰な借入による破産となるケースもあるようだが、個人事務所や中小の弁護士事務所は弁護士過剰問題により、自分たちの食い扶持を見つけることが以前よりも難しくなってきているらしい。弁護士の数は増えても、日本国内の訴訟事件数はずっと横ばいの状況なので、需給バランスが崩れ、特に若手弁護士の多くは苦しい状況にあった。

※弁護士過剰問題については以下参照


<その結果どのような変化が起きているか>


弁護士過剰問題だけが理由ではないが、数年前から注目されているキーワードがリーガルテック。リーガルテックとは、法律(リーバル)×IT(テック)を意味する造語である。

若手の弁護士たちが中心となり、新しい法律サービスあるいは法曹界の人間ならではのサービスを展開している。

弁護士ドットコム
クラウドサイン
弁護士トーク
カケコム
one visa

特にクラウドサインに関しては、これまでのIT企業が得意としてきたB2Bのビジネス領域にまで踏み込んでおり、コロナ禍による追い風を受けて破竹の勢いで、そのシェアを伸ばしている。

<個人・中小事務所の取るべき戦略>

友人曰く、仕事の多くはクライアントからの紹介案件で、HPを見てやってくる一見さんのクライアントはほとんどないらしい。今時タウンページで調べて電話をかけてくるような奇特な人は稀にいるそうですが。

つまり新規のクライアント開拓において、デジタルツールを活用した集客が今後の新たなとるべき戦略なのではないだろうか。

この件で友人とはおおいにもりあがり、HPのSEO対策、SNSツールの活用(Facebook、twitter,note,ブログなど)、既存クライアントへのリーガルマガジン。要はこれまで一般的な企業が行ってきた販促活動を、弁護士も行っていくべきだという結論に達した。

ただし、このような戦略はすでに大手事務所はやっているので、個人事務所や中小事務所がどのように大手と差別化し、新規クライアントへリーチできるのかは今後検証が必要で、同じようなことをやっていても資本力では敵わないのは明らかだ。

一つ言えることは、アマゾンや楽天といった超大手ECサイトがあったとしても、個人商店であの手この手を駆使して、利益を伸ばしているECサイトはいくつもあるので、個人・中小の弁護士事務所も同様のことが言えるのではないだろうか。

またこれまでやってこなかった新たな取り組みをすることで、未だ見ぬリーガルテックへの道も拓けてくるに違いない。

と語り合った夜となりました。

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