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海外大学建築学部に留学するまで⑦ミラノ工科大・トリノ工科大を追加受験

過去の2つの記事で書いた通り、資金面の負担が大きいことから、私はイタリアのミラノ工科大とトリノ工科大の追加受験を決めました。

追加受験を決めたのは7/6ごろで、テストの20日前でした。
*トリノ工科大のテスト:7/26
*ミラノ工科大のテスト:7/27
20日間のうち、友人の結婚式の予定もあり、実質勉強できるのはMAX18日。しかもテストの形式や内容が全くわからない状態だったので、無謀な挑戦だな〜と我ながら思いながらも、やれることはやろうと意気込んでいました。

テストの内容

まずはじめに、どんなテストなのかを調べました。学校のテスト内容にはざっくりと内容が書いていますが、結局どんなのが出るの?と言う感じ。とにかくサイトにあるリンクを辿っていくと、CISIAというサイトに辿り着き、そのテスト会社が提供している過去問をひとまず見て大体の内容を把握します。ちなみに過去問はイタリア語のPDFなので、それを英語に翻訳して解きましたが、たまに意味がわからない問題も多かったです。

テストは5つのセクションから構成され、1つにつき10問を20分で解きます。トータルで100分のテストです。

  1. 読解力:2つの文章と問題(英語のテストみたいな感じ)

  2. 論理的思考

  3. 一般的な歴史と文化(芸術)の知識

  4. 描画と表現:透視図法の読み取りや平面図・立面図など

  5. 数学・物理

このうち日本の高校の範囲で学んでいないのは4で、主に大学の建築学部のはじめに学ぶ内容です。しかし、少し勉強すれば十分理解できます。
また、2の論理的思考も特に学校で学ぶようなことではありませんが。練習が必要な分野です。
3の歴史に関しては、美術史の割合が多く感じたため、日本の世界史の授業だけでは不十分と感じました。

テスト対策

前述のように、まずは過去問をひとつ解いて、雰囲気を掴んだらいざ勉強スタートです。私は高校卒業からだいぶ時間が経ってるので、世界史の復習+美術史の勉強+建築史の復習(京都芸術大学で勉強したため)と数学・物理の復習が最優先でした。復習と過去問を並行して進めました。
トリノ工科大に関しては、モックテストを一応は無料で提供しているのですが、イタリア語しか見つけられず、尚且つ翻訳もできなかったため、ミラノ工科大が提供している過去問を解きました。

世界史・美術史の復習

歴史は量が多いため、とにかくスピーディにやらなければ!と考え、動画で学べるものを探しました。

世界史はまずざっくり流れを確認するため、Youtubeの中田敦彦のエクストリーム世界史を観ました。
彼の授業はテンポが良く、流れがものすごくわかりやすい上、とてもユーモラスなので楽しく1周しました。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLsumlonFWQ3GM2ZPJL17tjW4jqc7TLQUW

西洋建築史はこちら(バロックまで)

美術史はこちら

動画は何度も見て視覚と聴覚で覚えました。

その他書籍
動画と合わせて図書館でも本を借りて補足ました。自分に合うもので良いと思います。私は細々とした文章を読むほど時間がなかったので、なんとなくこれだ!と言う本にしました。
世界史大図鑑:絵と偉人の言葉もあって結構面白かったです。

はじめての西洋絵画

名画のすごさが見える西洋絵画の鑑賞事典

美術史は動画と本2冊でなんとかなりました。有名な画家でも代表作がいくつかある人は本ほ複数読んだ方が漏れなく拾えるでしょう。

ゼロからはじめる建築の歴史入門

テキスト建築の20世紀:近代史の勉強に役立ちます

これまでそれぞれ単独で学んでいたので、今回世界史・美術史・建築史を横断で学んで、時代の繋がりが見えてきてとても面白かったです。

数学

数学はこの方の説明がわかりやすかったです。

https://www.youtube.com/c/yobinori/playlists

物理

物理は以下の本をさらっと読みましたが、正直時間が足りず捨てました。。。過去問では力学が頻出していたので、力学さえできればなんとかなるかと思っていましたが、そんなことありませんでした。。。

