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TWICE 『CHEER UP』はなぜ国民的ソングと称されるのか?

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I. はじめに

この記事を執筆した2021年は、第4世代のガールズグループの活躍が顕著に見られた年でした。音源成績の強いルーキーが次々と出てきたことで、「頼もしい!!」と思える反面、(推しが第3世代なので)少し寂しくも感じる複雑な心境です() 

今回の記事は、第4世代…ではなく、一つ前の第3世代の代表グループ TWICE がまさにルーキーだった頃の話です。例えば、aespaが "Next Level" で大ヒットさせたように、TWICEは "CHEER UP" をヒットさせ、スターダムにのし上がりました。

韓国では、錚々たる "国民的ソング" の中の一つとされているTWICEの『CHEER UP』ですが、本題に入る前にまずこの曲について説明をしなくてはなりません。

『CHEER UP』は韓国の女性アイドルグループであるTWICEが、2016年4月25日にリリースした曲です。

TWICEは、韓国における三大芸能事務所の一つであるJYPが輩出する新しい女性アイドルグループ、そしてオーディション発のグループということもあり、注目が集められていました。しかし、デビュー曲 "優雅に (Like OOH-AHH)" は、同じ事務所の先輩であるMiss Aのデビュー曲 "Bad Girl, Good Girl" のような音源成績を残すことはできませんでした。

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デビューから半年が経ち、序盤(つまり初動)こそ苦しんだ "優雅に (Like OOH-AHH)" が複数に分けて徐々にチャートを逆走する異例の推移を見せ始めます。

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1月第2週と2月第2週に週間7位(ピーク)を記録。2回も!!

そして!!!ついに『CHEER UP』が発売されます。結果的に、この曲は韓国内に巨大なムーブメントを引き起こします。

メンバーの1人、サナのパートである "Shy Shy Shy" が、韓国内で大ウケ。同曲は歴史的な大ヒットを記録し、最終的に韓国最大手の音源チャート MelOnで、年間1位を獲得。"Shy Shy Shy" は流行語となり、TWICEは晴れて第3世代の女王となりました。

と、ここまでは周知の事実なのですが、どのくらいすごい記録を残したのかいまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

なぜ国民的ソングと言われているのか…? 今回は、韓国のウィキ式オンライン百科事典『나무위키 (Namuwiki) 』にまとめられている『CHEER UP』の記録をそのまま和訳していこうと思います。

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参考: https://namu.wiki/w/PAGE%20TWO
韓国版のユルめのWikipediaとでも言いましょうか。論文で使うのはアウトなのですが、今回はnoteですのでお許しください(笑)

KPOPの本場、韓国のサイトということもあり、かなり細かくまとめられています。これを見れば、どれだけ『CHEER UP』が凄かったのかお分かりいただけるかと思います。

II. 『CHEER UP』の凄さとは

以下、Namuwikiの内容を抜粋和訳です。一部加筆しています。

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TWICEの2枚目のミニアルバムとして2016年4月25日に発売された。​

激しい争いだった2016年第2四半期、カムバック大戦の勝利をTWICEにもたらしたアルバムで、タイトル曲の『CHEER UP』が2016年MelOnミュージックアワード 及び Mnetアジアミュージックアワード、2017年のゴールデンディスク授賞式でそれぞれベストソング、今年の歌賞、デジタル音源大賞部門を受賞するなど、1年間で最も愛された曲に選ばれた。

また2016年Melon年間チャート1位、リアルタイムチャート1位累計時間1位、gaonチャート2016年デジタルチャート年間1位などの桁外れな記録を打ち立て、TWICEをトップクラスのガールズグループに成長させたアルバムだ。

(中略)

・2016年4月25日にMVと音源が公開された。Lovelyz、SEVENTEENと善意の競争(≒切磋琢磨)をすることになった。特に、メンバー数も似ているLovelyzとの競争はマスコミにも注目された。 韓国最大音源サイトMelOnで公開され、デビュー成績が反映される4月25日午前1時、2016年ガールズグループの中で初めて1位を達成した(当時は午前0時発売が主流)。

