見出し画像

洞窟の中で

Sen Morimotoくんのイベントめっちゃ楽しかった。
a子さん、ermhoiさん、DJ柳樂さんみなさんクールで
全員が自分の世界でロックしていた。

ライブ会場の吉祥寺Star Pine’s Cafeが個人的にめちゃくちゃ好きだった。
天井が高くて2階から見下ろせるし、フロアも奥深くまであるので結構人が入る。
壁は塗りっぱなしでボコボコしてて有機的な流れがあって、
洞窟の中で最後の人類が踊っているような雰囲気を醸し出していた。
ディズニーランドっぽさもあって中にいるだけでずっとウキウキしていた。
これからスプラッシュマウンテンに乗るぞ、みたいな感じ。
本当に好きなライブハウスだったな。

お客さんのほとんどは1人で来ていた。
みんなSen Morimotoくんを見に来ているので
Osteoleucoはきっと初めてだったはず。
それでもかなりノリとリアクションが良くて暖かかった。

僕はライブの時は音源よりもリリックを聞き取りやすく歌ったりするので、
届けたいリリックの時に「いえあ!」みたいなリアクションをしてくれると
やっていて気分がブチ上がる。
この間のイベントの時はそんなリアクション、レスポンスが多くて、
僕も志門も終始尻尾を全開に振り回した犬のようにライブをしていた。

あー楽しかった。
これより楽しいことあんのかな。
そんくらい楽しかった。
今回のライブを通してもっとみんなで頭振ったり体を動かせる曲を作りたいなと思った。

いい音楽は体か心を動かす。

MGFは誰かの体が動き出すような音楽を目指していた。
Osteoleucoは誰かの心を動かす音楽を目指してやってきた。
でも次はちょっと体を動かすような曲を作ってみたい。
この間のライブを通してそう思った。

今、目の前でリアクションしてくれている心が動いてくれてるみんなが、
もっと体も動かしてくれてる景色をここからみたい。
僕はステージの上からみんなを見ながらそう思った。

一瞬一瞬がかけがえのないこの人生の旅路の中で、
偶然集まったメンバーで構成されたライブハウスという空間。
目に見えない波動がビュンビュンに飛び交い、
さらには物理的に体もガンガン揺れていたら
どんなに眩しいひと時になるのだろうか。

僕はまだ見ていない景色が山ほどある。
空気、波動、いろんなものを感じたい。味わいたい。
生きてるうちにしか体験できないイカれたシーンをもっとこの目で撮影したい。
そして3次元じゃない世界に持ち帰りたい。

最近個人的に凹むことがあって、
メンタルが弱い僕は結構くらっちゃっていた。
実は僕はかなりメンタル弱いです。気にしぃだしね。
リリックとか、この文章とかはそんな自分を奮い立たせるための言葉を
自分に向かって投げかけているつもり。
そんな萎え萎えモードの時に人前で思いっきり音楽をやる機会があっちゃって、
辛いけどでもやりたくて、でもやってみたら今まで感じたことのない
感情が芽生えてきた。
もうよくわからなかったな。
でもその時わからないことが当然だってことがスッと腑に落ちたんだよね。

辛いんだけど、でも楽しくて、面白くて、
皮膚は冷たいんだけど、でも心と景色は暖かかった。
夜海を見ながら遠くの方にこれから朝日が登るぞー見たいな感覚。
朝とか夜とか、人間が勝手に作った概念をすり抜けて
平然といつも通り地球が一人で遊んでいるような、
そーゆー世界で僕らは生きているんだなぁという納得感が
僕の中でぐるぐる回っていた。

Senくんも、a子さんも、ermhoiさんも、DJ柳樂さんも、
みんないろんな思いで音楽を続けてきたんだろうな。
他人には到底想像もできない感情をそれぞれが抱きながら、
自分の中で噛み砕いたり飲み込んだり、
消化できずに吐き出したり、それを繰り返して、
その旅路の中で一昨日のあのStar Pine’s Cafeで偶然
運命の線が交差して、みんなでイベントを作り上げた。

それぞれが淡々と自分の持ってるものを披露して、
特にジャレ合うわけでもなく、
終わったら「またどこかで」と軽く会釈して立ち去る。
そしてまた自分の旅に戻る。

それでいいんだと思った。

誰にも、何にも固執することなく、時がきたら立ち去る。
何か縁があればまたどこかで巡りあう。
その時にまたハローと言えれば素敵じゃないか。

世界は自分のものである。
周りの人は、例え家族でさえ、
自分という映画の登場人物にすぎない。

他人は外に存在しているようで実は自分の中に存在している。

もはや存在すらしていないのかもしれない。

あるものの存在は、
それに対する自分の主観的な印象でしかない。
自分の思うその「あるもの」は結局、
自分自身が勝手に作り上げているイメージなのである。

そのイメージと当の本人の振る舞いが一致しないからといって、
責めたり非難したり、落胆するのは自分勝手にも程がある。
その人はその人であり、同時に自分は自分でしかない。

自分が思うその人はもはや自分の意識の投影なのである。
自分が思っているその人と、
実際のその人は別人なのだということを理解しないといけない。

期待してはいけないし、例え予想と違うことをされても、
「今はそーなんだね。」と受け入れてあげなきゃいけない。

それこそが愛なんだと僕は思っている。

ライブをしながら、どこの誰かもわからない誰かと
特に話すわけでもなく、
一期一会の交わり合いに祝杯をあげる。
一昨日のライブハウス、いや洞窟の中で
僕たちはそんなようなことをしてケラケラと笑っていた。

撮影: Yuma Yamashita
撮影: Yuma Yamashita


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?