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④運命の彼とデートを重ねる
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ちょうどその時期は、家にいるのに飽きて動き回っていた時期だったため、土日の予定がびっしりと埋まっていたため、なかなか予定が合わず、初めて二人で会う頃には数週間後が経っていた。
講師と受講生、主催者と客、という関係ながら、お互いに気になり、数週間後にようやく会う、という時間の経過に、
「明日…緊張してきた。やっぱ違うわ、とか言われたらどうしよう」
と少し不安になりながら、何を着ていこうか鏡とにらめっこしていた。
その時、電話が鳴った。
ゴリラ氏からである。
「もしもし~!明日ですね!ちょっとあれから時間が経ってしまって緊張しちゃったので、電話しちゃいました!今大丈夫ですか?」
さすが心理学の先生というのか。
見透かされたように電話をくれたことに完全に心をつかまれた。
これまでのLINEでのやり取りも多すぎず少なすぎず、頻度もちょうどいい感じだったのは、心理の勉強した心理学の達人だからこそ為せる業なのか…
はたまた遊び人だからこそ女心を知り尽くしているのか…
婚活アプリで培った初アポの鉄則ともいえる、とりあえずランチである。
初アポは、明るい時間に人目のある所で。コレゼッタイ。
ランチに関しては、正直何を話したか、あまり覚えていない。
ただ、ここで解散ではなかったのは、お互い好印象継続だったのだろう。
2軒目(?)は、なんとまさかのカラオケ。
明るい時間に人目のある場所で。コレゼッタイ。
とはどの口が言ったのか。
ゴリラ氏、カラオケ好きなんですって。歌に自信あるんだろうなぁ(あった)。
私もカラオケは嫌いじゃないし、ほめられることが多いので(自慢)、その話、乗った!ということでカラオケへ。
そこでゴリラ氏は私の歌声に魅了されたらしく(ホンマか?)、私は私で大声出したら緊張もほぐれたので、行ってよかったということにしておこう。
とはいえ、一歩間違ったら大ケガでっせ。
お腹いっぱいランチ食べたのに、2時間のカラオケで空腹になった私たちは、カラオケ店の目の前にある星野珈琲に入った。
話し上手で聞き上手がもはや仕事のゴリラ氏と、周りからはよく聞き上手と言われる私(自分語りが苦手)。
気付けば、3時間も話し込んでいた。
いろんなことを知れたし、話せたし、聞いてくれた。
それぞれ注文したパンケーキとロールケーキを「一口ちょーだい」と言い合えるという収穫もあった。
お店の外に出るともう真っ暗で、どうしようか…となったが、
「せっかくやし晩ご飯も一緒に食べませんか?」と言ってくれたので、ゴリラ氏オススメの焼き肉屋さんに行った。
安い!旨い!キタナシュランのようなお店だった(褒めてる)。
第一印象ヨシが継続、きちんと会話が続く、カラオケも楽しめる、「一口ちょーだい」ができる、キタナシュラン大歓迎…
ちょっと初アポとは思えない内容ではあるが、一気にギュっと大収穫できた気分だった。
しかもこんなに好感触なのに21時にあっさり解散したのだ。
婚活アプリを飽きるほどやった人は、このすごさを分かってくれると思う。
こんなに好感触を得たことなんて、一度たりともなかったし、少し楽しかったかな、と思ったらなし崩しにヤろうとしてきて、適当に躱して逃げ帰るのが【お決まり】なのだから。
それでも、少し気になる点はいくつかあった。
一つ目はゴリラ氏から私に向けて。
ゴリラ氏は私の第一印象を、
「愛想のいい、上品な、大人のお姉さん」
と思っていたのだ。
それを初アポでほぼ覆してしまった。
「愛想のいい、上品な、大人のお姉さん」
(正解)(不正解)(年齢だけ)
こう見ると軽傷のようだが、実際は瀕死の重傷である。
愛想がよくて、割と誰からも受け入れられるのは自覚している。
自覚できるほど【優等生】キャラを完璧に演じてきたプロだもの。
でも【上品な】、なんて最も真逆に位置する形容詞。
でもそんな私をゴリラ氏はいい意味で捉えてくれた。
【とっつきやすい、子どものように無邪気でかわいい人】と。
良いように捉えるにも程がある。
でもとても助かる。
私のこの性格を【かわいい】と言ってくれる、ゴリラ氏の器の広さに乾杯。
(場をわきまえて無邪気さを抑えるスキルがあってよかった)
もう一つは私からゴリラ氏に向けて。
その頃の私は【結婚】がすべての判断基準だった。
でもゴリラ氏は自営業1年目であり、なおかつ28歳。
結婚なんてまだまだ先の話なんだろうな…と。
でもこんなに惹かれてしまっている。
好きな人と結婚できるのを待つか…
妥協した誰かと早々に結婚するか…
そんなことを思いつつ2度目のデートとなった。
まさかの延羽の湯で岩盤浴デートである。
え、いきなりすっぴんですか…
しかも、岩盤浴ってみんな結構静かにしてるんですけど…
その後のお風呂とか、同性と来た方が楽しめるのでは…?