・以後午前2時、7大音源チャートを席巻してオールキルを達成。 4月25日午前7時から音源チャートで天井キックを達成している。

・4月27日午後6時30分、発売3日目にichartのPerfect All-Kill(PAK)を達成した。 五輪開催直前の時期であるため、多くのグループがアルバムを順番に発表する時期にカムバックしたが、発表されてから20日が過ぎても、AOA、BTS、チョンウンジ(Apink)、AKMU、SEVENTEEN、Block B、10CM、Crush、Eddy Kimを押しのけて1位をしっかり守った。

【ネチズンの小噺①】リアルタイムでは3位まで落ちてもいつの間にか1位に戻るのが "Like OOH-AHH" の時を連想させる。

・5月16日午前0時30分、25回目のPerfect All-Kill(PAK)を達成した。

・5月21日午前5時、MelOn音源チャート 2016年の楽曲の中で最も長く1位を達成。

【ネチズンの小噺②】(『CHEER UP』は)平均610万ストリーミングで、オフシーズンには400万台でも1位を占め、ヒット曲も500万台であることを考えれば、途方もない数値だ。

・6月2日時点、MelOnでの1位累積時間が562時間を突破。

・しかし、これで終わりではなく、6月28日午後8時時点で、MelOnリアルタイムチャート6位。

【ネチズンの小噺③】『SHOW ME THE MONEY』の音源を除けば、SISTARの『I Like That』に次ぐ2位だ。 すごい。

以降、『SHOW ME THE MONEY 5』の音源が毎週6~7曲ずつ出たにもかかわらず、週間チャート10位以内に一度も抜けていない姿を見せている(...!!)。 結局、『SHOW ME THE MONEY 5』の音源がすべて公開された後、再びリアルタイム順位が上がり、7月19日午後10時時点でもMelOnリアルタイム6位を記録している。

・8月1日、MelOnでTOP5入り11週を記録し、2010年以降の最長記録を更新。また、14週連続TOP10を達成し、『真夏の夜の蜂蜜 (San E x レイナ)』と(2010年以降での)タイ記録を立てることになった。

・gaon、MelOn、Mnet、olleh、Genie、Soribada、NAVERミュージック、Monkey3チャートで全て5月の月間1位を達成した。

・8月4日時点で再び音源チャートで上昇傾向を見せており、gaon 6位、MelOn 5位、Mnet 11位、olleh 9位、Genie 4位、Soribada 9位、NAVERミュージック 6位、Monkey3 6位を記録している。

・8月8日に発表された8月1週目のMelOn週間チャートでも相変わらず5位。 8月11日発表された8月1週目のgaonデジタル総合チャートでも6位を記録している。 4月26日に発表された歌が3ヵ月以上、依然として各種音源サイトの上位圏にとどまっているというのが驚くべきことだ。

・8月3週目のMelOn週間チャートでTOP10を維持し、17週連続TOP10入りという大記録を作り、所属事務所の先輩たちの伝説のような曲(Wonder Girlsの『Tell Me』)に並び、ガールズグループ最長のMelOn週間チャートTOP10入りを達成した『Tell Me』が公開されて約9年越しの記録達成だった。

【筆者加筆①】現在の最長記録はNewJeansの『Hype boy』で49週。

・ガオンチャート42週目に2016年における累計ストリーミング数で1位に浮上した。 推移を見ると、2016年1位が確実となっている。

・Genie累計ストリーミングチャートで1位を達成した。
 - 2016年11月17日午前6時40分にYouTubeのMV再生数が1億回を突破し、同日に集計されたgaonチャートのストリーミング回数でも1億を突破した。発売から207日での記録で、KPOPガールズグループとしては初、ボーイズグループを合わせても2番目の記録である。

【ネチズンの小噺④】『CHEER UP』は史上最短でgaon1億ストリーミングを達成した。YouTube と gaon の両方で1億回を男女初めて達成したのは2015年に発売されたBIGBANGの『BANG BANG BANG』だった。


