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※注意!!心理的安全性が高い職場はパフォーマンスさげてしまう!

2015年にGoogleは、どういったチームが仕事のパフォーマンスを上げているのか、180のチームを対象に4年もの歳月をかけて調査しました。そこで導き出された答えが「心理的安全性」だったのです。

心理的安全性とは、「チームの誰もが、非難される不安を感じることなく、自分の考えや気持ちを率直に発言できる状態」のことを指します。それにより、失敗を恐れず挑戦ができる職場へと変わり、イノベーションが加速されると結論づけたのです。

しかし本当にそうなのでしょうか。なんでも言いやすい職場は、生産性の高い職場といえるのでしょうか。


過度に高い心理的安全性はパフォーマンスを下げる

「心理的安全性」という言葉は、最近では様々なところで耳にするようになりました。そして多くの経営者やリーダーも、心理的安全性の高い職場にしようと躍起になっているように思えます。

しかしペンシルベニア大学ウォーントンスクールのピーター・キャペリ教授らは、詳細な調査の結果、必ずしも心理的安全性が高いからといって生産性が高いわけではないということを明らかにしました。

たしかに、グーグルのような創造性の高い職場であれば、心理的安全性が高いことで仕事のパフォーマンスは高まります。失敗を許容し様々なアイデアが実行できれば、イノベーションは加速します。

しかし、ルールに従い定型的な業務を繰り返すことが求められるような仕事の場合では、過度に高い心理的安全性は、かえって仕事のパフォーマンスを低下させてしまいます。ルールを徹底させるという規律がなければ、業務は破綻してしまうからです。

小売業や医療では心理的安全性よりルーティンが重要

たとえば、小売店で店員が新しいアイデアを試したりすることは業績を向上させることにつながるかもしれませんが、在庫管理や商品棚の管理といった日常のルーティンを疎かにすることはできません。レジ操作は常に正しく標準化されていなければ、顧客のサービスを担保することはできません。

また、看護師が病床の日々の業務で患者の世話をする際に、イノベーション精神を発揮してリスクのある行動を取ることは避けてほしいものです。

たたしかに職場がピリピリし、いつも上司の目を気にしているような会社では、従業員が高いパフォーマンスを発揮することはできないでしょう。
しかし「なんでもOK」というような雰囲気では、逆に従業員の責任感に欠ける行動を誘発してしまうかもしれません。また心理的安全性を高めようと、注意すべきときに厳しいフィードバックを部下にできないようでは、職場の秩序を保つこともできません。


AIや自動化により、定型的な繰り返し作業を人間が行うことは少なくなってくると思います。そういった意味では、心理的安全性を高めて、より創造的にクリエイティブな業務が人には求められます。しかし、たとえクリエイティブが求められるようになったとしても、職場のルールを徹底させることは欠かせないのです。


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