私の不思議体験 「二宮さん(仮名)」
※写真はイメージです。
お題に「#私の不思議体験」ってのがあったのでひとつ。
遥か昔、大学生の時。
当時からずっと私は「駅でいうと笹塚」な場所に住み続けているのですが
気ままな生活ができる大学生、終電間際にふと思いついて
同じ京王線沿線の下高井戸の友人の部屋に遊びに行くことに。
そこでしばらく時間をつぶしたあと、
さらに沿線の千歳烏山の友人のところへ行こう、
という話になり下高井戸を出発。
終電は終わっているので当然ながら歩きで。
甲州街道という大きな道があるのですが、
そこは通らず。並行している路地を歩いておりました。
クルマ1台がやっと通れるくらいの狭い道、
両側は今ではあんまりみかけなくなったコンクリートの薄い塀です。
時刻は草木も眠る丑三時か、ちょっと前くらいでしょうか。
しばらく歩いていると、自転車を押した女性2名が前方に。
近づきすぎて痴漢か変質者か?? と怖がられたり疑われたらたまらんし、
で、適度に距離を保ちつつ、です。※7~8mくらい??
下手くそな絵で説明するとこんな感じ。実際もっと狭い道です。
と、その時です。
道の向こうから、全身白い服(多分ワンピース)の女性が
こちらに歩いてくるのが目に留まりました。
ずっとまっすぐ歩いてきたのではなく、
角を曲がって現れた感じ。距離にして20mくらいでしょうか。
私は友人と話しながら歩いているので
気に留めず、誰かいるなあ、という程度です。
しばらくすると、前を歩いていた女性二人の
「なにあの人」「なになに」という声が聞こえます。
めっちゃ怖がっている声です。
そこで改めて前から歩いてくる女の人に目をやると
膝くらいのスカートがまず目に入ります。
第一印象は「きれいな足、細い」
別に私は足フェチではありませんが、
今も残っている印象はそれ。
だんだん近くなると
その女性は両手で白い本を開いて読みながら?? 歩いていることを認識。
いってみれば「二宮金次郎の銅像」のような感じですが
銅像とは違い、両手で顔にべったりと白い本を押し当て
「それじゃ前が見えないでしょ」な状態なのに
スタスタと早足で近づいてきます。
※便宜上??名前を「二宮さん(仮名)」にさせていただきます。
さらに、その状態のまま、前方にあった電柱も「ひょい」とかわして
いよいよすれ違うことに。
先ほどの絵に描き加えると ↓↓のような状況です。
いよいよすれ違いの時。
下手くそな絵では距離があるようですが、
実際は肩がぶつかりそうなくらいの至近距離。
そして
「二宮さん(仮名)」が顔に押し当てている本を見て
「ぞぞぞぉーーーーっ」。
背筋が凍るってのはこういうことをいうんだと実感。
二宮さんが両手で顔に押し当てていた白い本には
新聞の顔写真のように細かいdotで顔が……。
こんな感じです。
実際見た顔はもう少し鮮明で、dotが細かい感じ。
上のように微笑んでいるようでははなく、
かといって、恨みや怨念がこもっているようでもなく……。
感情がないというか無表情。
もしも感情がこもっていたり表情があったら腰を抜かしていたかも。
結局、そのままやり過ごし、
怖すぎて後ろを振り返ることはできませんでしたが
いったい何だったのでしょう「二宮さん(仮名)」。
足があるので幽霊ではないはず。
今でもこの時一緒だった友人と会うと
あれはなんだったんだろう、という話になります。
さしあたってカメラの修理か買い替えに充てられれば。