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交渉に役立つ心理学 ~企画推進に有効な6つのアプローチ~

今回は交渉に役立つ心理学から企画推進にも有効な
6つのアプローチをお伝えします。


|企画推進は交渉の連続


ビジネスにおいて"交渉"は基本中の基本です。

特に企画推進という仕事は
社内や社外との交渉の連続になります。

例えばプレゼンテーションもある意味で"交渉"ですよね。

交渉は人と人との対話なので
相手に対する心理学的アプローチ
知っておくに越したことはありません。

|交渉の心理学6つのアプローチとは


そこで、企画推進の交渉時に有効な心理学のアプローチを
私なりの考え方で6つに分類し整理してみました。

【交渉に有効な6つの心理学的アプローチ】
① 返報性の法則
② 理由を伝える(カチッサー効果)
③ 損失回避(プロスペクト理論)
④ アンカリング
⑤ 両面提示
⑥ 合意できるところまで抽象度をあげる

ひとつずつ見ていきましょう。

① 返報性の法則

相手から何かを受け取ったときに
こちらも何かお返しをしたくなる
ことを言います。

スーパーやデパチカの試食がこれです。

私は試食してそのまま買わなくても大丈夫な人なのですが
家内は試食したらほぼ必ず
「買わないと悪いと思って、、」
と言ってよく買っています。

企画も社内外の人たちの協力が不可欠。
GiveできるときはGiveして、たくさん協力してもらいましょう。

② 理由を伝える(カチッサー効果)

人は何かをお願いされるとき
理由なくお願いされるより、理由を伝えられる方が
言うことを聞いてしまう

という傾向があります。

よくあげられる事例として、コピーの事例があります。

・要求のみを伝える:
「すみません、5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」

・理由を付け加えて伝える:
「すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」

枚数が5枚の場合
要求のみのときの承諾率は60パーセントに対し、
理由を付け足しただけで承諾率は94パーセントにあがったそうです。

企画推進でも何かをお願いするときには
その理由を付け加えるようにしましょう。

③ 損失回避(プロスペクト理論)

人は無意識のうちに
得することよりも損することを避けようとする
ことを言います。

マーケティングでもよく取り上げられる理論です。

たとえば

「本日限り!」
→今を逃すと損するという気持ちになる

「効果が無ければ全額返金」
→損してしまう恐怖を取り除く

などもこの理論にあたります。

新商品や新サービスの開発には主に2つの型があります。

“課題解決型"
“Fun増強型"


“課題解決型" の商品やサービスの方が
購入される確率が高い

と言われるのもこの理論と同じです。

④ アンカリング

アンカーとは、”船のいかり” のこと。
アンカリングとは船のいかりのように
何かしらの基準を示すことを言います。

実は私たちの周りはアンカリングだらけです。

「通常 10,000円が今だけ半額 5,000円!」
という売り出しをよく見かけますね。

これは10,000円をアンカリングしている例になります。

単に5,000円とだけ言われるより
10,000円を基準にして示される方がお得感を感じます。

価格以外にも、例えば仕事をお願いする場合

「本当は今週中にお願いしたいのですが、
来週末までにいただけると助かります。」

これはスケジュールを今週中だとアンカリングしています。

人は何かの基準が無いと考えにくいらしいです。
分かる気がしますよね。

アンカリングではないですが、他と比較したり、選択肢をつくるのも
同じ心理だと思います。

一般的にアンカリングの場合
先手を打ってアンカリングする方がよいと言われています。

相手に先にアンカリングされてしまうと
そこが基準になってしまいます。

例えば、先記のスケジュールでも

自分 「この仕事お願いできますか?」
相手 「来週中でよいですか?」(アンカリング)
自分 「本当は今週中にお願いしたいですが、来週中で大丈夫です」

ここでは、来週中 が基準になっていますよね。

⑤ 両面提示

両面提示とは
良い点だけでなく、悪い点など両面を伝えることで信頼性があがる
ことを言います。

商品でもいいところばかり並べられると
「本当かな、、、」
と思うことがよくありますよね。

そんなときは、たとえば

この商品は○○が非常に優れています。
1点だけXXのデメリットがありますが、そこは△△でカバーしています。

というようにデメリットも伝えることで
信頼性があがることがあります。

企画プレゼンでは、良い点ばかり伝えているプレゼンよりも
・今後の課題
・考えられるリスク
・懸念点
のような項目があると
「しっかり考えられているな!」
という印象を与えることができます。

さらにその対策案も整理されているとなおよいです。
・今後の課題と活動プラン
・考えられるリスクと対策
・懸念点と対策案

⑥ 合意できるところまで抽象度をあげる

⑥は心理学そのものではありませんが
交渉術として企画推進に大事なアプローチなので加えています。

企画を推進していると、交渉事や依頼ごとなどで
なかなか合意に至らないことはよくあります。

企画プレゼンでも、承認者や関係者から合意をもらえない
ということがあります。

そのようなときは
その合意に至らない事象そのものについて議論するのではなく
いったん合意している、あるいは合意できるところまで
議論の焦点(抽象度)をあげる
とうまくいくことがよくあります。

"合意に至らず" で終わらせるのではなく
”総論は合意、各論は調整” に持ち込むのがコツです。


そのために、ミッション、ビジョン、パーパスや目的など
視座が高い視点についてまず合意しておくのが大切です。

|おわりに


交渉に役立つ心理学には
企画推進にも役立つものがたくさんあります。

常にこのようなテクニックを考える必要はないと思いますが
把握しておくのも悪くはありません。

新規事業や新商品などの新しい価値を世の中に生み出し
社会貢献していくこと

これが私たち企画マンのミッションです。

そのためのアプローチはたくさん持っておきましょう。

テクニックを身に付けるというよりは
体系化されたアプローチを知ることによって
自分が工夫していることを再確認できます。

アプローチを知って是非企画推進にお役立てください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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