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2021年1~2月の耳がひかれたアルバム13枚(クラシック・ジャズ・ポップス)

1月と2月はこれら13枚のアルバムを聴きました。
どれもいいアルバムでした。

忙しい人のためのSpotifyプレイリストはこちら。
アルバムの1曲目が主に入っています。計52分。

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01. Over the Rainbow: Songs and Duets - Will & Kate James (2020)

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Release date : 2020 / 12 / 04
Label : Convivium Records
Genres : Classical

姉弟による透き通った歌声の息の合ったデュエット。

落ち着く。声のシャリシャリした成分が心地いい。少年少女合唱団特有のホワイトノイズが混じったような声。空気を含んだ柔らかい声いい。

デュエットで二声が絡み合う音楽いいよね。このアルバムはピアノが全曲に渡り参加しているので純粋な二声の音楽ではないが、このヴォーカル2パートとピアノの関係がまた気持ちいい。

演奏メンバーは、ソプラノは姉のKate James、ボーイソプラノは弟のWill James、ピアノはMalcolm Archer

Voのジェイムズ姉弟は現在、英国で声楽を学びながら聖歌隊を中心に活動している。
Pfのマルコム・アーチャーは英国で活動する作曲家、指揮者、オルガニスト。合唱曲を多く手掛け、合唱団の指導も行っている。

エンジニアは、録音にRonan Phelan、その補佐にMichele Catri、マスタリングにAdaq Khanがいる。

録音空間は、英国ロンドンのMaster Chord Studios

[参考]アルバムの詳細はこちら(Convivium Records

[参考]演奏音声はこちら ※2019年、アルバム収録曲ではない(Youtube)↓

動画では3番目(16:38)と、6番目(32:27)で姉弟がそれぞれ歌っている。
動画はBBCの少年少女聖歌コンクール(BBC Radio 2's Young Choristers of the Year)の様子。ここで上げた2019年のコンクールでは作曲家のボブ・チルコットが審査委員長をしている。ちなみに今回(2020年)は作曲家のジョン・ラターが審査委員をしている。豪華ね。こんなイベントがあったのね。

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02. 『優 Yuu』 無伴奏ヴィオール作品集(Yuu: Gentleness and Melancholy) - 上村かおり(Kaori Uemura) (2021)

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Release date : 2021 / 01 / 15
Label : Ramée
Genres : Classical

弦の響きの移りに聴き入るバス・ド・ヴィオールの独奏。

響きとアーティキュレーションに耳が離せなくなる。耳を澄ます聴覚体験いいよね。落ち着く。

なんだろう、不思議と耳が離せなくなる音楽ってあるよね。自分は聴者としての独奏が苦手で飽きてしまうことが多いのだが(集中スキルの欠如)、この演奏は最後まで耳が離せなかった。

この違いはなんだろう。前の旋律との呼応(対話)の間合いによって耳が離せなくなるのだろうか。もしくは残響音との呼応も大きいのだろうか。演奏中はその間合いや息遣いに自分も同調・同期して没入していた。

あと耳から入る音を逐次処理していく快感ていいよね。会話や演劇、コントや漫才、落語、朗読と根底を共有する逐次的な音声処理の快楽ってあると思う。このアルバムはその音楽の魅力があった。聴き入っていた。

演奏者は上村かおり。ベルギー、フランスを拠点とし活動するバス・ド・ヴィオール奏者。

使用楽器は、
ヨハンネス・ティールケのモデルによる7弦バス・ド・ヴィオール :フランソワ・ボダール1985年製作と、
製作者不詳の6弦バス・ド・ヴィオール(18世紀製オリジナル): ティルマン・ムテジウス修復。

録音空間は、ベルギー南東部ボラン、聖アポリネール教会。

[参考]本人のコメントとアルバムの詳細はこちら(HMV)

