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Webinar でのツアー作成に慣れるまで ( 美術館編)

コロナになってそれまでメインの収入源だったガイド業の仕事が0になって焦っていたのが去年の3月。

有難いことに初夏から某旅行社からウェビナーによるツアーの依頼が舞い込んで来た。何に関しても誰かに求められていると言うことと誰かが ”あなたがやると良いと思う”  などと声を掛けてくれれば二つ返事で受ける私なので、もちろん喜んで依頼を受けた。

最初は美術館の館内案内1時間ののウェビナー。
作品選びから始まって、セクションごとに流す順番や見せ場などのバランスを考えながらまとめていく。

スタッフと一緒に何度も打ち合わせをした。かなり時間の掛かる作業。
元々は現場で何度もお客さんを案内してた訳なので、同じ様にやれば良いと思いがちだが実際のツアーとウェビナーは似て日なるものだと気がつくのにそう時間はかからなかった。
実際のツアーには部屋から部屋への移動時間があり、その歩いてる時間を利用しながら話す内容があるから、実際に絵の前に立った時に上手く話を繋げられる。
でもウェビナーには移動時間がなく一つの絵と次の絵の間には隙間がない。当然だが、1クリックで飛ぶのでいつもの話の流れで話す訳にはいかない。

そして私が人前でノリノリでお話が出来るのも聞いてるお客さんのフィードバックがあるからだ。お客さんというのは黙っていてもその目線やさりげない頷きや笑などで反応してくれるので、その手応えとライブ感があってころこっちも面白く話し続ける事が出来る。
例えばフェルメールを見た後で印象派に移動する徒歩2−3分に間に印象派とは何かという話をある程度しておく事によってゴッホの絵にたどり着いた時に話がスムーズに進むのだ。
でもウェビナーではフェルメールからゴッホに一瞬で飛ぶ。
その感覚のギャップを感じさせずに進めて行くには別の方法が必要だった。

プラス、反応が見えない、誰に対して話しているのか分からない状態で1時間一方的に話すと言うのは自分が思っていた以上に大変だった。
まるで1時間のテレビ番組を作るってこう言う感じなのかなと思った。
しかもコマーシャルも休憩もないし。。。(当たり前だが、、)

そして更に大変なのは1時間の間に選んだ30以上の作品を話す為の時間配分、、
これも時計とにらめっこしながら、時間と闘いながらそれでいてスムーズに話が繋がる様に一人で進行して行く、これは随分慣れた今でも毎回骨が折れる。
誰もその絵は後30秒でまいてくださーい、、とか言ってくれないし。

それにチャットに質問が来たりも時々するのでそれにも上手く答えないといけない。想像以上の仕事量に気軽に二つ返事で受けてしまった事を後悔し始めたが後の祭り〜〜〜〜

しかしお金をしっかり取っているセミナーなので良い加減にやる訳にいかない。
当然だがしっかり納得して貰える1時間を作るのは想像を超えるものだった。

本当、なんでもやってみるまでは分からないものだ。
いつもの感じで1時間のミュージアムツアーやれば良い、と思ったが、
このウェビナーと言うのは全く違うアニマルであった。

ウェビナーをやるメリットも勿論ある。しんどい事ばかりではない。

”家にいながら仕事が出来る” 仕事というのはやはり良いものだ。 
生のツアーの様にその場所に自分がいかないと始まらない訳ではないし、特にこのニューヨークでは電車が遅れる、止まると言う事態が頻繁に起きる。
そのストレスからの解放は大きい。
それにツアーの最終にお客さんがトイレに行きたい、だとか迷子になる人が出たりとかそう言う心配もない。 (当たり前か、、)

しかしウェビナーといえど顔が出る訳なので一応化粧もするし髪も整える。
でも楽だな、、と思う部分は、首から上しか写らないから下半身はジャージーパンツだったりするし、オニオンやニンニク食べた後でこれからツアーだから歯磨きしないと、、って焦る心配もない。

逆に心配事と言えばウェビナー本番の時にうちのインターネットが切れたらどうしよう?とか、家に私しかいない時間帯に急にアマゾンのデリバリー来たらどうしよう?とか。笑 そう言う今までになかった心配はある。

大体のこう言うウェビナーは日本の夜の時間に合わせてるので朝7ー8時と言った時間帯が多い。
家族がいる時間帯なので、ウェビナーが始まる10分くらい前には私は部屋に入るので直前に家族にこれから篭るので絶対ドアを開けない様に念をおす必要がある。

”何があっても決してこのドアを開けないで下さい、、、お願いです”

なんか ”鶴の恩返し” みたいだ。

そーーっと部屋を開けて覘いてみるとウェビナーをやっているはずの妻が
身から羽を剥いではた織りをしていた。。。

なんてことが、、、あるかいっ!!

次回は私が手がけた ”ニューヨークのバー活用法” に関するウェビナーについて話して見ます。




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