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新卒2年目の春、私は主力事業部から新規事業部へ異動した

社会に出て丸1年が経った、新卒2年目の春のこと。

会社の※社内FA制度を利用して、私はそれまで所属していた主力製品の法人向け事業部から、今所属している新規事業部へと異動しました。

※社内FA制度
他部署への異動希望を自由に申請できるキングソフトの社内制度。受け入れ先の部署が人員を募集中、かつ上長の承認が出れば異動できる。

当時、ビフォアコロナの時代には、今ほど街中でロボットを見かける機会も多くなく、ましてや私は社会に出てたった1年のぺーぺーのような存在。

「ロボットなんてそう簡単に普及しない」
「新規事業は上手くいかず潰れるよ」
「全てが0からだけど、大丈夫なの?」

上司や同僚、他部署の先輩たちは、そんな言葉をかけ心配してくださいました。

あれから早いもので2年の月日が経ち、当時一歩踏み出した結果が少しずつ現れてきたので、このタイミングで振り返ってみようと思います。

主力製品の法人営業部に配属された新卒1年目

社会人1年目の夏、研修が終わり配属された部署は主力製品を取り扱う法人営業部でした。ここでは主にパートナー営業をしていました。

当時、右も左も分からず、営業のことはおろか、取り扱っている製品のこと、ビジネスマナーすらもあやふやでしたが、先輩社員の丁寧な指導のおかげもあり、徐々にではありますが、社会人としての基礎を学んでいきました。

秋になると、私自身にも目標が設定され、予算を達成するためにとにかく自分の頭で考え、分からないことは先輩社員に聞き、できうる限りのことをしました。こうした甲斐あってか、幸いなことに予算が付いた秋以降、目標が未達ということはありませんでした。

そんな順風満帆な結果とは裏腹に、成果の裏には製品のブランド力や先人たちがパートナー企業様と築いてきた信頼関係があるということも感じていました。つまり、自分の力で成し遂げた売上は一体どのくらいなのだろうかということに疑問を感じていたのです。そう思うと、行動を起こさずにはいられませんでした。

「自分の力を試してみたい」
「0からの事業に関わってみたい」
「未来の後輩社員のための道を自分も作ってみたい」

そんな想いが日を追うごとに強くなり、2年目を迎えた頃、ついに社内FAを決意しました。

何もかも上手くいかなかった異動1年目

ロボットを取り扱う新規事業部へ異動してまず驚いたのが、その業務領域の広さです。これまではとにかくパートナー営業に注力できる環境だったのが、新規事業でリソースが限られているということもあり、とにかく業務領域が幅広いのです。

【これまでの業務領域】
・とにかくパートナー営業
・納品、見積等の事務処理

【異動後の業務領域】
・販売体制の構築(価格、契約形態、保守、納期、在庫等)
・直販/パートナー領域の新規営業
・製品サイトの作成
・キャンペーンLPの作成
・SNSの運用/Web広告の出稿
・製品検証 
etc…

このようにリソースの限られた新規事業部では、製品面、営業面、マーケティング面でそれぞれ区分けがされておらず、とにかくやることが多い…。

そんな中でも、0から事業を作ること、また未経験ながらに様々な業務にチャレンジできることはとてもやりがいがあり、大変ながらも充足感を感じながら、モチベーションを持って仕事に取り組むができていました。

最初に取り扱いを始めた案内型の「Lanky」

しかしそんな心の充実感とは対照的に結果という観点ではすごく苦しい1年間でした。これまでの部署で取り扱っていたソフトウェア製品は、いわばある程度の世間の認知があり、ビジネスシーンで必ず必要なものであり、既に販路があった状態。

一方で新しい部署で取り扱うことになった「ロボット」は、全くの新しい製品のため知名度は0。ロボットという製品そのものが市場においてスタンダードではなく、しかも販路も確立されていない。

まさに異動前に自分が望んでいた環境ではありましたが、いざその状況に身を置くと思うような結果が出ませんでした。なまじ1年目に目標を達成するという成功体験があっただけに、思い悩むことは一度や二度ではありませんでした。

歯車がうまく回り始めた異動2年目

転機が訪れたのは、異動してちょうど2回目の梅雨を迎えた頃、取り扱うロボットのラインナップが増えたことでした。

それまでは追加開発ありきでクライアントごとの拡張性がウリだった案内・コミュニケーション型のロボットのみを取り扱っていました。しかし、拡張性がウリがゆえにクライアント様の複雑すぎる要件と費用感が合わなかったり、ロボットに求められる期待値のハードルが高かったことで上手くいかないといったケースが多かったのです。

一方で、ラインナップ新たに加わった配膳ロボットは「モノの配送」がメイン業務であり、拡張性よりもそれをどのように活用するかが導入のカギとなるケースが殆どでした。コロナの影響で配膳ロボットが予想以上に急速に市場に受け入れられた点も事業運営という観点では追い風となりました。

新たにラインナップされた配膳型「Lanky Porter」

また、新たなロボットをラインナップするにあたって、最初のロボットの時と同様に、どのような契約体系で、どのような価格で、どのような保守サービスが必要で、どんなことをどのように訴求するのか。どのようなチャネルで、どのような手法で顧客を開拓するのかなど、新たに1からやらなければならない業務もありましたが、異動1年目に調べながら手探りで取り組んだ経験が糧となり、1件目の成約までにそれほど多くの時間は要しませんでした。

結果として、異動初年度は上手くいくことが多くなかったけれど、これまでにやってきたことが自分自身のスキルとしては確かに蓄積されていて、この時になってようやく少し救われた気持ちになりました。

今だから言える「あの時、一歩踏み出してよかった」と

異動して3年目を迎えた今、ありがたいことにたくさんのお問い合わせをいただき、ロボットの在庫が追いつかなくなることもあるほど、忙しい日々を過ごすことができています。

とは言っても、まだまだ私たちは会社の中では新規事業であり、成長産業という立ち位置であることは変わりありません。ただ販売するだけではなく、どうしたら製品がもっと良くなるのか、どうしたらさらにたくさんの人に製品を知ってもらえるのか、どのようなご提案をすれば各事業者様の元でロボットの導入効果を100%発揮できるのかなどを日々考え、社内FAを出す前に思い描いていた、やりがいのある業務に取り組んでいます。

一歩踏み出すことを恐れずに、むしろ踏み出した一歩を自分で正解にしてやるんだ、そんな気持ちでこれからも頑張りたいと思っています。もし配膳ロボットの活用を検討されている事業者様がいらっしゃれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!

https://biz.kingsoft.jp/ai/dl/

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