「音楽は悩みを一時の間和らげる」けれど「悲しみを抱き続けるために歌う」時もある。そんな歌が流行ったシェイクスピアの時代から、ヴィオールの音色はいつもメランコリーと共に在りました。憂いの横に佇む優しき人のごとく、不安や悲しみを共感や受容と調和させた音楽を、どうぞお聴きください。 (上村かおり)
英国ルネサンス期の異才トバイアス・ヒュームの名作に始まり、フランスの「偉大なる世紀」を彩ったサント・コロンブ父子やマレ、フォルクレ、そして18世紀のアーベルや近年ふいに発見されたテレマンの作品まで、一貫して「ひとりで弾く」という音楽のありかたを見据えた泰然自若の演奏には、世界のどこにいても自身の解釈姿勢を見失わない稀代の演奏家であればこその豊かさが息づいています。(輸入元情報)

[参考]演奏動画はこちら ※2013年、アルバム収録曲ではない(Youtube)↓

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03. ビーバー: レクイエム~17世紀ドイツ語圏の教会音楽 (Biber: Requiem) - Vox Luminis, Freiburger Barock Consort, Lionel Meunier (2021)

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Release date : 2021 / 02 / 26
Label : Alpha
Genres : Classical

落ち着く。

ビーバーのミサ曲いいよね。聴いてると各パートを口ずさみたくなるキャッチーさある。終わり二曲のフックスの曲も良かった。フックスはあまり聴いたことがなかったのでこれを機に聴き始めた。いい…。

演奏はVox Luminis(声楽)とFreiburger BarockConsort(器楽)。総監督はVox luminisのLionel Meunier

声楽団体のVox Luminisは、2004年にベルギーで設立された。
団体の創設者はLionel Meunier。バス(声楽家)。リコーダーにも精通している。

器楽団体のFreiburger BarockConsortは、1987年にドイツで設立された。

そういえば調べてたらこんな音源購入サイトがあった。

実際に購入した訳ではないが、ここでは音源と共にアルバム絵とブックレットをPdfで購入出来る。このような試みは今までBandcampかアーティストの公式サイトでたまに見る程度だった(ガッツリ調べてないので要出典)。ありがたい。増えて欲しい。

録音空間は、ベルギー、ボーファイの洗礼者聖ヨハネ教会(Église Saint-Jean l'Évangéliste (Beaufays, Belgium))

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

(今回は)ザルツブルクの巨匠ビーバーの傑作がプログラムの中心を占めています。
ハンブルクのベルンハルトに始まりウィーンの巨匠フックスで締めくくられる、ドイツ語圏の北と南のつながりを概観する選曲も絶妙。

[参考]Vox luminisの演奏動画はこちら ※収録曲ではない(Youtube)↓

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04. フィリップ・ヴェルドロ: 4声のマドリガル集 (Verdelot: Madrigals for 4 Voices) - Profeti Della Quinta (2021)

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Release date : 2021 / 01 / 15
Label : Pan Classics
Genres : Classical

真っ直ぐな声による澄んだハーモニーのイタリア・ルネサンスの合唱曲(マドリガル)

落ち着く。響きがピュア。一人一人の声も真っ直ぐ芯の通った発声で迷いない。旋律の始まりはスッとブレずに出て、旋律の終わりの音の収め方も丁寧。わお。

歌声や楽器の響きを聴いて胸や肩が開き背筋がピンとなることあるよね。自分だけかな。歌をやってる人の癖なのかな。その音の響きを再現するように姿勢や腹筋や胸肩の開きや眉や目が広がり耳の周りが開き動いたり?する。最終的には口が動いて似た響きを真似したくなり現実との差異を確認したくなる。結果それで真似できるかは置いといて、そんな歌い手の性(さが)というのある気がする。そんな聴者の身体感覚を呼び起こさせる音楽っていいよね。今ふと適当に思った。

演奏はEnsemble Profeti della Quinta。イスラエルのガリラヤ地方にてElam Rotemにより設立された古楽声楽アンサンブル団体。現在スイスのバーゼルを拠点に活動している。設立年は明示されてないが、最初のアルバムリリースは2009年。

