マガジンのカバー画像

大人はもっと綺麗だと思ってた

7
田舎の芋少女が都会のリアルに汚されていくお話。
運営しているクリエイター

#小説

大人はもっと綺麗だと思ってた⑹

翌朝。

「おはよう」

まだ日が登りきっていない薄暗闇の中、
私はアラームで目を覚ました。

まだ半分夢の中にいる彼に一声掛けて、
私は一人で身支度をする。

「ねぇ」

彼が私を呼んだ。

「ん?」
「こっちきて」

ベッドに近寄っていくと、彼が私の腕を掴んでベッドの中に引きずりこんで行った。

「わっ!ちょっと、何するの!」

笑いながら彼の腕を力なく押し返した。

「私もう時間だよ?」

もっとみる

大人はもっと綺麗だと思ってた⑸

「ねぇ先週の課題やったー?」
「え、あれまじ終わらん、やばくね?」
「分かる〜私も終わらないんだけど!」

いつも通りの騒がしい大学キャンパス内。
私はもぬけの殻でただ教室の角に座っていた。

課題…やらなきゃな…。

頭では分かっていても、
手が動かない、頭がずっとボーッとしている。

彼との関係に名前をつけたい。

でも、これで会えなくなるのは嫌だ。

永遠に二つの想いが葛藤している。
もう頭

もっとみる

大人はもっと綺麗だと思ってた

私は男が嫌いだ。

すぐに嘘をつくし、精神年齢低い人が多い。
適当な所ばかりで馬鹿みたいな言動も多い。

本当に大っ嫌いだ。

なのに私は、その男達にとっての『都合のいい女』を演じ続けている。

.

二年前の秋、私は大学に通うために田舎のちいさな町から都会に出てきた。

恋愛もろくにしたことがなく、恋愛年齢は恐らく中学二年生くらいで止まっている。

素敵な出会いがあればいいなぁと、
呑気に考えな

もっとみる