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辛さを人と比べなくていい(Maple✕Amy朗読会の感想)

結婚式や披露宴には感動する場面がたくさんありますよね。

涙もろい私は、すぐ泣きます。でもこれはあくまでゲストとして招待された時の話。

司会としてその場に立つとき、「副業だし」なんていう言い訳は通用しません。

プロとしてその場に立つ以上、涙で言葉に詰まって話せない…なんてことがあってはなりません。

そんなわけで、仕事の時にはいつも意識的に涙スイッチを切っていました。

うっかり涙?!

しかし、それも今となっては過去の話。

先日、エイミーさんが企画してくださった朗読イベントがありました。

私が "Yuki in the Snow" を朗読し、続いてエイミーさんがご自身の作品『こぼれる』を朗読するという流れです。今回は2回目ということもあり、かなりリラックスした状態で始めることができました。

むしろ、気を抜き過ぎていました。まさか涙スイッチが入ることになるとは思いもせずに…

初めに私から物語に込めた思いや背景などお話させていただいた後、参加者の方から簡単な自己紹介がありました。

そしてその時はやってきます。

早記さんの涙…

涙スイッチを切ることなどすっかり忘れていた私は思わずもらい泣きしそうになってしまいます。

なんとか耐えたものの、どこかネジが緩んでしまった状態というか、顔から全体的に水分がこぼれそうな状態に…

エイミーさんにお願いして少し時間をいただき、一呼吸。

これが司会の仕事だったら、まさに失格案件だったなぁ…なんて思いながら朗読に入りました。

鼻をすすらないように気をつけながらいつものウキウキ感とは少し違った朗読になったような気がしています。読み手としてこんなことを言っていいのかわかりませんが、私にとっては特別な朗読になりました。至らない点もあった中、温かい言葉をいただけたこと感謝しています。ありがとうございました!

色々こぼれる

続いてエイミーさんの『こぼれる』が読まれ、それぞれ感想をシェアする時間になりました。

皆さんなぜか涙、涙。まさに涙がこぼれる、感情がこぼれる事態に…

初めの早記さんの涙でみなさんの中で何かが緩んだに違いありません。そこにエイミーさんの小説の内容、さらには朗読する声が重なり、みなさんの中で思いがあふれ出たような様子に見えました。

変な言い方ですが、私はその場にいられたことがとてもうれしかったです。はっきり言って私はみなさんの涙に関係していないのですが、少なくともホッとできる場所にはできたのかなと。(←拡大前向き解釈)

そして、

「今日のテーマは『こぼれる』ですね」とドヤ顔で言ってしまいました。

エイミーさんの作品にかけてうまいこと言ったでしょ感を出してしまった私。こういうところがねぇ…わかってますよ、悪い癖です。

とそれはさておき、この日の一連の流れはとても不思議な体験でした。
というのも、張り詰めた空気、感動する空気、といった感情と共鳴する空気感はその場を共有してこそ感じられるものだと思っていました。

今回の場合は涙でしたが、オンライン上でこうした感情の共鳴が起こったことはなんだか面白い現象だなと。最近始めたばかりのオンラインでの交流ですが新しい発見がまだまだできそうだな~なんてワクワクも感じました!

もちろん直接会うことの魅力もたくさんあると思いますが、こんな時ですし、与えられた環境の中で楽しいことを見つけたいと思っている中、このようにリアルに近い体験ができたことは引きこもり生活に光を与えてくれたような気がします。

辛さを比べなくていい

今回の朗読会終了後、私はあるドラマのセリフを思い出しました。

「辛さを人と比べなくていい」

これは朝ドラ『おひさま』の中のセリフで、満島ひかりさん演じる育子にかけられた言葉です。

セリフを一語一句、正確には覚えていませんが、こんな流れだったかと

「戦争で家族を失い苦しんでいる人に比べたら私の苦しみなんて…私なんて辛いとは言えません。」

という育子に対して、

「辛さを人と比べなくていい、あなたはあなたなりに苦しんだのだから」

というセリフが投げかけられたのです。

ちょうどこのドラマが始まって間もなくして、私は不妊治療との兼ね合いで正社員の仕事を辞めました。(そんなわけで朝ドラを見られる時間に家にいました。)当時、私なりにたぶんとても苦しかったんです。でも誰にも言えませんでした。

別に命に関わる病気でもないし、仕事を辞められるという恵まれた環境、さらに当時は東日本大震災の直後。もっと大変な思いをされている人がいるのに、自分が辛いなんて言ってはいけないと思っていました。

ストレスは良くない、気分転換!大丈夫大丈夫。私は大丈夫!
世の中にはもっとつらい人、大変な思いをしている人がいる。

そう思っていました。

ですがこのセリフを聞いた時、自分の気持ちに蓋をしていたことに気がつきました。

あ、私辛かったのかも。私なりに、苦しかったのかも

自分の心に向き合うことができました。

***

今回、参加してくださった方々が泣いた理由を私は知りません。

エイミーさんの声や小説がきっかけになったのだと思いますが、そこに至るまでに、何かしらの「辛い」「苦しい」思いがたくさん溜まっていたのかな?なんて

あくまでも私の推測ですが、そんなことを思い、久しぶりにこのセリフを思い出しました。

こんなこと大したことない、別に辛くない、大変じゃない、もっと苦しんでいる人がいるんだから、と自分の思いに蓋をして気づかないふりをしてしまうことってありませんか?

でも、どんなささいな苦しみも辛いと認めちゃた方がいいのかな?
人と比べる必要はないのかな?

と今の私は思います。

そして、自分の辛さを人と比較しないことに加えて、もう一つ意識していることが他人の辛さも誰かと比べないことです。

例えば誰かが自分の悩みを話してくれた時、そんなのもっと大変な人がいるよ、大丈夫だよと伝えることが果たして相手を救うことになるのか。

その人なりに苦しかったことを受け止めた方がいいのかななんて。

私は心理学を学んだわけではないので、これが正しい対応なのかはわかりません。

ただ、自分に対しても人に対しても、その人なりに抱く辛さや苦しみを受け止められる人でありたいと思っています。

と、こんなことを書いていたらふと思い出した言葉があります。

“Respect other people's feelings. It might mean nothing to you, but it could mean everything to them.”

― Roy T. Bennett

自分にとってはなんてことないことも、誰かにとってはとても大切なことかもしれない

そんな気持ちを忘れずにいたいと思っています。

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Momi紅絹さん

吉田裕枝さん(2月11日追記)


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