設立者のElam Rotemは音楽監督、バス歌手、チェンバロ奏者。

録音空間はスイスのヴァルデンブルク・スタジオ。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

フランスに生まれて若くしてイタリアに移住、イタリア・ルネッサンス期のマドリガルの発展に大きく寄与したフィリップ・ヴェルドロ。1520年代はフィレンツェ教会音楽の権威として大聖堂のマエストロ・ディ・カペラも務める人物でしたが、1530年以降に彼の痕跡はほとんど残されておらず、メディチ家追放のいざこざに巻き込まれたという説もあります。このアルバムでは(おそらく彼の死後)1540年と1565年に編まれたアンソロジーから、4声部のマドリガルが選ばれ演奏されています。

作曲家フィリップ・ヴェルドロを全然知らなかった。へええ。いいのう。

[参考]収録曲の演奏動画とコメントはこちら(Youtube)↓

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05. Songs - Stav Goldberg (2020)

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Release date : 2020 / 05 / 31
Label : NaNa Disc
Genres : Alternative

落ち着く

音の間合いがいい。音の余韻を十分に生かした演奏。声の低音も落ち着く。

Stav Goldbergはイスラエルのエルサレムを拠点に活動しているアーティスト。

[参考]個人サイトによるアルバムレビューはこちら(Música Terra)

[参考]収録曲のMVはこちら(Youtube)↓

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06. Whispering - Maë Defays (2020)

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Release date : 2020 / 01 / 17
Label : Regards Créoles
Genres : Funk

チルな落ち着くダウンなビートと伸びのある歌声

こういうのツボ。ジャンルはネオソウルになるのかな。耳をひく歌声、ダウンビートを意識させるグルーヴ、各楽器の音色の選択による統一された音の空間(音色の調和)、どれもいいなあ。
ちなみにこのアルバムではボーカルはフランス語と英語で歌っている。

Maë Defaysはフランスで活動するシンガー。ギターやピアノも演奏する。カリブ海のグアドループ(フランスの海外県)で育った経緯からクレオール語の影響もあると公言している。

[参考]アーティストの詳細はこちら(公式)

[参考]インタビューはこちら(MCE)

« Mes influences musicales sont assez diverses (…) j’ai beaucoup écouté de New Soul, donc la discographie d’Erykah Badu, D’Angelo, Jill Scott. J’écoute aussi beaucoup de musique du monde, de Guadeloupe, parce que je suis originaire de cette île »

機械翻訳だが、影響にはErykah Badu、D'Angelo、Jill Scott、とネオソウル(インタビューではNew Soulと言っている)のアーティストを挙げている。

[参考]インタビューはこちら(soul-kitchen)
またこのインタビューでは新旧12曲のお勧めの曲について語っている。Soul・Jazz中心。まさに今の時代を構成してる音楽って言ってもいい選曲。面白い。

[参考]収録曲の演奏動画はこちら(Youtube)↓

身体のリズムの乗り方、手の動き、唇周りと目の動き(眉とおでこの部分)、その他全ての動きがアーティキュレーションや音楽のグルーヴに一致してる。全身が楽器になってる。格好よ。

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07. Bedroom Revelations - THE CHARM PARK (2021)

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Release date : 2021 / 02 / 03
Label : A.S.A.B
Genres : J-POP

柔らかい空気感のあるナイロン弦によるギターポップ。

日本語詞と英語詞はアルバムの中で半々。02.君と僕の歌の雰囲気いい。こういう感傷的に胸をくすぐるような曲はどストライク。

THE CHARM PARKCharmによるソロプロジェクト。韓国、アメリカと移り過ごした後に、現在日本に移り活動している。
複数の言語と音楽文化に慣れ親しんだ人の作る音楽特有の垢抜けたポップスいいよね。なんだか肩の力を抜いた洒脱さある。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

[参考]インタビューはこちら(digle magazine)

ー今作に影響を与えた音楽ってありますか。
ベッドルームポップを作っているアーティストたちです。彼らには“部屋で録っているのがバレても良い”っていう大胆さや、自信がありますよね。今までの僕では、“ベットルームで作っているのに、スタジオと変わらないクオリティで出したい”っていう自分がいたんですが、今回は自分の部屋で録った音をそのまま自信を持って聴かせようという気持ちがありました。

ベッドルームポップというジャンルがあったのね。起源は2000年代~2010年代前半で、2010年代後半から広がったジャンルとのこと。スマホ録音や配信生放送のような生っぽい空間味があるのが特徴。いい…。

