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本の虫になりたくて

親が絵本をたくさん与えてくれたおかげか、幼い頃から好んで本を読んできた。
特段、本に魅了されたきっかけは、小3の時にクリスマスプレゼントでもらった「ナイチンゲール」。その後、少年探偵物語である「パスワード」シリーズとの出会いで、本の世界にどっぷりと浸かった。

「本の虫」という言葉と初めて出会ったのは、中学の国語時間だったか。
自然いっぱいの環境で育っても、虫は苦手である。蚊ですら手でやっつけることもできない。
だから「本の虫」という言葉自体は受け入れ難かったが、そう呼ばれたい欲は芽生え、暇さえあれば本を手に取った。

いつの間にか私は、「読書」が好きになっていた。
「本を読む」という行為だけではなく、目を引く表裏表紙、ほんのり漂ってくる紙の香り、ページをめくる音と手触り、陳列された文字たち、想像と妄想が広がる繊細な表現、作者が作り出す世界、物語の一員になったような感覚…(これら全てをもって「読書」であると、私はそう思っている。)

 ここまできたら、もしや自分も「本の虫」に仲間入りか?と期待を抱いていたのだが…
大学で、真の「本の虫」たちと出会って思い知った。
私は「本の虫」ではない。彼らの世界は、程遠くにあるようだ。

「本の虫」になりたっかたなぁ」なんて、ひっそり思いながら、今日も本を開く。

みなさん、年がら年中、読書の季節です。

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