初回の一口ちょーだいにしても、2度目で岩盤浴デートにしても、なかなか普通ならハードルが高いのだろうが、すんなり受け入れられたのは、年齢のおかげか、お互いの居心地の良さというか、受け容れられてる感があったからか。
やはり結構みんな静かにしていたので、隣に座ってレンタルの漫画を読んだり、ゴロンと寝転がったりして、結構な長時間を岩盤浴上で過ごしたのち、
「ほな、〇時目処にここで」
と、それぞれ温泉を楽しんだ(もはや熟年夫婦)。
くたくたに疲れたので、軽くご飯を食べに行って、その日もそのまま健全に解散。
え、健全すぎやしませんか?
すっぴんを見てNG判定されたわけではなかったのは、次のデートの日にちも決めてから解散したからだ。
ただ、休日の都合が合わず、3度目のデートは仕事終わりにご飯食べに行くというコースになった。
ゴリラ氏がよく行くたこ焼き屋さんが、私が行ってみたいところだったので、またもや、安い!旨い!キタナシュラン!なお店デートとなった。
3回目のデートで告白…という一般的な流れを少し期待しつつ…
でも、この恋を取るか、早期結婚を取るか…で迷っていた。
…が、この日も終電あたりで解散となった。
でも次の日程は決めての解散だった。
え?これはどういう…??
この恋を取るか、早期結婚を取るか…とかで迷ってるけど、そもそも【ご飯友だち】認定されて、恋人候補から外された!?
混乱しつつ、翌週に4回目のデートの日を迎えた。
この日も仕事終わりのご飯で、ゴリラ氏がよく行くお店となった。
もう、なんの躊躇もなく、いろいろ頼んでシェアである。
いつもはそのまま解散するのに、今回はスタバに寄ることに。
お?ここでか!?今日なかったらもう【ご飯友だち】なんやろな…
と思いながら、イチゴのフラペチーノを飲む。
…飲み終わりましたけど???
え?今日ももう終電近いしいつもの場所まで送るよ、の流れ???
その流れ通り、【いつもの場所】に向かった。
そこで「ちょっといい?」と、ここで告白…!エンダァァァァァァ←
今かーーーい!!ここでかーーーーい!!
てか、どうする?恋を取る?結婚を取る???
と3分くらいぐるぐるぐるぐる考えた末…
「よろしくお願いします」と蚊の泣くような声で答えた。
(いつものクソデカボイスはどこへ…)
ゴリラ氏にとっては長い長い時間だったと思う。
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!!」とガッツポーズした後、ぎゅっと抱き寄せられた。エンダァァァァァァ←
念願のゴリラ氏の肉体に触れた(言い方)。
でもそのまま終電で帰宅した(ちょっと肩透かし)。
もう帰宅中の電車の中で友だちに、
「告白されてんけど!!!告白とか今時する人おるん!!!やばない!?彼氏できたで!!例のゴリラやで!!!しかもな、告白後にハグだけで解散して、終電で帰ってる!!!そんなことある!?!?!?!?!?!?!?」
と鬼の勢いでLINEを送った。
上品とは対角にいる人物であるとお分かりいただけただろうか。
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次回、付き合ってからその後。
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