[参考]収録曲の演奏動画・MVはこちら(Youtube)↓

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08. 創作 - ヨルシカ (2021)

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Release date : 2021 / 01 / 26
Label : UNIVERSAL MUSIC LLC
Genres : Rock

映像を想起させる歌詞、焦燥感のあるロック

ヨルシカの焦燥感好き。聴いて胸がざわつく。個人的に感情をぶつけられて胸がざわつく体験は苦手なので最初は避けていたが前作の盗作を聴いてから半年ほどで慣れてきた。いい…。

低音がしっかり出る力強いボーカルの声いいなあ。

5.嘘月のこの歌詞好き。

僕は愛を、底が抜けた柄杓で飲んでる
本当なんだ 味もしなくて
飲めば飲むほど喉が渇いて

ヨルシカはコンポーザーのn-buna、ボーカルのsuisによる2人組のロックバンド。

Rec&Mixのエンジニアは松橋秀幸。マスタリングでも多くの曲を担当している。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

[参考]インタビューはこちら(公式)

僕にとっての今回の「創作」の価値は「作品を鑑賞する人の姿」にある。でもね、それらの意図を知らずに鑑賞する姿って、きっと作品にとっては間違いじゃないんです。僕ら作者にとっての意図が何なのかなんて、本来作品の美しさには関係のない、ただの情報でしかない。美術館で見た見知らぬ絵画や、ふとラジオから流れてきた曲に心を奪われる瞬間が存在するように、創作の根本の価値に必ずしも情報は必要じゃない。そのメロディが美しい理由を誰もが知る必要なんて、本当は無いんです。

いいよね…。

[参考]アルバムの紹介動画はこちら(Youtube)↓

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09. 盗作 - ヨルシカ (2020)

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Release date : 2021 / 07 / 29
Label : UNIVERSAL MUSIC LLC
Genres : Rock

前のアルバム紹介に続きこちらもヨルシカ。

09.夜行好き。歌詞の映像感いい。言葉の音の乗り方いい。言葉と音の相乗効果いい。

はらはら、はらはら、はらり
晴るる原 君が詠む歌や 一輪草
他には何にもいらないから
波立つ夏原、涙尽きぬまま泣くや日暮は夕、夕、夕

Rec&Mixのエンジニアは松橋秀幸。マスタリングも何曲か担当している。アルバム「創作」と同じ。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

[参考]インタビューはこちら(ダ・ヴィンチ ニュース)

[参考]収録曲のMVはこちら(Youtube)↓

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10. Sacred Hearts - Rick Margitza (2021)

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Release date : 2021 / 02 / 05
Label : Le Coq Records
Genres : Jazz

調和が心地良いサックス奏者をリーダーとしたジャズ。

作曲の構築いいなあ。心地よいまとまりがある。落ち着く。

リーダーはRick Margitza(sax)。パリで活動するサックス奏者。2003年まではアメリカで活動していた。

メンバーは他に、ピアノがManuel Rocheman、ギターがJake Langley、同じくギターとバンジョーがliver Louvel、ベースがPeter Giron、ドラムがJeff Boudreaux、パーカッションがAlex AcuñaXavier Desandre Navarre、ボーカルがChloe Cailleton-vocalsPierre de Bethmannとなっている。

[参考]アルバムの詳細はこちら(monart)

[参考]収録曲の演奏動画はこちら ※2017年(Youtube)↓

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11. TRIO - John Patitucci, Vinnie Colaiuta & Bill Cunliffe (2021)

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Release date : 2021 / 02 / 19
Label : Le Coq Records
Genres : Jazz

楽器の会話が楽しいトリオのジャズスタンダード曲集

ベースが気持ちいい。聴きながら口ずさむと楽しくて幸せになる。ドラムもいいなあ。安定感による心地よさと、急に細かい音をモタれなくしれっと刻んでくるスリリングな刺激が同居してるドラム。めっちゃタイト。楽しい。

