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ゼレンスキー大統領

 ウクライナ侵攻のニュースを見た。

 ドローンが、ロシア人の投降に一役かっているというニュースだった。

 ドローンからロシア兵に投降するよう手紙を投下し、説得に応じたロシア兵が命がけで投降する映像だった。

 ドローンに導かれて投降するロシア兵は、目的地に着くまで自分ギリギリに投下される爆弾を、なんとか当たらずにウクライナ軍に投降しロシア人捕虜となる。 
 ギリギリに投下される爆弾を見た時、私は昔、祖母から聞いた戦争の場面は、現実はとても恐ろしい場面だったのだと気がついた。

 祖母から戦争の記憶を聴いた時は、祖母は、幼い私が飽きないように恐怖を薄く、面白く話してくれた。その中で、機銃掃射に撃たれそうになった話は、何度も聴いた話だった。

 頭では怖いことと理解したつもりでも、実際のウクライナ侵攻の映像を見てやっと恐怖感がわいた。

 田んぼの畔道を歩いていた祖母が、「あ、飛行機」っと思うより早く、祖母を機銃掃射が打ってきて、祖母はそのまま田んぼに飛び込んで助かった。

 祖母は「本気で兵隊が狙えば私は簡単に玉に当たって死んでいた。きっと脅すつもりだったんだろう。」そう言っていた。今その祖母の言葉の重みが、ニュース映像を見た後私の胃の辺りにずっしりと収まった。

 機銃掃射で祖母を脅したのも、ドローンを動かすのも、ロシア兵に爆弾を落としたのも同じ人間。

 そして、何十年前の話を今の映像でやっと理解できた私も同じ人間。

 G7にゼレンスキー大統領が来るらしい。

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