その他のセクションの対策

読解は英語のテスト(TOEIC/IELTS/TOEFL)のReadingと同じような感じなので、手持ちの参考書やネットの問題を説けば大丈夫だと思います。

論理的思考・描写は過去問のみで対策しました。わからない問題があれば都度ググる、でも点数は取れるんじゃないかと思います。

実際のテスト

実際のテストは、トリノ工科大は過去問と少し異なり、難易度高めで”終わったw”と呆れるくらいに解けませんでした。特に数学・物理は高校時代得意だったのでいけるかと思いきや、英単語がわからず正解がわからない問題が多かったです。例えば、正十二面体や複雑なピラミッドなど。。。もはや語彙力を問われている気がしました。

翌日のミラノ工科大もきっとだめなんだろうと落ち込んでいましたが、一応数学の語彙を確認したり、物理の公式を確認したり、ダメ元でやれることはやりました。

ミラノ工科大は過去問と同じような感じで、圧倒的にトリノより解けました。でも、高得点を取れたわけではなく、もしかしたら受かるかも。。。?くらいでした。2週間という短い間でしたが、歴史は高得点を取れたので、作戦はうまくいったと感じました。

テスト結果

トリノ工科大

トリノは3日後、ミラノは5日後に結果が出ました。
どちらもEUとNon-EUの学生のランキングがそれぞれ公開されます。
トリノの方がNon-EUの学生の席の割合が少なかったと記憶しています。
トリノは当たり前のように不合格でした。

ミラノ工科大

一方、ミラノは自分でも若干手応えがあったので、結構緊張しながら結果を見ました。
ミラノ工科大の建築プログラムはミラノの本キャンパスと、ミラノから電車で50分のPiacenzaキャンパスがあり、ミラノの方が人気です。
出願するときは優先順位をつけて登録でき、ミラノを第一、Piacenzaを第二希望にして登録しました。

結果、Piacenzaキャンパスの方に受かり、ミラノはWaiting Listでした。
8/1に1回目のランキングが発表され、ここでPiacenzaに決めるか、1週間後の2回目の更新でミラノキャンパスの枠を掴めるか選びます。
私は悩んだ結果、せっかくなのでランキング更新を待つことにしました。
待ってる間、受かってもないのに、ミラノがいいのかPiacenzaがいいのかなど悩んでいました。笑

2回目の更新の結果、結局Piacenzaになりました。ミラノはあと2点点数を取ってれば。。。というところでだめでした。

しかし、ミラノは物価がものすごく高く、結構な額を出さないと一人のベッドルームにさえ住めないので、これでよかったと思っています。
Piacenzaは郊外ですが、プログラムの人数も少数でアットホーム、留学生の割合の方が多いのも魅力的に感じました。
また、調べたところ、イタリアは日本ほど地方の過疎化が進んでいないらしく、郊外でも栄えているとのことでした。その他、イタリア在住の友人にもアドバイスをもらい、この結果に悔いはありません!

どたばたの受験を終えて

我ながら、短い準備期間にもかかわらずがんばったと思います。少しだけ自分が誇らしいです。留学費用を節約できましたし、世界的にも質が担保されている学校で学べるなんて、本当にラッキーだと思います。

逆に、海外大学受験を始めた時に受かりっこないと諦めていた自分に喝をいれたい気持ちもあります。今回のチャレンジでなんでもやってみないとわからないと改めて痛感しました。
また、今回の勉強で歴史と文化の歴史を紐づけて学べて、すごく楽しかったです。ある意味テストのおかげで勉強する機会を得られて、よかったと思います。

ミラノ工科大に興味がある方がいれば、絶対に挑戦すべきだと思います。
正直、2週間の詰め込みでもそこそこ点数をとれたので、もっと時間をかければ確実に8割9割とれます。
世界的に評価されている有名大学にもかかわらず、こんな簡単なの?と拍子抜けしたので、狙い目だと思います。

こんな感じで、留学直前のどたばた受験は幕を閉じました。。。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 サポートくださったお金は留学の資金として使わせていただきます。