07.Step To Heavenでの刻むハイハットいいよね。あと曲としては初見だが07.My Shining Hourの演奏いい。

メンバーはベースがJohn Patitucci、ピアノがBill Cunliffe、ドラムがVinnie Colaiuta。皆アメリカで活動している。

ドラムのVinnie Colaiuta、初めて知ったがかなり知名度のある方だったのね。「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」において14位だった。なそにん
そのドラム奏者のヴィニー・カリウタは、ジョニ・ミッチェル、トム・スコット、スティング、ザッパのアルバムに参加していた。日本では松任谷由実、中島みゆきのアルバムのいくつかにも参加していた。あとSMAPの1995年のアルバム「SMAP 007 Gold Singer」にも参加していた。へええ。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

[参考]収録曲のMVはこちら(Youtube)↓

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12. Big as a Mountain, Small as a Pin - Paul Edis & Graeme Wilson (2020)

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Release date : 2021 / 02 / 14
Label : Edis Music
Genres : Jazz

ピアノとテナーサックスの掛け合いを聴くセロニアス・モンク曲のセッション集

曲はどれもセロニアス・モンク作曲。モンク曲特有の楽器がじゃれ合うような楽しさと、楽器が少ない故の斬り合いのような緊張感がある。

スローテンポの曲はしっとり聴かせてこれもまたいい。

演奏はPaul Edis(Pf)とGraeme Wilson(sax)。
ピアノ奏者のポール・エディスはロンドンを拠点として活動している。
サックス奏者のグレアム・ウィルソンはイングランド北東部のニューカッスルを拠点に活動している。

エンジニア(録音・ミックス・マスタリング)はRoderick Buchanan-Dunlop

録音空間はスコットランド、エディンバラのリードコンサートホール(the Reid Concert Hall, Edinburgh)
このホールは残響の少ないドライな音響空間としてデザインしてあるとのこと。確かに録音がパリッと聴こえる。そのドライな響きはモンクの曲とそのパラパラした演奏を際立たせている。

[参考]アルバムの詳細はこちら(Paul Edis(Pf) 公式サイト)

[参考]アーティストの演奏動画はこちら(Youtube)↓

教会の中でのパイプオルガンとサックスのセッションという面白いことをやってる。教会の音響空間とサックスの組み合わせいいよね…。

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13. Bach: Goldberg Variations (Extended Edt.) - Lang Lang (2021)

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Release date : 2021 / 02 / 12 ※通常版リリースは2020/09/04
Label : Deutsche Grammophon (DG)
Genres : Classical

声部がハッキリと見えるパリッとしたピアノ演奏によるバッハのゴルドベルク変奏曲

スタジオ録音とライブ録音が両方入っている。ここではスタジオ録音を聴いた感想について書く。

これでもかってぐらい強調したい音を強調してる。この曲の流れでこの一音を強調するとこの和音や旋律・声部、ビートが映えるよねってところをズバズバとアクセントかけてくる。初めはそれがやりすぎかよ、正確無比なピアノマシーンかよ、俺はもっとアクセントのかかってない全てが溶けた方が好みなんだ、静かな方が好みなんだそっとしておいてくれ、こんな弾き方ありかよ、と思ったが、頭の片隅では気になり続けて半年間聴き続けていたら慣れてきた。いい…。こう曲の構造が分かりやすいのいいね。

今ではこの強調したい音をこれでもかと強調する演奏を聴くのが癖になっている。エンターテイメント度が高い。こういう演奏って娯楽としての音の快楽が半端ない。あとリズムをかなりハネて演奏していて、グルーヴも歪な円運動のように気持ちよくガタンゴトンと回っている。しかもレガートも保ちながらで音色も柔らかい、そしてアクセントとしての音色の硬さも時には使っているって書いてみるとなんでもありで支離滅裂になるなあ。楽しい。

演奏はLang Lang(郎 朗)。中国のピアニスト。

エンジニア(録音・ミックス・マスタリング)はPhilip Krause

録音空間について、
一つ目の演奏はスタジオ録音で、ベルリン、イエス・キリスト教会 (Jesus-Christus-Kirche in Dahlem)
二つ目の演奏はライブ録音で、J.S.バッハゆかりの地、ライプツィヒ、聖トーマス教会 (St. Thomas Church in Leipzig)となっている。

