飲食業の世界に魅せられて

私は長年、演劇とかパフォーミングアートの勉強や活動をやって来た人生だったからか、バイト経験も長かった。
バイトって色々な種類があると思うんだけど、私は10代の頃から、そしてアメリカで大学生やってた頃も、グリーンカードがめでたく取れて会社を辞めて自由人になった後も、、他の業種を色々と跨いだ後、結局は飲食系のバイトに戻って行った。飲食業のバイトってどうしても ”本当にやりたい事があるんだけどそれだけでは食べていけない” って言う人がハマる世界である事に間違いはない。
勿論私もそのうちの一人、、なんだが、なんて言うかなー、仕方なしにやるって言うよりは選んでやっていたと言っても間違いではない。

日本でバブル時代から始まった飲食店のバイトを箇条書きにしてみよう。

1、16歳の時に生まれて初めてのバイトは駅前のとても昭和レトロな喫茶店
2、地元のロイヤルホテルに入っていた和食レストランの調理補助兼洗い場
3、地元に数件のチェーンを構える大型寿司屋の総本店
4、3と掛け持ちをしながら居酒屋 

渡米 (ニューヨーク)

5、ミッドタウンのお好み焼き屋 
6、イーストビレッジの日本食創作料理店
7、クイーンズの超ローカル日本食店 (現在も営業中)
8、アッパーウェストサイドのおまかせコースを出す小洒落た寿司屋
9、アッパーイーストサイドのいかにも地元の日本食店
10、チェルシーのセレブ御用達のトレンディジャパニーズレストラン・バー

ざっと飲食店だけ挙げてみても10個も出て来た。
凄いなと思ったのはこの中で今も変わらず営業を続けているのはクイーンズの日本食屋だけだ。この間お餅つき大会を手伝いに行って来たところだ。感慨深い。

この中でわざわざブログに書く価値のある(自分に取って)は 1、2、3、7、10くらいか、、5も入れても良い。Who cares??
これらのお店とそこでの体験はまた別の日に書くとして。

飲食店にばかり戻って行ったのは別に他に全くバイトがなかった訳ではない。
私は飲食業の持つ独特の世界に魅了されていたと言えば大袈裟だろうか。。。
開店前の準備中の掃除、テーブルのセットアップ、お醤油の香り、調理場から聞こえる料理器具がぶつかる音、そして沢山の仲間と食べるまかない。
余りにも若い頃から長時間過ごした場所だからだろうか、、、
別の仕事をしても結局いつも飲食業に戻って来てしまった、、なんか落ち着く。
特に開店前のお店の香りが好きだ。

そこで繰り広げられる数えきれない程のストーリー。
飲食業以外の仕事も結局はホスピタリティー系ばかりで、ホテルや旅行業、、食べ物じゃない場合でももてなし産業には変わりない。

今、書いていて思い出した。
私が小学校4年から5年にかけて、うちの両親が小料理屋を経営していた事があった。お店をやる為にその家を建てて一階がお店でその奥と2階に住んでいたのだった。 そう言うところから私と飲食業の歴史は始まっていて深い意識の中に宿り出したのか、、、

私の好きな小説のかなり上位に吉本ばななの ”キッチン” がある。あの本は何度読んでも私の魂の奥にずしんと優しく響く。

しばらくそれぞれのお店での経験や小話を書いてみます。




 






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