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知的水準

古代ギリシャって文化を見てみる。
前も記事にしましたが、
スニーカーのNikeはギリシャ神話の勝利の女神「ニケ」とその翼が由来。
ナルシストってのはギリシャ神話のナルキッソスの事。
太陽神アポロンは、アポロ計画。
レスボス島の同性愛者「サッフォー」のレズビアン。
自分達の土地で充分に食っていけない時には他の土地に植民し、開拓する手法。これを「ポリス(都市)」と呼ぶ事。
イタリアのナポリも、フランスのマルセイユも、ギリシャ人が植民地化して創造した都市です。

植民地は、棄民って言って「民を捨てる」事から開始させます。
そこまで重要じゃない人間を、新規開拓の土地に放り込んで、いけそうならそこから民族一同乗り込んで子供産んで植民地化していく。
そりゃ、未曾有の土地にはどんな危険が待っているか分かりませんからね。上流階級は安全と分かってからその土地に入るのが基本。
最初のリスクある1歩は棄民という捨てられた民が犠牲になるのです。この植民地というSTYLEもギリシャからきている事が分かります。


こうして衣食住を安定させる事に成功したら、その次に自然に発生するのが「知的労働」になります。
人間は衣食住が満たされていないと、まずは生きる事が最優先です。
が、ある程度生きていける保証ができると、次は頭脳労働にシフトするのは自然摂理なわけです。

例えば。
衣食住が満たされると各地の植民地や、エジプトと広く交易をおこないます。そう、つまり商業の開始です。
っとなると、記録が必須。
文字ってのが最重要項目になります。
ギリシャ人は1音に対し1文字を当てた表音文字を確立します。
アルファベットの事です。
まさに天才ですよね。令和5年の今日でも人間が恩恵受けてるんですから。
*原型は同じ海洋貿易をしたフェニキア人

たった30弱の文字で全てのコミュニケーションを円滑に。
まさに天才の所業。
漢字とかと違って、表意文字ではないのがベスト。
表意文字ってのは1つの字に1つの意味があるので、ただただややこいんですよ。
なので汎用性がない。
みんなで潤滑にコミュニケーションを図るなら、断然アルファベットの表音文字になるわけです。


これこそ、
賢い人は分かりやすい言葉を選択する。
アホは難しい言葉を選択する。
の本質と言えます。
衒学的っていうのは、実は頭が悪い行為やったりします。

会話っていうコミュニケーションは、伝わる事が本質でしょう。
みんなでコミュニケーションを図れる事が最重要です。

話を戻し。
ギリシャは更に市民達の国と言えます。
灌漑や治水工事の必要がなかったのもあり、強力な権力が必要なかったのです。
なので都市共同体=ポリスが誕生します。
自治的な権力・暴力の運営を国家がするのではなく、市民によって市民の為に行われます。
素晴らしいですよね。
権力が集中しているのではなく、みんなが権力。
つまり権力分散型です。
これが現在の「ポリス=警察」の語源にもなっています。


今は残念ですが、国家権力=警察ですがね。
国が所持する暴力装置です。
言い換えれば、合法的暴力団です。
僕らはお国様の指示に従わないと、警察と軍隊という暴力装置が許しません。そして、みなさんには権力が用意されていないです。
つまり権力集中型です。
みなさんも今日から死ぬまで納税を頑張りましょう('ω')

ギリシャの特産物であるオリーブはオイルとして食用以外にも、燃料にもなり、夜を長くする事に成功します。
夜遅くまで勉強が可能になるのです。
油の保存容器であった陶器は、割れたらメモや書籍に使用。
サスティナブルですね('ω')

こうして、
老いも若きも「議論・議論・議論・議論・議論」
時間があればすぐに「議論・議論・議論・議論・議論」
このsystemによってギリシャ人の知的水準は大きく向上したのです。
「議論」ってのは当時の娯楽でもありましたから。
今のようにあれこれと娯楽にあふれると、知的水準は下がります。

こうしてギリシャは哲学を発達させます。
多くの知識人が排出されます。
「無知の知」のソクラテス。
その弟子の国家論のプラトン。
さらにその弟子のアリストテレス。
そのその弟子がアレクサンドロス大王です。

権力が分散され、民が1人1人権力をもっている権力分散型である事。
議論が娯楽であり、みんな1人1人が議論する為に必死で勉強した事。
知的階級が進むのは衣食住が満たされている事が必須である事。

さて、現在は
権力は1つに集中しており、みんな言われた事を守る事しかできない世界線である事。
娯楽にあふれており、議論と勉強の必要性すら感じなくなっている事。
モノが異常にあふれており、何も考えずに大量に生産しては、大量に捨てている事。

となります。


衣食住が満たされないと、奪い合いと殺し合いです。
衣食住が満たされると、商業が発達して知的水準向上に向かいます。
更にその先は満たされすぎて、何も考えなくても生きていけてしまうので知的水準が再度低下します。

当たり前に
飯が食えて、風呂に入れて、住む家があって、着る服があって、履ける靴があってという世界線では、
知的水準が大きく低下するのは自然な事です。




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