ちなみに録音時期はアルバムの順序と逆。一つ目のスタジオ演奏が後、二つ目のライブ演奏が先となっている。

ちなみに二つ目のライブ録音の演奏はリミッター解除されてるのかグイグイ進んでいく。これもこれで魅力ある。テンションが上がる。ただ奏者の頭の回転の速さに付いてくのが大変で心がざわつきエネルギーを使うので、未だ音楽を素直に聴ける状態に持っていけてない。もそっと聴いて慣れるまでは感想お預け。

[参考]アルバムの詳細はこちら(TOWER RECORD)

[参考]インタビューはこちら(udiscovermusic)

今から2年前、有名な古楽演奏家のアンドレアス・シュタイアーと出会い、彼の豊富な知識が非常に参考になりました。シュタイアーはピリオド楽器のフォルテピアノと現代のモダンピアノをどう弾き分けるべきか、とても深く熟知しています。それだけでなく、バロック音楽の装飾音の加え方、カノンの役割、アーティキュレーション、リピートなど、シュタイアーの意見がとても参考になりました。
(アーノンクールの自宅でゴルトベルク変奏曲を弾いて)
するとアーノンクールが「この作品を弾くときは、感情をすべて注ぎ込まなければいけない。単にアカデミックに弾くのではダメだ。ベートーヴェンを演奏するのと同じように、この作品も自由に演奏しなくてはいけない」とアドバイスを与えてくれました。
そしてアーノンクールは「音の孤独を表現しなくてはいけない。あたかも、地球上にたったひとり取り残されたようにね」と言うと、指揮をするように大きく手を動かしながら、フレーズを歌い始めたんです。「ワォ!バッハをこんなにロマンティックに演奏できるなんて!」と驚きました。
アルンシュタットでは、ライプツィヒの著名なバッハ学者と話す機会もあり、多くの貴重な資料を見せてもらいました。例えば、バッハの作曲環境ですが、彼は静寂に包まれた部屋の中で作曲していたわけではないんですね。まるで、子どもたちが大勢集まるパーティーのように、つねに誰かが何か音楽を奏でている環境の中で、あれだけの作品を作曲していったのです。とても興味深いですね。

面白いエピソード多いなあ。詳細もっと知りたい。特に三つ目のバッハの作曲環境について気になる。

[参考]収録曲の演奏動画はこちら(Youtube)↓

わお。贅沢。音楽家の演奏しながらの解説いいよね。スッと入ってくる。

余談だけどNHK Eテレでやってたピアノ・オペラのスーパーレッスンシリーズいいよね。実際に受けるとメンタルクソ雑魚だから吐き気しかしないが、距離を置いてこういう動画と対峙すると面白くて楽しい。物事を深く突き詰めた人による語る言葉いいよね…。

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おわりに

アルバム情報はAmazonとAppleMusicに準拠。
アルバムの順番は順不同。順位ではないです。

ジャンルはClassicalが5枚、Jazzが3枚J-POPが2枚Altanativeが1枚、Funkが1枚、Rockが1枚含まれています。

また今回取り上げたアルバムの内、個人的な関心と親しみのあるジャンルとして合唱が3枚、古楽が4枚、日本語詞が3枚含まれています。

去年までの前置きの文章は長くなりすぎたので一旦リセットしました。
時間を置きすぎると過去の言葉に縛られすぎるきらいがあるので。
また少しずつ増やしていきます。

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こいつまた感想に落ち着くしか書いてないらしいですね。

今回のブログでは2020年のアルバムが何枚か入っています。
自分は知らない音楽に慣れるのが1ヶ月~半年ぐらいかかるので、あと半年ぐらいは去年のアルバムも混ぜていく予定です。多分。

そういえば、最近聴いたこの音楽の音の動きが(いい意味で)気持ち悪くて気持ちよかったです。

まちカドまぞくOP「町かどタンジェント」作曲: 辻林美穂 (2019年)

そういやループ系ゲームLoop Hero面白いよ。Loop Hero。

オワリ

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最後まで読んでくれてありがとうございます。よかったら「スキ」も押してくれると嬉しいです💐

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