・2017年1月13日に発表された2016年gaon年間チャートでデジタル総合チャート1位となった。

・2016年MelOn年間チャートでも1位となる。

・2017年2月22日、第6回ガオンチャートミュージックアワードで、今年の歌手賞 デジタル音源部門4月1位・10月1位を獲得し、音源部門2冠に輝いた。

・1年経った2017年4月25日、女性グループとして初めてリアルタイムチャートから外されることなく、1年間チャートインに成功。結局、2017年7月30日22時まで連続でチャートインし続けた。

・2017年6月15日、MelOnへのチャートイン1万時間突破。 音源発売以来、100位圏外に一度も出ることなく1万時間が経ったが、午後の時間帯には40位台まで順位を上げる奇異なロングランを記録している。

・2017年6月22日、gaonチャート60週目に累計ストリーミングで韓国史上3位に浮上した。

・2017年8月13日、MelOn週間94位を記録し、68週TOP100入りを達成。ガールズグループ歴代最長となった。

【筆者加筆②】現在の女性グル最長記録はIVEの『LOVE DIVE』。

・2017年MelOn年間チャート74位を記録した。 2016年4月に発売された曲であることを考えると、2017年も良い成績を収めたと言える。

・2017年8月24日を最後にチャートアウト。発売から1年4ヵ月で音源チャートから外れてしまったが、KPOPガールズグループ史上最高のヒット曲の一つとなった。達成当時の記録を以下にまとめる。

 - 2016年 MelOn年間チャート → 1位
 - 2016年 gaon年間チャート → 1位
 - MelOn TOP10入りした週数 → 女性グループ1位
 - gaon TOP10入りした週数 → 女性グループ1位
 - 女性グループ 歴代最長チャートイン → Melon 66週 / gaon 68週
 - gaon歴代最多ストリーミング → 2位
 - 韓国歌謡初となる ストリーミング1億回 + YouTube 1億回達成
 - 韓国女性歌手で初となるMelOn週間人気賞5冠を達成

・2016年4月25日に発表され、2016年のダウンロードおよびストリーミングの記録が除かれたにもかかわらず、2018年1月12日に発表された2017年gaon年間チャートでデジタル総合チャート91位を達成し、2016年に引き続き2年連続で100位以内となる。

III. まとめ

いかがだったでしょうか。「これこそ国民的ヒット曲だ」といえるような記録のオンパレードです。

『CHEER UP』のヒットぶりは凄まじく、MelOnでの最長チャートインの当時の記録(それもTell Me!!)に並ぶなど、デビュー半年の新人としては異例となる記録を打ち立て続けました。結果的にその年の年間チャートで1位を達成するなど、一躍人気アイドルとなったTWICEは、次のリリース曲である "TT" もヒットさせ、音源女王へと変貌していきました。その後の活躍はご存知の通りです。

国民的ヒットがもたらした影響はあまりにも大きく、リアルタイムチャートで1位を取れる大衆人気だけではなく、順位を維持するのに必要なファンダムも急速に拡大し最高火力に。特に路線変更前のTWICEは、言ってみれば敵なしの状態で、リリースした曲全てを大ヒットさせていました。MelOnにチャートインした週数が20週を割ったタイトル曲は『Alcohol-Free』までひとつもなく、そのうちの2つはMelOnチャートで1年以上チャートインさせています。

皆さんがこの記事をご覧になるときには、『CHEER UP』がリリースされてから何年が経っているでしょうか。この記事を執筆した2021年には、aespaが2曲連続でヒットさせ、STAYCもロングランを記録、デビュー間もないIVEもMelOn TOP100やFLOでトップ10に進入するなど、第4世代の活躍も見られるようになりました。TWICEが実際に筆頭となったように、世代交代は、デビューまもないグループが楽曲を国民的にヒットさせて引き起こるものです。例えば、第1世代から第2世代への世代交代は、少女時代による国民的ヒットソング "Gee" が確定させました。もちろんその他にもたくさんの楽曲がそれに関与しましたが。

TWICEのように、世代交代を促すような国民的ヒット曲がこれから出てくるのでしょうか…?一体誰が出すのでしょうか…?これからのKPOPの動きに目が離せません。

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